つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

暑中お見舞い

2024年07月09日 | 森芳雄展
梅雨が明けるまでは暑中お見舞いをお伝えするものではないと思うのですが、名古屋ももうめちゃくちゃな暑さで、お掃除をしたり、お買い物に出るたびに洗濯物を量産し、お洗濯を干したり畳んだりするのにもひと汗かいて、お洗濯をするためにお洗濯をするような。。
名古屋だけでなく、きっとみなさまもそんな日々をお過ごしかとおもいます。少し早いのですが、暑中お見舞い申し上げます。

東京のお客様より上の画像をお送りいただきました。以前もご紹介させていただいたかと思いますが、当店からお求めいただい作品を含め森芳雄作品2点と糸園作品をお飾りになられています。

森芳雄の作品が案外涼しげに感じられるのは、打ちっぱなしのコンクリートのおしゃれな壁の為だけではないように感じるのは私だけでしょうか?


日曜日にお休みをいただいて、この暑さのなか、私は比較的近場で少しでも涼しげな美術館さんに~と思い、同じ名古屋市の古川美術館さんに伺って参りました。


七夕のころに入り口に笹竹をお飾りになって来館のみなさんに短冊をお配りになっていたのを思い出したからです。そして、いま篠田桃紅さんの展覧会も催されています。

去年の今頃の私はこの暑さのようにすべてがめちゃくちゃで大好きな七夕の時期を楽しむ余裕もありませんでした。

今年の私は少し違うぞ!そう思って呼吸が止まるかと思うほどの暑さのなかをお帽子を被ってでかけ、色々迷って短冊には孫たちの健やかな成長を祈り、篠田桃紅さんの彼女自身の言葉や題材にされた三好達治や会津八一の詩に感銘を受けて帰って参りました。

篠田作品についての評価は依然と変わらず、その作品にも尊敬を抱きましたが、涼みに墨の世界に触れにいったつもりが案外普段接している森芳雄の世界の方が涼しい。そう気づきました。


「抽象に興味があった。が割り切れなくて苛立っていた」という森の言葉が示すように、日本人の繊細な抒情が果たして「抽象」のひとくくりの中で長く息をすることができるのか?

草間彌生や篠田桃紅が単身ニューヨークに渡ったこと。
世界に通用する美を追求すること。

森作品はある意味それとは真逆な方向性を目指したような気がしています。

日本人にしかわからない美しさ。清潔な抒情性。

命にかかわるような暑さには絶対にクーラーの冷たい風が必要ですが、少し涼んだそのあとに必ず動き出すでしょう心と体は、果たして何を求めるのでしょうか。

こんなお暑さのなかを日本有数の「猛暑地」名古屋にいらしてくださいなどと
申しあげることはもうできません。

けれど、この夏に森芳雄の作品を並べさせていただいたことには何の反省もありません。

そのことをブログを通しお伝えできたらよいと思っています。

















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