ブログ 「ごまめの歯軋り」

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経済問題  春山昇華著 「サブプライム後に何が起きているのか」 宝島新書

2008年12月10日 | 書評
格付け信用の失墜とレバレッジ手法の終焉 第12回 最終回

5)世界金融の覇権交代の流れ  (2)
2006年度まで世界の金融市場は①アメリカの証券化資金 ②中国の貿易黒字 ③石油ガス生産国の貿易黒字で積みあがった余剰資金で支えられてきた。証券化バブルが崩壊した今日、レバレッジ手法は減少するだろう。黒字を溜め込んだ国が新しい金持ちになる。世界金融は欧米から重心が移動しつつある。日本の生きる道は、コスト競争で中国には勝てないので、トヨタの成功例に学んでトータルなコストパフォーマンスで競争力を向上させることと、任天堂のように他者が真似できないような製品を提供する事であろうか。日本の経済力は1988年をピークとし、国民所得の世界順位は93年がピークであり、労働人口は96年がピークで、総人口のピークは2004年であった。日本は穏かに衰退を続けている。ヨーロッパ並みの小国になるだろう、それもいいじゃないかという考えもうなずける。覇権国家は疲れるし、殺伐とした殺人国家にはなりたくない。製造業主体の経済から、知識主体の経済へ移行しつつある。金融中心ということはなりたくないが。


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