横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

花の構造

2006-06-03 08:02:24 | 近所

トケイソウ(トケイソウ科)時計草
トケイソウは常緑の蔓植物だが、その構造はかなり面白い。

一番先端にある黒紫色のものがメシベで、
3本に分かれて時針・分針・秒針のように見える。
オシベはほとんどが5本だが、6本のこともある。

雄しべの下にはたくさんの細い糸状の副花冠がある。
副花冠は4列あり、中心部のものは雌しべの根元に沿い、
その外側にごく短いものが1列、
そして外側に長いのが2列(100本以上)ある。
長いものは根元が濃紫色、中程は白色、先端は青紫色となっている。


蕾が開き始めたところ。


まだ花弁が開ききっていない。
このときオシベの葯は花粉を上に向けている。
しばらくすると回転してメシベにソッポを向く。自家受粉防止であろうか。


花弁は10枚のように見えるが5枚が花弁で、5枚は萼片だという。
メシベが3裂するから時計だが、上の写真で4裂、この写真では5裂している。
100mの世界記録を測る時計のようだ。

こんな複雑なのに一日花とはもったいない。


ニゲラ(キンポウゲ科)
細い葉がモジャモジャのニゲラもメシベの下にオシベがある二段構造だ。
そして、このオシベがメシベに向かって立ち上がっていくという。
いつか経過観察してみたい。


ヒレハリソウ(ムラサキ科)鰭玻璃草 鰭張草 コンフリー
トケイソウほどではないが、ヒレハリソウも面白い。
右上の方の花で分かるように、花序の先が螺旋状になる。


こちらは白花。


女の子の可愛いワンピースのような花を、
失礼千万にも下から覗いてみると、
メシベの周りに円錐のような付属体が目立ち、オシベはその間にひっそりしている。


大きな葉の葉柄は茎にそっていき翼になっている。
このヒレと玻璃(はり:水晶)に見立てた白花からヒレハリソウと呼ばれたとか。