アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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片山さつき氏を入閣させた安倍首相の朝鮮敵視姿勢

2018年10月06日 | 安倍政権

     

 第4次安倍改造内閣は柴山昌彦文科相の「教育勅語」賛美で早くも馬脚を現しましたが、初入閣の問題閣僚は柴山氏だけではありません。片山さつき地方創生相は問題閣僚の筆頭と言わねばなりません。
 際立っているのは、朝鮮・在日朝鮮人に対する差別・敵視の発言・政治信条です。

 安倍首相が第2次政権発足後真っ先に実行したのが、高校教育無償化制度からの朝鮮学校の排除でした(政権発足2日後の2012年2月28日に下村博文文科相が言明)。これに対しては国際的批判が高まっており、国連の人権関連委員会は何度も不当な差別をやめるよう日本政府に勧告しています。2017年11月の人権審査(UPR)でも朝鮮学校差別問題など217項目の勧告が出されました。これにいち早くかみついたのが片山氏(当時自民党政調会長代理)でした。

 片山氏は、「そもそも、朝鮮学校で行われている教育には、朝鮮総連が深く関与しており…日本人拉致問題や、国際社会の警告を無視して『核・ミサイル開発』を強行する北朝鮮による支配が色濃く疑われている以上、授業料無償化の対象とすることはあり得ません」(2017年12月1日付「夕刊フジ」)と述べ、「政治的理由」での差別を正当化しました。
 さらに、「国連が『公平で中立な機関』というのは幻想です。理不尽な内容が決議されるなら、全力で反論しなくてはいけません」(同)と国連批判を展開しました。

 今年6月28日、神戸朝鮮高級学校の生徒たちが祖国・朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)への修学旅行から帰国した関西空港で、土産品が税関で没収されるという信じがたい事件がありました。税関の没収は経産省の指示でした。「経済制裁」を掲げた安倍政権の朝鮮・在日朝鮮人攻撃です。
 この暴挙を率先して擁護・正当化したのも片山氏でした。

  片山氏は没収直後に、「日本は、法と正義のもとに北朝鮮に経済制裁を科している。土産品も、生徒への嫌がらせではなく、経済制裁で持ち込みが禁止されていた輸入品ゆえに、法令に基づき押収した」(7月11日付「夕刊フジ」=写真右)と強弁し、さらに、「日本は粛々と法を執行しているだけで、格別の意図は入っていない。これは明らかに差別ではない」(7月29日付「夕刊フジ」)と開き直りました。
 また、国連の対日勧告に対してもあらためて、「国連は決して中立的な立場ではない。日本は国連の分担金の見直しも考慮に入れつつ、発言力を増強するためにさらにコミットしていくべきだ」(同)と敵意をむき出しにしました。

 「国連は公平な機関ではない」と言いながら、朝鮮に対する「経済制裁」を正当化するときは国連安保理の「経済制裁決」を持ち出すのは、まったくのご都合主義と言わねばなりません。

  こうした片山氏の暴言に対し、「日本朝鮮学術教育交流会」や「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」が相次いで抗議・謝罪要求の声明を出しました。

  「南北首脳会談・米朝首脳会談が実現し東北アジアのおける平和実現の基盤が作られつつあるいま、『制裁』を掲げて子どもたちの大切な思い出まで奪い去ってしまうという行為は、平和の流れに逆行するものであり、到底許すことはできない。
 片山議員のインタビュー記事は朝鮮学校に対する差別を正当化するだけでなく、日本社会におけるヘイトスピーチを助長し、朝鮮学校に通う学生たちの学権利を脅かすものであり、到底容認することはできない」(8月1日、朝鮮学園を支援する全国ネットワークの声明「片山さつき参議院議員は朝鮮学校差別の正当化について即刻謝罪せよ」)

 安倍政権は9月12日に没収した土産品を返却せざるをえませんでした。没収になんの正当性もなかったことを示すものです。もともと没収した時から、「官邸内には『没収は北朝鮮側の無用な反発を招くだけだ』と懸念する声も出ていた」(9月18日付中国新聞=共同)といいます。

 朝鮮差別を正当化する発言を繰り返す片山氏。その片山氏を「唯一の女性閣僚」として入閣させ、「3人分働くように」などと期待をかけていることは、安倍首相の朝鮮・在日朝鮮人敵視を象徴的に示すものです。

 安倍氏は金正恩委員長との「直接会談」を望んでいるようですが、その前に、片山氏の一連の朝鮮差別正当化発言について、片山氏とともに謝罪し撤回することが先決でしょう。

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