暴動/スライ&ザ・ファミリーストーン
スライがいなければあのプリンスの成功はなかったかもしれない。特に2枚組みの大作「サイン・オブ・ザ・タイムズ」は、ディアンジェロの「ブードゥー」と共に、その影響が顕著に表われている作品といわれる。サンフランシスコでDJやプロデューサーをしていたスライ・ストーンによって'67年に結成した白黒男女混合グループが、スライ&ザ・ファミリーストーンだ。ファンク、ソウルミュージックとロックを融合させた新しいサウンドで、ビッグ・ヒットを生み出し人気グループとなる。6作目となるこのアルバムは、それまでの前向きで明るい作品とはうって変わってとても内省的なものとなっている(ちなみにタイトルトラック“暴動”は8秒間の無音の曲)。それは彼自身の音楽に対する試行錯誤の結果だけでなく、ヒッピー・ムーヴメントの衰退等、当時の社会情勢の変化も大きく影響していた。この後のスライはドラッグの問題もあり再起不能といわれながらも、たびたびカムバックを繰り返している。