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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

陰日向に咲く。

2009-11-17 22:15:36 | 読書
 劇団ひとり著、『陰日向に咲く』、読了。


 今さらながら劇団ひとりの処女作にしてベストセラーである、映画化もされた『陰日向に咲く』を読みました。

 自分はベストセラーを読むということがあまりありません。
 何故自分がベストセラーを読まないか。
 何も絶対に読まない、と心に決めているわけではなく、ほら、ベストセラーって百万部も二百万部も売れてるんだから、別段本屋で買わなくたって、読もうと思ったら、読書好きの知り合いの一人か二人に声を掛けたら借りられるものじゃないですか。
 自分の場合、その読書好きの知り合いの一人か二人がいないわけなんですよ。
 なので、自分にとってベストセラーを読むという行為は、自分には読書好きの知り合いが一人もいないということの再確認することでもあるので、ベストセラーを読まないのです(より正確にはベストセラーは買わない主義)。
 はい、仰る通り、ネガティブで、捻くれた思考回路でございます。合申し訳ございません。

 まぁでも図書館で借りる分にはベストセラーだろうがどうだろうが関係ないので、今回借りて読んでみることにしました。

 先に言っておくと『陰日向に咲く』、自分の好みの作品でした。
 社会の底辺に生きる人たちに向けられる(作者の)優しさに満ちた眼差しは無条件で好きですね。
 一つ一つのエピソードも素直にいいな、と思えました。
 特に第四話『OVERRUN』の最後は泣けましたね。反則ですよ、あれは。

 ただ、一部のレビューにいわれているような、傑作だとは思いませんでした。
 一つ一つのエピソードはいいんだけど、それを連作として全体を見た場合、その繋がりがどうにも弱い気がしました。
 例えば、第三話のヒロインは第一話の主人公の娘であることが(第三話の最初の方で)明かされるのですが、そのことが後の展開に影響しているかというとまったく関係ない。ただヒロインの父親が誰かわかるというだけ。話の筋には関係してこない。
 これが伊坂幸太郎の連作であれば、誰かと誰かが血縁関係にあると判明すれば、そのことがその後の展開に確実に影響し、後々になって「おぉ!」と思えるような意外な結果を生み出すんですけどね。
 まぁ当代一の売れっ子作家とデビューしたてのひよっ子作家を比べるのが酷なのかもしれません。

 さて、本作は映画化されたのですが、主役が岡田准一だったと聞きます。
 そのことは読む前から知っていたのですが、読んでも彼がどの役を演じたのか、さっぱりわかりませんでした(岡田准一っぽい登場人物はいない。何しろ本作は社会の底辺を生きる人々の話だから)。
 改めて調べたら岡田准一が演じていたのは第四話『OVERRUN』のオレオレ詐欺男でした。
 むぅ、、、『容疑者Xの献身』の犯人役の石神を堤真一が演じると聞いたときも相当イメージが違うと思ったけど、岡田准一のオレオレ詐欺男はその比じゃないなぁ。
 まぁ見らずにごちゃごちゃいっても仕方ないので、今度暇なときにでも映画も見てみようと思います。
コメント (7)
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