「
みんなの鎌倉遠足」時代から、ずっと入ってみたかったお店『郷』(さと)でランチをいただいた。
鎌倉駅にほど近いあの「マル七商店街」の入口にある居酒屋である。
昼も夜も中からワイワイと活気が漂い、なかなか入るのに勇気がいるのだ(笑)。
引き戸をそーっと開けてみると、カウンターだけの狭い店内に先客は4名ほど。いちばん手前の先輩お二人はすでにビールで盛り上がっている。一見さんにはキツイかなと思ったら、他の方々は席を移動してどうぞどうぞとあけてくれるではないか。入りづらそうと勝手に決めつけていた自分が恥ずかしい。
さて、頼んだのは「豚肩ロースの生姜焼き定食」(800円)だ。観光地鎌倉なので日ごろ慣れているランチ価格からすればやや高めに思えるが、いやいやこれがどうしてかなりお得だってことは後で実感することになる。
カウンター越しに出てきたのが・・・
これ、洋食屋さんのポークソテーですよね。しかも、かなり厚めの。すごいぞ。
勢い余ってその豚肉にまでマヨネーズがかかってしまった(セルフです)のはご愛嬌ですが(誰ですか、確信犯だっていうのは)。それにしても、食べ応え充分。厚みの分たいていパサパサになるところだがまったくそれもなく、これぞ豚肉っていう味と食感を存分に楽しませてもらったのだ。
大振りのお椀にたっぷり入ったアサリの味噌汁もうまい。いかにも自家製のキュウリの漬物も懐かしい。
そして、小鉢には煮込んだミートボールが、半身を一枚うつわ状にしている玉ねぎの上に載っている。なんだこれ、ワイルドだせぇ。しかもよく考えると、肉+肉という(笑)。もちろん、これもおいしくてご飯が進んじゃうのだ。
もう夢中でガツガツ食べちゃって、同席した
この方に「あれ?速いね」と呟かれる始末。
これで800円なら申し分ないじゃん。むしろ、安いくらいだ。
情報誌にもよく掲載されているけど、やっぱりここは地元民向けのお店なのだろう。それでも、初めて訪れた僕らもやさしく受け入れてくれる懐の深さを感じるのである。
僕らの大好きな懐かしい雰囲気の中、カウンターの向こうで働く親子と思われるお母さんとお兄さんの顔つきがまたザ・昭和だった(失礼。でもこれ褒め言葉です)。