金城武主演、佐藤嗣麻子監督・脚本、『K-20 怪人二十面相・伝』、1/1、Tジョイ久留米にて鑑賞。2009年1本目。
日本映画を侮蔑するのに特別な言葉があります。その言葉が一つ文頭にあるだけでどんな褒め言葉で飾り立てられていたとしても否定的な文章になってしまいます。
その魔法の言葉とは「日本映画にしては」です。
日本映画にしては面白い。
日本映画にしてはよく出来ている。
日本映画にしては金を掛けて作られているetc。
ほら、どんな褒め言葉でもあっという間に侮蔑の意味に変わっちゃうでしょう?
そして『K-20 怪人二十面相・伝』はまさに「日本映画にしては」面白くて、よく出来た作品でした。
主演の金城武を始め、ヒロイン役の松たか子ら役者たちも頑張っているな、とは思いました。しかし頑張っていることがわかる時点で役者としては一流とはいえないんですよね。一流の役者は演技していることすら感じさせないはずですから。
クライマックスのテスラ装置のセットもよく出来ているな、お金が掛けられているな、と感心しました。でもやはり、よく出来たセットだな、と思わせた時点でやはり駄目なんですよね。本当によく出来たセットはそれがセットであることさえ意識させないはずですから。
同じようなことは作り手にもいえて、監督と脚本を兼任した佐藤嗣麻子は、この作品に全精力を傾けたんだろうな、ということは想像に難くないんです。でも同時にこれが彼女の限界なんだろうな、とも思いました。
そのことが如実にわかるのが上映時間。
本作はごくごく単純な冒険活劇であるにも関わらず(オチにそれなりの捻りはありますが)上映時間が二時間二十五分もあるんですよ。これは如何にも長いです。こういった冒険活劇であればあと三十分は短くなければいけないと思います。そうじゃなければテンポよくお話が進まず、どうしたって途中でだれてしまいます。
もちろん二時間半近い長尺でありながら、その長さを感じさせない娯楽作もありますが、残念ながら佐藤嗣麻子にはそれだけの演出力はないように思えました。
金城武と松たか子の演技がほとんど学芸会レベルで、それは狙った演出なのかもしれないけれど、最後まで浮いてしまっている感が否めない以上は(特に松たか子)その演出は外しているとしかいいようがないですね。
純粋に作品として評価するとなるとどうしても低くなっちゃうわけですが、内容的には健全な冒険活劇であるわけですし、お正月に観るのには相応しい一本なのかもしれません。
お気に入り度は★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
日本映画を侮蔑するのに特別な言葉があります。その言葉が一つ文頭にあるだけでどんな褒め言葉で飾り立てられていたとしても否定的な文章になってしまいます。
その魔法の言葉とは「日本映画にしては」です。
日本映画にしては面白い。
日本映画にしてはよく出来ている。
日本映画にしては金を掛けて作られているetc。
ほら、どんな褒め言葉でもあっという間に侮蔑の意味に変わっちゃうでしょう?
そして『K-20 怪人二十面相・伝』はまさに「日本映画にしては」面白くて、よく出来た作品でした。
主演の金城武を始め、ヒロイン役の松たか子ら役者たちも頑張っているな、とは思いました。しかし頑張っていることがわかる時点で役者としては一流とはいえないんですよね。一流の役者は演技していることすら感じさせないはずですから。
クライマックスのテスラ装置のセットもよく出来ているな、お金が掛けられているな、と感心しました。でもやはり、よく出来たセットだな、と思わせた時点でやはり駄目なんですよね。本当によく出来たセットはそれがセットであることさえ意識させないはずですから。
同じようなことは作り手にもいえて、監督と脚本を兼任した佐藤嗣麻子は、この作品に全精力を傾けたんだろうな、ということは想像に難くないんです。でも同時にこれが彼女の限界なんだろうな、とも思いました。
そのことが如実にわかるのが上映時間。
本作はごくごく単純な冒険活劇であるにも関わらず(オチにそれなりの捻りはありますが)上映時間が二時間二十五分もあるんですよ。これは如何にも長いです。こういった冒険活劇であればあと三十分は短くなければいけないと思います。そうじゃなければテンポよくお話が進まず、どうしたって途中でだれてしまいます。
もちろん二時間半近い長尺でありながら、その長さを感じさせない娯楽作もありますが、残念ながら佐藤嗣麻子にはそれだけの演出力はないように思えました。
金城武と松たか子の演技がほとんど学芸会レベルで、それは狙った演出なのかもしれないけれど、最後まで浮いてしまっている感が否めない以上は(特に松たか子)その演出は外しているとしかいいようがないですね。
純粋に作品として評価するとなるとどうしても低くなっちゃうわけですが、内容的には健全な冒険活劇であるわけですし、お正月に観るのには相応しい一本なのかもしれません。
お気に入り度は★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。