境川の堤防のところどころで、葉を折りたたんで裏の白さが目立つものが群生している。。
カラムシ(イラクサ科)
マオ(苧麻)とも呼ばれるカラムシは、前に書いたヤブマオ の仲間だ。
虫と紛らわしいのでカラムシソウと呼ぶ人もいる。
黄色い花は、ヤブマオと同様に雌花序と雄花序があるが、どちらも葉の下に目立たず咲く。
古来、カラムシ(マオ)の茎から繊維を取り、その糸を織ったものが能登上布、越後上布、薩摩上布などになったそうだ。
ただ、古くカラムシとよばれたマオは現在のナンバンカラムシで、クサマオが現在のカラムシだという話もある。
繊維をとるのは大型のナンバンカラムシの方らしいが、多くはカラムシからと説明されている。
写真のものが、どちらなのか詳しくは知らない。
それはともかく、なぜ二つ折りになっているのか?
ピタリと折っているものや、少し開いているものなどさまざまだが、中には蛹(サナギ)がいる。
アカタテハ(タテハチョウ)の幼虫が、この草を好み巣を作り蛹になっているのだ。
葉の裏には白い細い毛が生え、表の緑と対照的だ。
このため、押し花の素材としても用いられる。
(2004.2)
額のガラスによるハレーションはご愛嬌と許していただきたい。