“解任”ではなく“休養”というどこぞのプロ野球チームのようなうやむやな形での発表となったのは、単に契約上の問題やオグへの配慮だけでなく、親会社であるトヨタの顔色を気にしてのことと思われます。些細なことかもしれませんが、こんなことだけでも我々グラサポに対するクラブ側の不誠実ともいえる姿勢がうかがわれるというものです。
そして、今回ここまでの低迷を招いた元凶が、常に矢面に立っていた指揮官や社長ではなく、サッカーのサの字も知らないまま送り込まれ、ただただ自身の体面ばかりを気にかける出向幹部だったということ。結局、懐かしささえ感じるいつぞやの過ちを性懲りも無く繰り返していたわけで、そういう意味では責任が全くないとまでは言えないものの、オグや久米社長にも同情の余地があるのかもしれません。
かくして開幕前にクラブが大みえを切って掲げていた壮大(かつ無理難題?)なプランは1シーズンももたないまま頓挫することとなりました。あとに残ったのは信頼どころか不信感のみで、ファン、サポーターはもちろん、スポンサーや選手達もかようなクラブに義理や愛情など持てるわけもなく、何の躊躇も無いまま見放されるのは必至です。
今回の最大の被害者といってもいい選手達や火中の栗を拾ってくれたジュロヴスキー氏のためにも残り8試合の戦いに期待したいとは思いますが、たとえ奇跡的に残留を果たしたとしても“待っているのはいばらの道”ということだけはクラブに関わる者全員が覚悟しておくべきでしょう。