つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

本年もよろしくお願い申し上げます。

2024年01月02日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
令和6年、新しい一年が始まりました。
みなさま、どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。

昨日は日本海側で大きな地震があり、この地域も震度4の長い揺れがつづきました。思わず玄関の外に飛び出してしまいましたが、揺れがひとまずおさまりました後に「こうして私はひとり、今年を生きていくのか」と少しがっかりと致しました。


雪の多い、観光名所の多いお土地柄、しかも元旦からの出来事で、被災地ではお辛いことが重なってしまうことばかりだとお察しいたしますが、せめて日本にこれ以上の災害が続きませんことを心から祈りたいと思います。



「つづく」と書いてしまいましたので、勝手ながら当店のギャラリーの様子のご紹介を少し書かせていただこうと思います。





岩橋英遠のお軸の鶴は、昨年から幾度もご紹介させていただいておりますが、先月からあらためて眺めていて、あら?こんなに良い作品だったかしら?と思うことが多くありました。

多分、応接室でなく、ギャラリーに飾らせていただいたのが良かったのではないかと思っています。

鶴が大きく描かれいますので、床の間なら本床のサイズ、或いはかえってお玄関やお部屋の壁にドーンとお飾りになられたほうが英遠作品の雄大さが強調されて美しく感じられるのだろうと思います。

北海道出身の日本画家、岩橋英遠の鶴は雄大で画格が高く、昭和の時代には大変な人気がありました。

私も当時先生のお宅に伺ったことがありましたが、とても大きなお庭とそこにいらしたご来客のみなさんのお姿を印象的に覚えています。ただその時は残念ながら先生にはお会いすることができませんでした。





香月のスペイン、トレド。

この作品をお客様になかなかお納めできないということは、私どもが香月についての認識を間違えているのかしら?とふと不安に思うのですが、いやいやそんなことはないでしょう~と思い直すとき、当店のこの場所にこの香月作品は戻って参ります。そして、やっぱりいいなぁ~となります。

香月自身の「悲しみ」や「後悔」ばかりでなく、その香月自身が真に味わった「感動」を共有できる作品を所蔵してみることは、例えば、香月の創り出したあの玩具たちをそばに置くのと同じことのような気がしています。






加山又造の版画を二つ並べてみました。

月とサイは、1960年加山が手掛けた初めてのリトグラフ(石版画)作品です。

この際指導をした女屋勘左衛門は1954年岡鹿、民次、小磯良平、脇田和らの洋画家のオリジナルリトグラフ集の刷りを担当したことでも有名です。




隣の1986年制作「蝶」のような、アクアチント、メゾチントなどの他の技法を使った版画作品は洗練された表情を見せ、加山のデザイン性を強く強調し、爆発的人気を得ましたが、私は加山本来の人間性は、この「月とサイ」により強く感じられるように思い、女屋勘左衛門がそれをうまく引き出させた作品だろうと考えています。

当店の今月の展示作品のご紹介はまた一覧にしてご紹介できたらと思っています。

それまではまた気ままに記事を書かせていただきます。

私は年末より少し風邪気味です。

みなさまも十分ご自愛いただきながら、どうぞお正月をお楽しみくださいませ。



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