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レコード(CD)の“ジャケ買い”というのがあるが、
これはもうまるっきり“タイトル買い”である。
『センチメンタル急行』(泰文堂刊 571円+税)
そのタイトルの下には「あの日に帰る、旅情短篇集」の文字が添えられている。
さらに、表紙の2/3を占める帯には雪が積もる寂れた駅の夜空に、白抜きの文字で「あなたの帰りたいあの頃はいつですか?」とある。
う~ん、ちょっとソソられるぞ。出版社の企画に完全にハマッて、中身も開かずに買ってしまったのだ。おじさんは、こういうのに弱い(笑)。
そのタイトルからイメージできる通りのせつない話が10編。現在と過去、人と人とを結ぶ役割を、鉄道が果たしている。いつか、どこかで乗ったような、そして見たような風景が車窓を走る。
それぞれよくできているのだが、ほとんどが人の死に端を発した物語で、そりゃセンチメンタルにもなるよなというのが感想。残念ながら、泣けるシーンもなかった(個人的な感想です)。
本当はどれも素敵な作品だったのかもしれない。ただ、それ以上にタイトルと装丁がうますぎて、中身の印象が薄くなってしまった、そんな一冊だった。
帯と同じ体裁で、三日月形のしおりが挟まれているニクい演出。ただ、実際にはとても使いづらい(笑)。
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