ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート 矢野絢也著 「黒い手帳-創価学会日本占領計画の全記録」 講談社

2010年02月28日 | 書評
創価学会の公明党支配とその政治目的の全貌 第4回

 外国での評価では、フランスでは、1980年代に「日蓮正宗(創価学会)」の名称でセクトとする報告が国民議会へ提出されたこともあるが、1996年の新しい報告書において該当部分は創価学会インターナショナルフランス支部(SGIフランス)と書き改められており、日蓮正宗と創価学会を分離した上で判断を下しているが、一部の民間団体では創価学会と同様のセクトと主張する団体も存在する。 つまり創価学会も日蓮正宗もカルトセクトだという。1995年にフランス下院が「ギャール報告」の中で、創価学会インターナショナル「SGIフランス」をカルト集団に指定した。

 創価学会は過去に何度も大きなターニングポイントを迎えたが、特筆すべきは次の3点である。第1は1970年の学会による言論出版妨害事件である。世間から大きな非難を浴び池田会長は謝罪して政経分離を誓約した。第二の曲がり角は1979年と1991年の2度にわたる日蓮正宗総本山大石山寺との紛争で、日蓮正宗から破門された。これによって創価学会は組織的にも自立せざるをえなくなり、寄付財務行為の強化と信徒拡大に狂奔することになった。そして第3の転換期は1994年の小選挙区比例代表並立制の施行であった。落ち目の自民党が確実な票田である創価学会票をが必要として、交換条件として政権を牛じることも可能となったことである。1999年自自公連立政権が誕生した。前の二つの転換点が宗教次元での転換点だとすれば、連立政権参画は政治次元での転換期であった。しかし2009年8月の衆議院選挙では自公政権は少数野党に転落する可能性もあり、第4の転換期を迎えようとしている。
(つづく)


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