ブログ 「ごまめの歯軋り」

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出 隆 訳 アリストテレス著「形而上学」

2021年07月30日 | 書評
京都市上京区   「頂本寺山門」

出 隆 訳 アリストテレス著「形而上学」 

岩波文庫(1961年2月)上・下(その7)


第1部 アリストテレス「形而上学」の概要

第1巻(Α) - 序論(四原因について(全10章)

第1章 - 全ての人間は「知る」を欲する、人間の知能は感覚・記憶・経験知・技術知を経て知恵に進む、知恵または哲学は「第一の原因・原理」を対象とする棟梁的な額である
第2章 - 一般的見解における知恵の諸特徴、我々の求める「最高の知恵」(神的な学)の本性と目標 
第3章 - 我々の主張する四原因(形相因・質料因・始動因・目的因) --- 最初の哲学者たちはまず質料因を、次に始動因を、アナクサゴラスは目的因にも気付いた 
第4章 - 彼らの原因の未熟 --- エンペドクレスの二つの相反する始動因、彼の「四元素説」とデモクリトスの「原子説」
第5章 - ピュタゴラス派とエレア派の原因に関する見解 --- ピュタゴラス派では形相因(本質)が暗に求められていた
第6章 - プラトン哲学の起源、プラトンが設定した三種の存在(諸々のイデア、感覚的事物、その中間)、この哲学では形相と質料の二種のみが原因として考えられた
第7章 - 四原因に対するこれまでの諸哲学者の態度 
第8章 - ソクラテス以前の諸哲学者の原因の使い方に対する批判
第9章 - プラトンのイデア説に対する23ヶ条の批判
第10章 - 結論 --- 以上の考察は、求めるべき原因の種類が、我々の主張する通り四つあり、それ以上でもそれ以下でもないことを確証する

第2巻(α) - 心得(全3章)

第1章 - 真理の研究についての心得、理論的な学の目的は「真理」、原因と真理の認識
第2章 - 原因結果の系列も原因の種類も無限ではない、原因の種類は四つあり、原因の系列にも結果の系列にも限りがある
第3章 - 研究方法についての心得、研究対象が異なるに応じて研究方法も異なる

第3巻(Β) - 哲学的問題集(全6章)

第1章 - 研究にあたっての難問の所在と意義を明らかにしておく必要がある --- 哲学の諸難問(全14問)列挙 
第2章 - 1.ただ一つの学ですべての種類の原因が研究され得るか、2.実体についての学が論証の諸原理(諸公理)をも研究するのか、もししないならいかなる学がそれを研究するのか、3.ただ一つの学であらゆる種類の実体が研究され得るか、5.実体の学がその実体の属性をも研究するのか、4.感覚的でない実体があるか、あるとすれば何種類あるか 
第3章 - 6.事物の原理とされるべきはその事物の「類」なのか、「内在的構成要素」なのか、7.「類」が原理であるにしてもそれは「最高の類」であるか「最低の類」であるか
第4章 - 8.存在するのは個々の事物のみか、別のある何ものかが存在するのか、9.諸原理は「種」において一つか、「数」において一つか、10.消滅的なものと不滅的なものの原理は同じか否か、11.「存在」や「一」は存在する事物の実体か属性か
第5章 - 14.数学の諸対象は実体か否か
第6章 - (15.なぜ感覚的事物や数学的対象の他に、諸々のイデアが存在するとしなくてはならないのか)、13.原理・構成要素が存在するのは可能的にか現実的にか、12.原理は普遍的

(つづく)



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