湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

時よ静かに

2015-11-16 22:36:55 | B食の道


初めての本鵠沼駅前。
次の電車まで少しあったので5分ぶらぶらしてみようと。

鮮やかな「ラーメン」のノボリにひかれ歩いて行くと、かなり枯れた、僕好みのお店が現れた。ショーケースもある。
『中華 静』と、中華らしからぬ店名。

元テニスボーイのようなおじいさんが入って行くので、その後を追って(笑)入店。


高齢の店主とおかみさん、内装から、開店して半世紀は経つだろうなと思っていると、先ほどのおじいさんとの会話がすぐにそれを証明してくれた。

「だって初めて来たとき、まだ20代だったんだから、もう少なくとも50年は経ってるってことだ」



僕が頼んだのは「ラーメン」(450円)



ほのかに甘みを感じるスープは、昔ながらでおいしい。麺のボリュームに比べてそれぞれの具が小さいところが可愛い。まぁ450円なんだから文句は言わない。
ずっとこの味なんだろうなぁと思っていると、タンメンを頼んでまずスープをズズッとやったテニスさんがこう言ったのだ。

「これだ、変わってない、これこれ」
またしても、僕の想像をキッチリ証明してくれた。


「そうじゃないよ、おかあさん」
「いいのよぉ」
「そうかぁ」
ご夫婦のやりとりがいいなと思って聞いていたら、テニスさんがニコニコしながらしきりにうなずいている。その顔には「変わんねぇなぁ」と書いてあった。


それにしても、このご夫婦はいったい何歳なのだろう。
いやいや、さすがにこれはテニスさんが証明してくれそうもないので、自分で聞いちゃったよ(笑)

「あたしが76で」
厨房のご主人を指差して
「お父さんがが84」

「この店、62年になるのよ」
がんばって続けてくださいよ。
「うん、ボケないようにと思って続けてるのよ」

すてきだ。
ここにだけは、いつまでもゆっくりと時が流れてくれることを祈るばかりである。






「配達はやめさせてもらって、申し訳ないんたけどね」
といっていたけど、一番上の写真を見たら、バイクは今でも現役みたいだなぁ。