東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

雨霧湧きあがる深山の中、ひっかり観音の屏風岩を磨く

2015年06月09日 | ふるさと

 先日、龍泉寺のご住職様にひっかり観音のお勤めをしていただきました。その時屏風岩を磨きましたが、持っていた道具が粗末だったためちゃんと磨くことができませんでした。そのため今回、石を磨く道具を持っていきました。グラインダー,コンクリートを磨くことができる荒砥,中位の砥石,紙やすりなどです。梅雨真っ最中の今回、特に午後からは雨が強くなりました。荒天にも関わらず郷土館に13:00に集合して、ひっかり観音がある呉麓山に向かいました。

  雨の中、急な山道を登る     森の中は、雨と霧        ひっかり観音に到着
  

 雨が降りしきる山深い林道を通って呉麓山に向かいました。呉麓山の麓に着くと、雨具に着替えました。そして、重い発電機などを持ってひっかり観音に登りました。雨はだんだん強くなり、森の中は雨と霧に包まれていました。今は梅雨、晴れた日に限っていては、ひっかり観音に登る日程がたちません。濡れて滑りやすい急な山道をのろのろと登りました。

              ひっかり観音に到着すると、少し休憩後研磨を開始


 雨に濡れながらもひっかり観音に到着すると、少し休憩して体を休めました。あたりを見回すと、谷を霧が湧きあがっていました。周りは、さながら霧に包まれた深山のようでした。雨雲に包まれているため、視界が悪く田布施町などの街並みを見下ろすことはできません。休憩後、発電機を動かして屏風岩の研磨に入りました。私は最初、グラインダーに丸い荒砥を付けて磨きました。

 さながら霧に包まれた深山     濡れた屏風岩の研磨      時々丸砥石を交換
  

 ところが、この屏風岩は思ったよりとても硬いのです。花崗岩とのことですので、硬さは石英に近いのではないかと思います。コンクリート用の砥石を使いましたが歯が立ちません。無理に押し付けると、火花が飛んで焼けた匂いが漂います。この時、一度では磨くことができないことに悟りました。一時間程度磨いたでしょうか。腕が疲れたため、皆で休憩を取りました。
 休憩中、ひっかり観音を取り巻くように自然石で組まれた石垣を調査しました。何のための石垣か全く分からないのです。石垣の上に建物らしき残骸もないし、地元にも言い伝えが全くないのです。地方史研究会の史料によると、昔呉麓山を越える街道があり茶屋があったそうです。茶屋があったのでしょうか。また、地元西山地区に住むNさんの話では、子供の頃からここに入らないように言われてきたそうです。何か霊気のようなものがあると思われていたのでしょうか。はたまた、石垣の中に磨崖仏のような何かが隠されているのでしょうか。そもそも、観音と言われている元々の由来は何なのでしょうか。同じ川西地区にある蓮池寺の創建(1024年)に関わる観世音菩薩霊像の古話と関わりがあるのでしょうか。奥深い謎があるようにも思える石垣や岩です。

               自然石で組まれた石垣の上にある、ひっかり観音


 休憩が終わって、研磨作業を再開することにしました。ところが、発電機がさっぱり動かないのです。何度も試みましたがダメでした。去年の同じ頃、ひっかり観音で木の伐採中にチェーンソーが故障して動かなくなったことがありました。仕方がないため、作業を中止して早々に山を下りることにしました。今回参加された方々、お疲れ様でした。
 ところで、発電機所有者のNさんが自宅に着いて発電機を動かすと、なぜか一発で発電機が動いたとの連絡がありました。不思議なことです。

   急な山道を降りる       雨と霧の森をひたすら下る    やっと林道に降り着く
  

コメント
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