ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート ぺートル・ベックマン著 「πの歴史」 ちくま学芸文庫

2011年03月22日 | 書評
円周率πの歴史から数学の幅広い展開へ 第8回

2) 円周率に偉大な足跡を残した人々
2.2) ユークリッド「幾何学原論」


 国際的貿易港で学問の都アレクサンドリアの偉人ユークリッドの前に、3角関数表を完成したエラストネス(BC273-192)を挙げなければならない。円周率の公式は殆ど3角関数の級数展開で成り立っており、3角関数なしではπは考えられない。彼は5% 以内の誤差で地球の周を求めたことで有名である。「幾何学原論」の偉人ユークリッドは、直線、円、直角、平行の自明の公準からユークリッド幾何学というピラミッドを構築した。彼は与えられた長方形の面積に等しい正方形を作図することを考えた。ユークリッド幾何学の公理では円を正方形にする作図は取り扱えないのだ。
(つづく)


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