この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士。

2010-02-19 22:13:51 | 読書
 スティーグ・ラーソン著、【ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士】、読了。市立図書館蔵書。

 よーやく、【ミレニアム3】の上下巻を読み終わりました。
 何度図書館で借り直したっけなぁ。三度ぐらい借り直しましたよ。
 一時はこのまま読み終わることはないのでは、なんてことも思いましたが、さすがにそんなことはなかったです。
 面白いことは面白かったんですけど、世間一般で絶賛されているほどとは思わなかったかな。

 これは本書だけでなく、シリーズ全般にいえることなのですが、ヒロインであるリスベットが様々な危機に陥る際、何ていうか、彼女を無理矢理危機に陥れようとする作者の意図が見え見えなんですよね。
 例えば本書のクライマックスでリスベットは殺人マシーンである実兄ニーダーマンと対峙するのですが、その際まったく武器を携えていないんです。
 あれだけ危険な目に合い、ニーダーマンがどこにいるとも知れず、土地鑑のないところに出向くというのに、武器を携帯しない?
 確かにその方がスリルは増すと思いますが、展開としては不自然です。
 同じようなことは前作【ミレニアム2】を読んでも思いましたね。
 やはりクライマックスにおいて、敵のアジトに乗り込むリスベットの武装がやたら貧弱で、明らかに準備不足でした。

 また、シリーズ第三作である本書はポリティカルスリラーであり、法廷ものでもあるので、自分はスティーブン・ハンターの【極大射程】を思い出しました。
 ただ、【極大射程】とは違って、読んでいてもあまりドキドキはしなかったです。
 【極大射程】では、巨大な敵組織に対して主人公ボブ・リーの味方は片手の指で数えられるぐらいしかいないのですが、一方【ミレニアム3】では、窮地に陥ったヒロインのリスベットに、次から次へと味方が現れるんですよ。かつての雇い主やハッカー仲間、彼女の手術を執刀した医師、果てはスウェーデンの首相までが彼女の身を案じるようになっちゃう。笑。
 ここまで味方が多いとどんな危機でもへっちゃらじゃないの?なんて捻くれ者の自分は思っちゃいますね。

 まぁ今挙げたような欠点もありますが、やはり面白く読めたことには間違いないので、作者の急逝によって続く第四作、第五作が読めなくなったのはとても残念に思います。 
コメント (4)
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