Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

自己嫌悪 -- ねんねトレーニング

2015-07-31 23:30:55 | 育児: 生後0~6ヶ月
息子が6ヶ月になり、ねんねトレーニング (sleep training) を意識し始める時期になりました。


(囚人服パジャマ、笑)

その理由は、6ヶ月検診に行った際にドクターから息子の睡眠が足りていないと指摘されたこととと、授乳しながらの寝かしつけは後で大変になるから今のうちにやめたほうがいい、と言われたこと。息子はお昼寝も午前と午後に30分するだけで、夜もだいたい3時間おきに起きてしまうというのを繰り返していました。ドクターによると、生後6ヶ月なら昼寝は午前と午後に1~2時間、夜は12時間続けて寝られるようになっていてもいいくらいで、夜中に息子が起きるのは決してお腹が空いてるからではなく、単に眠りが浅いサイクルに入ってるだけなので、その都度応えてあげたりましてや授乳する必要はなくて、ポンポンと優しくあやしてあげればまた眠りにつくからいちいち抱きあげないでいいというのです。ねんねトレーニングをしてきちんと睡眠を確保するように、そうしないと心身の成長発達にも影響するからとにかく1日に14-16時間は寝かせてあげなさいというドクター。

それに発破をかけられて、今週、月、火、とファーバー式のねんトレをしてみたのですが、3日目にして挫折。ねんトレなんてやらなきゃよかった、と今は後悔しています。ファーバー式というのは、赤ちゃんが目を覚ましているうちにベッドへ置きひとりで眠りにつくのを覚えてもらう、というもの。赤ちゃんが泣いても絶対に抱き上げず、ベッドに置いたままの状態で声をかけたり胸や背中を優しくさすったりしてなぐさめ、一定の時間ごと(3分とか5分とか)にたとえ泣いていても部屋を出て、ひとりにして、一定の時間ごとにまた戻ってなぐさめて、というのを赤ちゃんが眠るまで繰り返すという方式。

ふだん、おっぱいを飲みながらウトウトして寝入ってしまうおチビさんにとっては、まったく新しい方法です。ご機嫌なうちにベッドに置いて、絵本を読んで、さぁもうネンネだよ、と寝かしつけようとすると、泣き出しました。7分そばにいてあやして、泣き止んでいないのに部屋を出てドアの外で3分じっと耐えて待つ。3分経ったら部屋に入ってまたあやすのですが、息子は私の姿をみると少し泣き止むものの、「どうして抱っこしてくれないんだろう」というフラストレーションでいっぱいなのでまたさらに泣き出します。呼吸もできないくらい泣いてるのに抱っこできない、私の心はちぎれそうでした。でも今抱っこしたらさっき流したなみだが無駄になる、と思って心をオニにして、抱き上げずに一生懸命あやします。

「大丈夫だよ、ママここにいるよ」
「ひとりじゃないよ」

やさしく声をかけたり、胸をポンポンしたり、子守唄をうたったり、息子の好きな歌「踊るポンポコリン」を小さくかけてあげたり、その都度ときどき泣き止むものの、抱っこしてほしいという欲求は満たされないのでやはりいつまでも泣き続けます。そのうえ一定の時間ごとに部屋にひとりにされるのです。泣き声はピーク、息ができないくらい激しく泣いています。今までひとりにされたことない息子にとって、それがどんなに残酷なことだったか。。夕陽色に染まる寝室に息子の雄叫びが響きます。それでも7分あやして、3分ひとりにして、というのを何回か繰り返すと、しだいに息子の体力が限界で疲れてきたのか、泣き方も省エネモードになってきました。

でも30分以上泣かせてしまった。
省エネモードになったところで、私は部屋を去るのをやめて、ずっと息子のそばにいました。胸や背中を優しくなでて子守唄をずっと歌って。息子はヒック、ヒック、とシャックリをするような感じで肩を震わせながら、それでも両腕を伸ばして私の首や顔を掴もうとしてきます。でも、もう抱き上げてはもらえないことも分かったのかそれ以上は泣かずにおとなしく子守唄をきいていました。そこから10分ぐらいしたら力つきて寝ちゃったのですが。

ネントレ初日は予防接種を昼間に受けたせいで夜はベッドに置いたらぐずったもののすぐに寝てくれたので、ここに書いたのは2日目の様子です。息子が寝た後、ひどい自己嫌悪に陥りました。今まで15分以上泣かせたことがないのです。グズりだすといつも手を差し伸べて、抱っこして、ぎゅっとして、、、というふうに彼の欲求を満たしてきたのに、急に、ベッドの脇に立ってるだけで抱きあげない冷酷な母になったような気がしました。それを息子は赤ちゃんなりにどう受けとめたのだろうか、とか、最後のほう、もう抱っこしてもらえないことを悟ったあきらめの涙だったのだろうか、とか、たとえ短時間でもあれだけはげしく泣かせ、そのうえ側にいながら抱きしめなかったのは赤ちゃんの脳にとって多大なストレスとなったのではないか、とか、トラウマになったらどうしよう、とか、、もういろいろ考えちゃって。。。

その夜は、夜中に息子が起きるのを待ってましたとばかりに喜びいさんで胸に抱きあげ、たっぷりと夜中の授乳をしました。明け方、明るくなってきた寝室のなかで目を覚ました息子の顔を見ると、目が腫れてるじゃないですか。泣きながら寝たから両まぶたが分厚くなっていて、でもそんな顔で私を見てにっこり笑うおチビさん。

心が折れました。その日は仕事に行っても昨日のおチビさんの雄叫びがあたまの中でこだまして、その度ため息。伸ばしてきた腕に、どうして応えてあげられなかったのか、と。あの悲壮な目を思い出すだけで心がキリキリ。家に帰ってまたネントレをするのがものすごくイヤでした。それでもういいや、ネントレなんてやめよう、と。



だいたいから、私は6時に家に帰ってくるのに、7時には寝かせるようにというドクターからの指示も、まともに受けてたら私1日1時間しか息子と遊ぶ時間ないよ?って思えてきたし。ネントレが成功したとして、7時におチビさんがクリブでひとりでサッサと寝て、夜も12時間もノンストップで寝るようになったら、私いつ息子と触れ合うの???

私の勝手なワガママかもしれませんが、今は私の腕の中ですーっと眠りにおちてくれる寝かしつけの授乳が貴重な親子のスキンシップの時間です。夕方6時に帰って8時半ごろ息子が寝るまでの2時間半がすごく貴重。ひとりでクリブで寝られなくても私にはなんの支障もないです。夜中3時間おきに起こされるのも、私の体力が続いてるうちは苦じゃないのです。だから、そもそも最初からネントレなんて必要なかったんじゃないか、と。「これは問題だ」という問題が自分達にないかぎり、6ヶ月だからとか、まわりの人がやってるからとか、そういうことに振り回されてとりあえず試してしまったネントレ、自分のことを少し反省しました。そして無駄に流させた涙も。

おチビさん、まずは規則正しい生活のリズムを一緒につくっていこうね。とにかく就寝と起床時間をきっちり守ってリズムを整えてあげることから始めよう。赤ちゃんはルーティンが大好きだし。

添え乳に関して、まわりのベテランママ達は、自分の失敗経験から私に警告します。授乳して寝かしつける習慣は絶対にやめるべきよ、と。でもやっぱり私もそういう失敗ママさんの仲間入りするような気がします。それでもいい、と思えてしまうのです。こんなに小さい赤ちゃんにストレスをかけたくない、というのと、息子ともっと時間を過ごしたいという私の希望とで。

あとで後悔するかもしれないなぁ。けれど、とりあえずうちはネントレ延期。授乳して寝かせるのも、今すぐにはやめようとは思わず、もう少し様子をみたいです。