山口恵以子「バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ」読み終わりました。
やっぱり山口さんの作品はいいなぁ
読んだ後温かい気持ちに包まれる
家族との関係を大事にされてきたんだろなぁと
山口さんの温かさが伝わってきます。
山口さんのエッセイも読んだので
お母さんと仲の良かったことも知っているので
そういうことなんだろうなと感じています。
今回のこの作品は
母親の「茜」が四半世紀尽くしてきた父親に
不倫の末に三行半を突き付けられた。。
そんな理不尽な扱いを受けた母親に
怒りを覚える娘の「七」
でも2人はくじけなかった!
働いたことがなかった茜
でも
バナナケーキとダークフルーツケーキは
誰にも負けないほどに得意だった
あるとき
古い付き合いの喫茶店ルナールの経営者夫婦に
「これを売ったらどうか」
と言われる。
それから始まった母と娘の夢
法律事務所の事務で働く七は
仕事終わりと休日にケーキを配達する
そして
一生懸命な母子に救いの手が
有名作家のお眼鏡にかなう
そこから波に乗る茜と七
そして
アカナナ洋菓子店の誕生となる
茜の「アカ」と七の「ナナ」から取った名前
茜からそれを聞いたとき
うれしかった七
勢いに乗る茜と七
七も事務所を辞めて母とともにアカナナ洋菓子店に力を注ぐ
しかし
茜と七の成功とは逆に・・
七の父の経営する病院は
あることがきっかけで傾いていく
茜が言った言葉
恥をかく勇気
それを持てなかったゆえのこと
茜も七も
本来自分がやりたかった道ではない道を選んできた。
でも
それは無駄なことではない。
それがあったから今の自分がいる
そう思える2人って
素敵だなって思う。
だから七にも
あんな素敵な伴侶が
まぁそこらへんは読んでからのお楽しみということで
最初は消極的で石橋をたたいいて渡る茜だったが
七に引っ張ってもらい
自分が実力をつけて自信をつけると
七も面食らうぐらい勢いに乗って攻めの経営に変わっていく
母娘の未来を応援したくなる
そんな1冊です
自分が何を一番大切にするか
それできっと未来は変わっていく
辛いことも全部糧にできたらいいよね
前向きに頑張る力をくれる作品でした。
山口さんありがとうございます!