福島第1原発事故はチェルノブイリ級、日本政府のいう事を信じてはいけない 第10回
2)事故の隠蔽と拡がる放射能被害 (3)
東電と政府官僚の事故隠しにより放射性物質排出レベルについては官邸の意思があって公表を伸ばされたという。7月7日になって保安院が、ヨウ素換算で放出された放射性物質量を77万ベクレルと上方修正値を発表した。チェルノブイリ事故では520万ベクレルであったので福島では1/7の放出量であった。国債評価が下がるとでも思ったのだろうか。原発を規制する「原子力安全員会」は保安院に責任を押し付けて全く機能しなかった。眠れる獅子を演じたのである。このような政府の情報隠匿状況を見て、保安院や官邸の「直ちに安全に係るレベルではありません」という発表を、メディアはコメントなしに垂れ流しするだけでは共犯関係にあるといわれても反論できないであろう。「ただちに」という言葉は、放射線障害のリスク論からいうと「急性障害が起きないという意味で、原爆の直接影響で死亡、火傷、下痢、嘔吐の起きるレベルではない」であり、住民の避難のためには「晩発性障害という意味で、ガン発生という確率的発症の可能性」で行動しなければならない。「ただちに健康に影響は無い」という言葉で住民は安心できるのではなく、「数年後にはガンになるかもしれないから避難しましょう」と理解すべきなのである。だから保安院や官邸が「ただちに」という言葉には陰険な嘘が込められている。言外に安心しろといいながら、数年後の発症には言い訳の意図を込めている。「今は死なない、後は知りません」といっているのである。何と無責任な言葉であろうか。メデイアは自社の記者の安全を考えて、50km以内には近づかないようにという指示を出していた。政府と東電の資料だけに頼った取材である。むしろ20Km以内の住民避難指示は記者の立ち入り禁止と、取材拒否につながっている。これも情報遮断の一手法かもしれないので、ジャーナリスト有志は「福島第1原発敷地内と警戒区域内での定期的取材機会の要請」という共同アピールを出したという。原発作業員や東電社員も働いている区域内に記者が管理された被爆を承知で入ることは原理的に可能である。NHKは3月21日の内部基準で「取材は政府の指示に従うことが原則」とした。
(つづく)
2)事故の隠蔽と拡がる放射能被害 (3)
東電と政府官僚の事故隠しにより放射性物質排出レベルについては官邸の意思があって公表を伸ばされたという。7月7日になって保安院が、ヨウ素換算で放出された放射性物質量を77万ベクレルと上方修正値を発表した。チェルノブイリ事故では520万ベクレルであったので福島では1/7の放出量であった。国債評価が下がるとでも思ったのだろうか。原発を規制する「原子力安全員会」は保安院に責任を押し付けて全く機能しなかった。眠れる獅子を演じたのである。このような政府の情報隠匿状況を見て、保安院や官邸の「直ちに安全に係るレベルではありません」という発表を、メディアはコメントなしに垂れ流しするだけでは共犯関係にあるといわれても反論できないであろう。「ただちに」という言葉は、放射線障害のリスク論からいうと「急性障害が起きないという意味で、原爆の直接影響で死亡、火傷、下痢、嘔吐の起きるレベルではない」であり、住民の避難のためには「晩発性障害という意味で、ガン発生という確率的発症の可能性」で行動しなければならない。「ただちに健康に影響は無い」という言葉で住民は安心できるのではなく、「数年後にはガンになるかもしれないから避難しましょう」と理解すべきなのである。だから保安院や官邸が「ただちに」という言葉には陰険な嘘が込められている。言外に安心しろといいながら、数年後の発症には言い訳の意図を込めている。「今は死なない、後は知りません」といっているのである。何と無責任な言葉であろうか。メデイアは自社の記者の安全を考えて、50km以内には近づかないようにという指示を出していた。政府と東電の資料だけに頼った取材である。むしろ20Km以内の住民避難指示は記者の立ち入り禁止と、取材拒否につながっている。これも情報遮断の一手法かもしれないので、ジャーナリスト有志は「福島第1原発敷地内と警戒区域内での定期的取材機会の要請」という共同アピールを出したという。原発作業員や東電社員も働いている区域内に記者が管理された被爆を承知で入ることは原理的に可能である。NHKは3月21日の内部基準で「取材は政府の指示に従うことが原則」とした。
(つづく)