ブログ 「ごまめの歯軋り」

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経済問題 神田秀樹著 「会社法入門」 岩波新書

2008年09月19日 | 書評
21世紀の「会社法」はIT革命と資本市場への対応をめざすもの 第11回
株式会社の資金調達 (3)

 多数の者が安心して株式会社に出資する事ができて初めて株式会社制度が成り立つ。株主は出資金額だけの責任を持つ(株の価値がゼロになっても文句は言えない)。株主の自益権は会社から直接経済的利益を受ける権利で、共益権とは会社の経営に参加する権利である。共益権には株主総会での議決権と会社の監督是正権である。会社法では株式の権利の内容は同一であることが原則である。これが「普通株式」のことであるが、特別な目的のため「優先株式」を発行する事ができる。議決権はないが、配当を特別に高くするとか、利益がなくとも利益を受ける権利を保留するといった「非参加的」「累積的」優先株である。優先株式を一定期間後に普通株式に強制転換株式とすることも可能である。株主平等の原則のために株券と云う有価証券を発行する。2004年度からは株券不発行制度というペーパーレス化を推進し2009年に振り替え制度に移る。上場会社は全て振り替え株式会社になる予定である。株主名簿の名義書き換えから口座欄への数の増減の記載が譲渡の効力要件となる。


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