この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ミラーズ。

2009-01-03 20:49:54 | 新作映画
 キーファー・サザーランド主演、アレクサンドル・アジャ監督、『ミラーズ』、1/1、Tジョイ久留米にて鑑賞。2009年2本目。


 怖ぇーよ、めっちゃ怖かったです、『ミラーズ』。
 何が怖いといって、そのシチュエーションが怖い。
 大火事で廃墟と化した元デパートの深夜警備ってだけで、もう勘弁してくださいと言いたくなります。
 先日の記事でよく出来ていると感心するセットはそれをセットだと認識出来る時点で駄目なのだ、という発言をしましたが、本作で主な舞台となる廃墟と化したデパートは、どこかに実際こんな廃墟があるんじゃないかって思えるぐらいリアルなんですよね。そのリアルさは手ばなしで褒めていいと思います。

 シチュエーション的な怖さはまだまだ続くんですが、観ている途中で、あれ?って思いました。このシチュエーション、どっかで見たことあるぞ、と。
 それもそのはず、本作は過去の名作ホラーのいいとこ取りなんです。自分が気づいただけで『呪怨』、『ポルター・ガイスト』、『エクソシスト』、『ヘルハウス』、『サイレント・ヒル』etc、ホラー映画に詳しい人であればもっと挙げることが出来るでしょう。
 監督(脚本家?)は当たり前だけどよくホラー映画を見ているなぁ、そしてよく取り込んだものだなぁと感心しました。

 感心したことは他にもあって、本作はそのタイトルからもわかるように鏡が重要なアイテムとして使われているんですが、その使い方が上手いんですよね。鏡だから当然真正面から撮影すればカメラが映っちゃうわけで、まぁCGで誤魔化している部分はあるにせよ、その撮影の仕方の上手さにはひたすら感心しました。

 褒めてばかりなのもどうかと思うので、短所も一応書いておくと、過去の名作ホラーのいいとこ取りだからでしょうか、その分ストーリー的にはかなり無理があるように見受けられました。
 まず、前任者が主人公のことを知っていたというのは予知能力でもない限り無理ですよね?それに対する整合性のある説明とかもなかったですよね?
 それからデパートの地下通路の行くと最奥部付近に病院だったころの実験施設があるんですが、その施設がある部屋には天窓があるんです。主人公はずっと地下通路を行っていたのになぜ急に建物の最上階に位置する部屋にたどり着くのか・・・。どーゆー建物の構造なんだよ、と突っ込まずにはいられませんでした。
 あとは最後のオチですが、、、たぶんあれって誰も理解出来ないと思います。とはいえ、ああいう不条理な結末も嫌いじゃありません。何といってもホラー映画ですからね。

 そんなわけで『ミラーズ』は思っていた以上によかったです。
 クライマックスで唐突に始まる肉弾戦も楽しめましたし、主人公の奥さん役のポーラ・パットンは美人さんだったし、何より二階の自室の窓にときどき外側からぺたぺたと手形がつけられていて、誰がどうやってつけてるんだろうと常々不思議だったのですが、それがわかっただけでも収穫でした(おぃ)。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (10)
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