持たなきゃ生きていけないマイナンバーカード

将来的に強制になるかどうか知らないが、日本政府はマイナンバーカードを運転免許証、保険証と一体化させるようだ。実は筆者は長年外国に暮らしているので、マイナンバーカードどころかマイナンバーも持っていない。当然のごとく、住民票も入れていないので運転免許証も国民健康保険も国民年金もない。非居住者であるから当たり前だが。

 

日本はやたらと個人情報の漏洩があって、それが詐欺などに悪用されるのでこの動きは怖い。汎用性というか一体化される対象が広がれば広がるほど、悪用されるリスクも広がる。

 

さてオーストラリアにもマイナンバーに似たような番号がある。それはタックス・ファイル・ナンバーという税番号である。税金を払う場合、源泉徴収の労働者でも個人所得の自営業者でも税金を申告する場合にこれが必須である。また銀行口座を開く場合にこれが必要となる。強制ではないが、この税番号がないと利息に源泉課税される。

 

金融機関は口座の利息の詳細を国税に通知していて、この税番号を元に把握している。株式の配当金も国税にこれで把握されている。多分株売買での利益も把握されているはずだ。だから金融商品に関してはほぼ国税に把握されている。

 

日本も運転免許証や健康保険証といった対象者が多いことからではなく、金融商品から始めればいい。そのほうが税金の取り立てに役立つし、銀行口座の不正利用、詐欺などの防止に役立つ。

 

オーストラリアでタックス・ファイル・ナンバーはその名のとうり、税に関することだけに利用されていて、これを運転免許証や保険証にリンクされようなんて無理難題は政府は言わない。素人が考えてもそれは間口を広げすぎということが分かる。ほころびるだけだ。