ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

原爆症基準 「原因確率」から離れ幅広い救済  与党PT案

2008年01月17日 | 時事問題
asahi.com 2008年01月17日07時59分
原爆症基準 厚労省、幅広く認定へ 与党PT案軸に
 原爆症認定の新基準をめぐり、厚生労働省検討会と与党プロジェクトチーム(PT)がそれぞれ見直し案をまとめた問題について、厚労省は16日、爆心地からの距離など一定の条件を満たせば認定するとした与党PT案を軸として、幅広く認定する方針を固めた。現行の審査の柱となっている「原因確率」については一定確率以上は審査会を省略するなど、迅速化を図るために使う。 与党PT案は、爆心地から約3.5キロ以内で直接被爆したり、原爆投下から約100時間以内に爆心地付近に入ったりした被爆者が、がんや白血病、白内障、副甲状腺機能高進症、心筋梗塞(こうそく)などを発症した場合に認定する。新基準にあてはまらない場合は個別審査のうえ、総合的に判断する。

原爆症認定問題 戦後63年経っても解決できない政治とは?
水俣病認定と補償問題も50年経ってもまだ解決できていない。ハンセン氏病患者隔離問題も医学の進歩を顧みず明治以来の法律を引きずっていた。こんな無策な国では世界の物笑いである。解決を妨げる最大の抵抗勢力は官僚である。前の政策との整合性を言っていたら、整合しない改良案は永久に実現できない。一人ジレンマで汲々とするのが官僚である。自分らの利益構造構築に狂奔する官僚を黙らせるのは政治家の政策能力ではないか。

「ねじれ国会」で法案提出 2割減

2008年01月17日 | 時事問題
asahi.com 2008年01月16日22時37分
政府提出法案、2割減 「逆転国会」で絞り込み
 18日召集の通常国会に政府が提出を予定しているのは現時点では78法案で、昨年の通常国会に提出された97法案の約8割にとどまっていることが、各省が自民党に提出した資料で明らかになった。各省はほかに13法案を「提出検討中」としているものの、「逆転国会」で法案が成立しにくいため、必要最小限に絞り込まざるをえない状況になっている。
 提出予定の78法案には、ガソリン税の暫定税率延長を含む租税特別措置などの「所得税法等の一部を改正する法律案」や、国家公務員制度の理念や全体像を示す「国家公務員制度改革基本法案」、地方版「産業再生機構」をつくり中小企業や第三セクターの経営を立て直す「地域力再生機構法案」が含まれている。

ねじれ国会での議案審議のやり方に智恵をだそう。自民・民主の合意できることだけ実行しよう
自民と民主の意見が反目するところは大体懸案の課題である。国民生活や政治の根幹にかかわるところであろう。どちらもごり押しが出来る状況ではないのだから、国会対策委員会議を開いて、最初に予定する議案を双方が提示あって、時間をかけて論点を整理し、鋭く対決するところは議案にしないというのも一案である。しかしそれでは国民の目に対立点が見えてこないので、闇の政治といわれかねない。全部法案なり議案を出して国会で審議して賛成反対点を十分明らかにしたうえで廃案または継続審議にすればいい。福田首相も2/3再議決にたよることはしないといっているのだから。

阪神大震災から13年  ご冥福をお祈り申上げます。

2008年01月17日 | 時事問題
asahi.com 2008年01月17日00時13分
阪神大震災から13年 ろうそくで追悼 兵庫・伊丹
 6434人が犠牲となった阪神大震災から17日で、ちょうど13年となる。兵庫県伊丹市の昆陽池(こやいけ)公園では16日夕から、犠牲者と同じ数のろうそくを一晩中ともして追悼する集いが始まった。地震が起きた17日午前5時46分まで火をともし続ける。今年は「めぐる」をテーマに、繰り返される災害の悲惨さや防災を考えようと、循環する輪が地球を囲む様子をろうそくで表現した。

人の命は脆いものです。だから輝くのです。語り伝えてゆこう震災の恐ろしさを!

読書ノート 武田邦彦著 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか 2」  洋泉舎

2008年01月17日 | 書評
地球温暖化、バイエタノール、ペットリサイクルの環境問題のウソ

地球温暖化防止枠組み条約「京都議定書」(1997年)での欧州・米国の政治的狙い  第2回

京都議定書は削減目標を先進国の欧州が8%、アメリカが7%、ロシアが0%、日本が6%とし、途上国(中国など)には削減目標は定めなかった。欧州と日本はこの条約を2002年に批准したが、アメリカは2001年に離脱し、ロシアは2004年に批准した。アメリカは1997年7月上院で条約に不参加を決めており最初から批准する気はなかった。京都議定書はいくつもトリックが仕掛けられていた。アメリカの不参加であり、旧東欧を抱えた欧州連合は全体で目標達成ということ、排出権取引、共同実施、クリーン開発メカニズム、森林シンクと云う京都メカニズムの採用、そして1990年を基点とすることである。欧州は1990年を基点とすることで東欧の吸収による削減しろの確保が出来何もしなくても旧東欧の非効率な施設の休止で目標以上に達成できる見通しになった。ロシアも然りである。欧州連合は1989年からの旧共産圏の没落と云う政治事件を巧みに利用して、1990年を基点とすると云う絶妙なトリックを編み出した外交の勝利であった。結局削減目標を負ったのは日本一国という、外交無策振りとお人よしを曝露した。先ず世界の笑いものになったのは日本だけであった。中国は今や世界に冠たる輸出国・経済成長国であるにもかかわらずいまだに議定書では途上国扱いで全く制約を受けていない。日本の政府、外務省・環境庁のバカさは世界一流であった。しかも日本は省エネルギー技術と電子機器の発達で他に先んじて省エネ環境社会を達成していたので、削減努力しろはなくなっていたのである。欧州の石炭火力発電所の切り替え策などは日本では遠い昔に達成していたのである。

文芸散歩 日本の乱世  室町時代を歩く

2008年01月17日 | 書評
戦乱に明け暮れた南北朝から戦国時代、混乱の中から豊かな日本文化が興った室町期

2) 山崎正和著 「室町期」 講談社文庫  第一回

 著者山崎正和氏の紹介をしておこう。京都大学文学部哲学科美学美術史専攻、博士課程修了。イェール大学演劇学科留学後、関西大学文学部教授、大阪大学文学部教授、東亜大学学長などを歴任。戯曲と共に文明的な観点からの社会評論を多く著す。成熟した個人主義に基づいた近代社会を提唱しており、企業メセナやボランティアの概念を日本に普及させた当事者の一人である。西宮市在住であり、阪神・淡路大震災に遭遇したが、その際の市民ボランティアを「柔らかい個人主義」の実現と高く評価した。政治思想的には中道・親米的な現実主義の立場に立っているものと思われる。その著書が高等学校の国語教科書や大学入試などでよく使用されることから一般的な知名度も高い。文部科学省中央教育審議会委員(第4期) を勤めた。

 主な著作には、戯曲に『世阿弥』(第9回岸田國士戯曲賞受賞)、 『実朝出帆』(芸術祭賞優秀賞)、 『オイディプス昇天』(読売文学賞 戯曲賞) 、評論に『柔らかい 個人主義の誕生』(吉野作造賞) 、『鴎外 闘う家長』(読売文学賞) 、『日本文化と個人主義』 、『近代の擁護』 、『世紀末からの出発』 などがある。