この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

SFとしては疑問の残った『アリータ:バトルエンジェル』。

2019-03-02 20:48:20 | 新作映画
 ロバート・ロドリゲス監督、ローサ・サラザール主演、『アリータ:バトル・エンジェル』、3/2、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13にて鑑賞。2019年8本目。


 土曜日は迷いに迷った末、『ギルティ』の他に『アリータ:バトル・エンジェル』を観ることにしました。
 今更感が無きにしも非ずだったのですが、お茶会の話題についていきたかったのです。

 さて、感想を述べる前に断っておきたいのは、自分は本作の原作である『銃夢』は未読であるということです。
 感想はあくまで映画についてであり、原作を読めばまた変わる可能性はあります。

 ではさっそく感想を述べさせてもらうと、本作はアクション映画としては非常にレベルが高かったと思います。アクションに関しては何も文句はありません。

 ただ、SF映画としては正直ツッコミどころが多かったかな。原作を読めば解消するものなのかもしれないけれど…。

 舞台ははるかな未来の火星。天空には「ザレム」と呼ばれる空中都市と地上にはザレムから排出される廃棄物を再利用する人々が住む「くず鉄町」があります。
 まぁわかりやすく言えばザレムがくず鉄町を支配しているってことですね。

 そこまではいいのですが、問題なのはザレムとくず鉄町の間に交基本的に流、及び人の行き来がいってことでしょうか。
 支配している、けれど交流がないというのは正直「???」でした。
 支配する以上は一定の交流が必要だと思うんだけどなぁ。
 
 くず鉄町に住む人々の中にはザレムに対して盲目的な憧れを抱いている人がいて、ヒロインの想い人となるヒューゴもそうなのですが、なぜ彼がザレムに対して強く憧れるのか、その理由が作中説明されないんですよ(されましたっけ?)。 
 なので彼がザレム行きのために暴走することも理解出来ず、終盤ザレムから垂らされたパイプラインを伝ってザレムに行こうとするのには「無茶するなぁ」としか思えませんでした。

 だいたい空中都市といっても衛星軌道のような超超高度にあるわけではないので、フツーに飛行機か何かで行けばいいのでは?って思っちゃいましたよ。
 まぁ飛行機が近づけば撃墜されるとかいう設定なんでしょうけれど。

 くず鉄町からザレムに行くことは基本的に出来ないが、唯一の例外が「モーターボール」という格闘球技でチャンピオンになること、という設定にも正直首をひねってしまいました。
 ザレムの支配者であるシヴァを仇と狙うアリータにはザレムに行く理由がありますが、そうでない人にとってザレムに行くことにどんなメリットがあるのか、具体的な説明がないから納得出来ないんですよね。
 ザレムに行ったら永遠の命でも約束されるんですかね。
 サイボーグ技術の発達した世界で永遠の命を欲するというのもよくわからないです。

 まぁそんな感じで細かいところが気になったのですが、脚本を担当したジェームズ・キャメロンの作品では『アバター』のときも同じようなことを思ったので、それが彼の作品の特徴なのかもしれません。

 とはいえ最初に言ったとおり、アクション映画としては充分満足できる出来栄えだったので、それを目的に観に行くのはありだと思います。


 
 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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