読書日和

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「君に届け」 -漫画-

2010-10-24 13:46:19 | マンガ
今回ご紹介するのは「君に届け」(著:椎名軽穂)です。

-----内容-----
北幌高校に入学した黒沼爽子(くろぬまさわこ)は、見た目が暗く、周りからは「貞子」と呼ばれ、クラスに馴染めないでいた。
しかし、クラスメイトの風早翔太や吉田千鶴、矢野あやねなどの協力を得て、周囲の誤解を解き、友情・恋愛などを通して成長していく。

-----感想-----
生涯初めて、少女漫画を読みました。
映画がとても胸に響くものだったので、原作も読んでみようと思いました。
映画のレビューで大まかな内容には触れているので、こちらでは原作ならではの部分について書いていこうと思います。

1巻を読み始めて、やっぱり絵のタッチが少年漫画とは全然違うなと思いました。
とても淡い感じです
そして心理描写が丁寧。
主人公・爽子が何を考え、どう思っているのかが、かなり丁寧に描かれています。
絵を流しながら、そこに爽子の心の声を入れていて、これが普段少女漫画を読まない私には新鮮でした。
例えば、「私はこのとき、風早君のことが…」という台詞があったとします。
これをこの漫画では
最初の絵→私は→次の絵→このとき、→次の絵→風早君のことが…
という構成にすることが多いです。
台詞を一息に並べるのではなく、短く区切りながら、次の絵に進むようにしています。
この構成の影響なのか、読んでいて爽子の気持ちがよりリアルに伝わってくるような気がします。
最初は憧れの気持ちの強かった風早に対して、段々恋愛の気持ちが芽生えてくるあたりは、読んでいて照れました(笑)
あまりの青春ぶりに結構ニヤニヤしてしまう場面もありますね^^

舞台は高校とその周辺なので、作品の世界はそれほど広くはないです。
接する人間も限られてくるし、その分それらの人との関わりが濃密になってきます。
高校くらいのときの人間関係は「狭く深く」だったのを思い出したりもしました。
球技大会や学校祭など、学校ならではのイベントもあり、そこに爽子と風早の恋が絡んできたりして、読んでいて先が気になります

ほんと、扱っている題材は日常の一コマなんですよね。
朝起きて、学校に行って、勉強して、友達と話して、気になる彼のことを考えて、そして帰って、一日が終わる。
でもその何気ない一日に、色々なドラマがあります。
友達との友情が深まったりもすれば、厄介な恋敵が現われたりもします。
色々なことを乗り越えて、最初は浮いていた爽子もどんどん成長していっているなと思います

爽子の友達・吉田千鶴の
「知ってる?友達ってねえ、気付いたらもうなってんの!」
は名言だったと思います。
そうなんですよね。。。「うちらは友達だよね?」なんて確認しなくても、気付いたら友達になっているものです^^
爽子にとって入学後初めての友達の吉田千鶴、矢野あやねとも気付いたら友達になっていました。

君に届け。
爽子の思い、風早の思い、それぞれの思いはお互いにとっての「君」に届くのか。
何とも爽やかで淡い恋の行方にやきもきしつつ、ページをめくる手は止まりません。
「胸キュン」という言葉、私は映画のレビューでも漫画のレビューでも一度も使っていませんが、この言葉がピッタリの物語だと思います。
この作品を読んで良かったなと思いました


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2 コメント

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viviandpianoさんへ (はまかぜ)
2010-10-26 19:20:09
たしかに少女漫画は心情を綴ってますね。
心情だけで一話の半分以上を使っていたり^^
普段少女漫画と縁がないだけになかなか斬新に感じました。
「君に届け」はそこに笑いの要素も取り入れ、かなり読みやすくなっています。
続きが出たら読みたいなと思います。
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やっぱり (viviandpiano)
2010-10-26 00:41:23
少年漫画と少女漫画は違いますよね。
少年漫画はアクション漫画であり、
ストーリーで読ませる部分が大きいです。

一方で、少女漫画は心情をつづる。
そして美しい夢のようなものを臆面も無く描く。
コマ割りも、そういう「見せ方」重視かも。

少女漫画、友達と読みまわしてた頃を思い出しました☆
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