この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

パフォーマンス、イニシアチブ、バイタリティ、コンプレックス、三谷幸喜著『清須会議』。

2012-07-10 22:37:01 | 読書
 三谷幸喜著『清須会議』、読了。

 このブログを読んでくださっている方の中でも三谷幸喜ファンは多いんじゃないかと思います。
 まぁ多いと思うだけで別段その確認はしてないのですが(多いよね?)。

 その人たちがいつぐらいから三谷幸喜ファンになったか、当ててみましょう、『古畑任三郎』からじゃないでしょうか?それも第二シーズン。違うかな?違わないかな?違わないこともないかな?ま、どっちでもいいんだけど。笑。

 自分が三谷幸喜のファンになったのは、テレビで『古畑任三郎』を見たから、ではありません。
 確かに『古畑任三郎』を見てはいたけど、熱烈なファンというわけではありませんでした。
 じゃ、いつかっていうと、それは本屋でジャンプノベルズの『大根性』(の前編)を読んだ瞬間、でした(今となっては昔のことだけど、ジャンプが小説に力を入れていた時期もあったのです。そのおかげで直木賞作家である村山由佳が存在します。)。
 『大根性』を読んで、自分はこの人には一生ついていこう、って思ったんです(見てない作品もありますけどね。『今宵、宇宙の片隅で」とか。あれはストーリー以前にメインキャストの二人が大嫌いだったので。)。
 もうそれぐらい、『大根性』を読んでいて、それこそ腹が捻じれるかと思うぐらい笑えました。
 自分は今でも三谷幸喜の最高傑作は『古畑任三郎』でも『王様のレストラン』でも、『the有頂天ホテル』でもなく、『大根性』だと信じて疑っていません。
 だって本を読んでいてあんなに激しく笑ったのは、後にも先にもないもの。

 その三谷幸喜が前作『俺はその夜多くのことを学んだ』以来十四年ぶりに小説を上梓しました。
 それが本作です。
 まぁぶっちゃけ、傑作だった『大根性』に比べ、さすがにそこまで笑えはしませんでした。
 三谷幸喜ファンなら読んで損はないと思うけれど、、、どうかなぁ?

 タイトルの「パフォーマンス、イニシアチブ、バイタリティ、コンプレックス」は本作の中から適当に抜き出したカタカナ語です。
 そう、本作は羽柴秀吉やお市の方が出てくる時代物でありながら、現代語訳と称して、地の文にフツーにカタカナ語が出てくるんです。
 なるほど、現代語訳ときたか、三谷幸喜も上手い手を考えたものだな、と自分は思ったのですが、ネットではそれがあまり評判はよくないみたいですね。
 まぁ時代物っぽい時代物を求めて、「イニシアチブを筑前に取られることはなかった」なんていう文章を目にしたら、腹も立つかもしれませんね。

 自分的にはそれよりも、一人称多視点で描かれた本作が、どう映画になるのかに興味があります(本作は来年三谷幸喜本人がメガホンを取って映画化されるらしいです)。
 一人称多視点の小説って映画にはしにくいはずですけどね。
 だってナレーションだけで構成されてるお話ってことですから。
 まぁどう映画化されるにせよ、個人的には駄作だった『ステキな金縛り』よりはマシな作品にはなるだろうなと思っています。
 いや、そうでないとほんと三谷幸喜ファンを止めざるを得ないですからね。。。
コメント (4)
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