ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

遺伝子ビジネス 動き出す

2006年08月08日 | 時事問題
asahi.com 2006年08月06日
遺伝子ビジネス、倫理問題を研究へ 北里大など
 「体質診断や親子鑑定など、次第に増えてきた遺伝子関連ビジネスの現状を国内外で調べ、遺伝差別など倫理的、社会的な問題を洗い出す研究が始まる。高田史男・北里大助教授(臨床遺伝医学)を中心に、業界動向に詳しいバイオインダストリー協会の専門家や生命倫理の研究者らが参加する。2年で報告書をまとめ、政策も提言する。」
           
生命倫理問題
 この研究会は恐らく厚生労働省の審議会か研究会であろうと思われる。生命倫理は1970年代にアメリカで生まれた。医者と患者の倫理であったが、いまや臓器ビジネスにまで展開している。遺伝子診断で体質診断、親子判定までもがビジネス化するそうだが、そこで得られた情報は恐らく医者の管理するところになるからそう心配することはない。個人が妊娠診断キットと同様に遺伝子診断キットを扱い、勝手に判断に苦しむことは滑稽だ。生命倫理学者は医薬品会社の弁護士とまで言われている。最近の生命倫理の問題は米本昌平著 「バイオポリティクス」や森岡正博著「生命観を問い直すーエコロジーから脳死まで」の2冊の本によくまとめられている。私のホームページの書評コーナーで概要を一読ください。


知事も大変

2006年08月08日 | 時事問題
asahi.com 2006年08月07日22時19分
滋賀知事試練、「オール野党」議会の3分の2から質問
 「JR東海道新幹線の新駅建設凍結などを公約に掲げて初当選した滋賀県の嘉田由紀子知事が、初めて臨んだ県議会で質問攻めにあっている。ほぼ「オール野党」の議会で、新駅問題のほか、マニフェストの不備などについても突かれ、試練の日々が続く。」
         

非政治家知事のご多難
 近年政治家の貴族化・世襲制が腐敗の温床になっている。皇室・歌舞伎・茶道・華道・一族経営会社・議員・タレントなどの分野で大した才能もなく親の7光で安易に世襲化が進んでいる。最近は最も実力が要求される運動選手や歌手までにも世襲化の波が押し寄せている。料理と同じで自分で味を判定できる人がなくなって、いい加減なものを名前だけでありがたがっている風潮がそうさせた。企業で言えば独占禁止法が必要な時代だ。他人が進入することを防止しおいしいところを独占したいがために世襲制や貴族化が進んだ。
 昔学者知事があって、その後タレント知事が流行した。青島東京都知事、横山大阪府知事がそうだ。青島知事は国際都市博覧会を中止しただけであとは居眠りを決め込んだいい加減極まる知事だ。横山知事は無能を地でゆき女性へのセクハラだけで有名になった許しがたい知事だ。田中長野県知事はダム建設中止で有名だがパフォーマンスで顰蹙を買った。官僚(自治、通産、国土)知事も多い。かなりの官僚知事は土建汚職で失脚したが、いまは女性官僚知事(大阪、千葉など)も多くなった。
 さて今回当選した滋賀県知事嘉田氏は環境学者知事といえる。新幹線新駅誘導中止を掲げて、女性のセンスで「もったいない運動」を提唱して当選した。早速議会の猛反発を食らっている。非政治家で学者知事としてはかって京都では蜷川京都府知事と言うドンがいた。東京では美濃部都知事がいた。知事が大統領とおなじ公選で選ばれることが面白いが、素人行政の首長がどこまで議会という伏魔殿と渡り合えるか難しいところがある。一匹オオカミ的な議会の与党に基礎を持たない知事の働きに期待する市民は多い。官僚知事は直ぐに与党にすりより、国の予算を流し込むパイプとして地元企業・議員から期待される。