福島第1原発事故はチェルノブイリ級、日本政府のいう事を信じてはいけない 第11回
2)事故の隠蔽と拡がる放射能被害 (4)
原発事故は基本的に見えにくい被害である。林業は50-100年で考える産業で、福島第1原発から20km以内では人が立ち入れないために、森林の手入れが出来ない。山の表土が荒れると保水能力が失われ洪水の因となる。山林は日常的にメンテナンスしないとすぐに荒れるのである。ただ田畑と違って土を入れ替えることは出来ない。また新たに林業に従事する後継者もいないので、今回の原発事故で山林がどうなるか心配だという。福島の漁業は当面は操業自粛を決めた。急遽、魚介類に対する暫定基準値(放射性セシウム500ベクレル/Kg)と定められた。福島第1原発は事故直後汚染水を海洋に捨てた。恐ろしい東電の神経である。漁業者の漁業権を買い取ったつもりでいるのか、火事場泥棒式の捨て逃げは許されるものではない。公害法では操業停止になる行為である。それを平気でやってのけるというのは、国民として理解できない。20Km以内には立ち入り禁止なので、畜産農家は死活問題となり、国は5月家畜の殺処分を決めた。牛3500頭、豚3万頭が殺された。7月には肉牛の暫定基準(セシウム500ベクレル/Kg)を超える値が検出された。汚染を心配される牛の出荷数は2000頭を超えた。須賀川市で3月有機栽培農家の男性が自殺した。出荷制限を受けた翌日であっという。原発から30Km離れた飯館村のでは4月から計画的避難区域に指定され、1ヶ月以内に立ち退く事を要求された。飯館村の放射線量が高い事を知ったのはテレビを通じてである。それまではどのくらいか全く情報はなかった。3月25日には福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇長崎大学教授が村で講演会を開き、「マスクや手洗いの注意事項を守れば健康に害なく村で生活できます」といっていたが、急に計画的避難地域に指定され住んではいけないと言われた。3月28日ごろ京都大学の今中哲治助教授が飯館村の放射線量を測定し、「この線量はありえないほど高い」といわれた。「いったい高村先生とは何物なのか」という声が聞かれた。飯館村の水道から暫定基準の3倍にあたる965ベクレル/kgという値が検出された。さらに6月30日になって伊達市の4地区を「特定避難勘奨地区」に指定し、7月21日には南相馬市4地区を指定した。地域を分断する指定でコミュニティはバラバラに引き裂かれた。コンパス指定から、点指定に変わって住民はいいようのない不安に怯えている。それも情報を与えることなく突然指定してくるから住民は振り回されるのである。
(つづく)
2)事故の隠蔽と拡がる放射能被害 (4)
原発事故は基本的に見えにくい被害である。林業は50-100年で考える産業で、福島第1原発から20km以内では人が立ち入れないために、森林の手入れが出来ない。山の表土が荒れると保水能力が失われ洪水の因となる。山林は日常的にメンテナンスしないとすぐに荒れるのである。ただ田畑と違って土を入れ替えることは出来ない。また新たに林業に従事する後継者もいないので、今回の原発事故で山林がどうなるか心配だという。福島の漁業は当面は操業自粛を決めた。急遽、魚介類に対する暫定基準値(放射性セシウム500ベクレル/Kg)と定められた。福島第1原発は事故直後汚染水を海洋に捨てた。恐ろしい東電の神経である。漁業者の漁業権を買い取ったつもりでいるのか、火事場泥棒式の捨て逃げは許されるものではない。公害法では操業停止になる行為である。それを平気でやってのけるというのは、国民として理解できない。20Km以内には立ち入り禁止なので、畜産農家は死活問題となり、国は5月家畜の殺処分を決めた。牛3500頭、豚3万頭が殺された。7月には肉牛の暫定基準(セシウム500ベクレル/Kg)を超える値が検出された。汚染を心配される牛の出荷数は2000頭を超えた。須賀川市で3月有機栽培農家の男性が自殺した。出荷制限を受けた翌日であっという。原発から30Km離れた飯館村のでは4月から計画的避難区域に指定され、1ヶ月以内に立ち退く事を要求された。飯館村の放射線量が高い事を知ったのはテレビを通じてである。それまではどのくらいか全く情報はなかった。3月25日には福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇長崎大学教授が村で講演会を開き、「マスクや手洗いの注意事項を守れば健康に害なく村で生活できます」といっていたが、急に計画的避難地域に指定され住んではいけないと言われた。3月28日ごろ京都大学の今中哲治助教授が飯館村の放射線量を測定し、「この線量はありえないほど高い」といわれた。「いったい高村先生とは何物なのか」という声が聞かれた。飯館村の水道から暫定基準の3倍にあたる965ベクレル/kgという値が検出された。さらに6月30日になって伊達市の4地区を「特定避難勘奨地区」に指定し、7月21日には南相馬市4地区を指定した。地域を分断する指定でコミュニティはバラバラに引き裂かれた。コンパス指定から、点指定に変わって住民はいいようのない不安に怯えている。それも情報を与えることなく突然指定してくるから住民は振り回されるのである。
(つづく)