東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

郷土館で展示中の蓄音機を修理(2/x)

2015年06月02日 | 古ラジオ修理工房



 前回に続いて、田布施町郷土館の蓄音機を修理しています。しかし、なかなかはかどりません。はかどらない理由は、二つあります。一つは、外れていたM2サイズのネジが見つからず、しかも旧JISネジのため購入できないことです(現在販売しているはISOネジ)。二つ目は調速器の重りが回転する部分の板バネが破損していたことです。もちろん、この板バネも購入することなどできません。特に後者の板バネ破損は致命的です。どうにかして代用品を見つける他はありません。工夫のしどころです。

                  調速器(レコードの回転制御)の内部構造


  調速器には回転する重りが3個あります。そのうちの1個の板バネが破損しています。最初、1個だけ外して2個で回転させてみました。すると、回転の速度が上がるとバタバタと音をたてて振動が激しくなりました。2個だと振動して安定性が欠けるのです。そこで、板バネが破損した重りを糸で固定してみることにしました。

    回転重りを糸で固定    ほどけないよう巻き結び      3個の重りを糸で固定
  

 重りを糸で固定すると、調速器がスムーズに回転するようになりました。しかも、振動しません。しかし、糸で固定されて板バネのしなやかさが無くなってしまうのです。そのため、回転はするものの、回転速度が早すぎる結果となりました。つまり、回転が速いままで調速が効かないのです。この状態でレコードをかけてみると、音は出るようになりましたが早い速度で再生されるのです。音が出るようになったのは成功でしたが、糸で縛る方法は失敗でした。別の修理方法を模索することにしました。

        調速器の重りが早く回転しすぎて、レコードの回転速度調整が不可

コメント
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