10月15日(月)のつぶやき(読んだ本、『ニセ札つかいの手記』)

@rinakko 07:15
おはよございまず。こーじーにゃう。今朝のおめざは武田泰淳の「白昼の通り魔」。さわやかさわやか。


@rinakko 17:11
【ニセ札つかいの手記 - 武田泰淳異色短篇集 (中公文庫)/武田 泰淳】を読んだ本に追加
 

 とても面白かった。渋くて黒くて、勘所を掴まれる感じが好きだー。とりわけお気に入りは、「『ゴジラ』の来る夜」と「白昼の通り魔」と表題作。「空間の犯罪」もよかったなぁ…。

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10月14日(日)のつぶやき(「神戸 バラライカ」 その3)

@rinakko 12:01
北野の、純ロシア料理バラライカにゃう。ボルシとピロシキとか♪


 カップサイズのボルシチ。奥は通常サイズ。



@rinakko 12:16
グリヴィ(きのこのクリーム煮つぼ焼き)とペリメニ(餃子)とウォッカ(夫用)も頼んだ~。
 
@rinakko 12:24
キュウリの漬け物は今回は頼まないけれど、ちゃんとあるのよね。

@rinakko 13:26
風見鶏の家を眺めつつ、広場を見下ろしつつワイン休憩にゃう。結婚式の人たちもちらほら。久々の北野♪
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10月13日(土)のつぶやき

@rinakko 10:04
おはよございまず~。ゆるゆると毛づくろい~。鬱金色のワンピースにカーキのタイツを合わせたら、何だか全身が黄葉っぽい。銀杏か。

@rinakko 19:11
梅田で呑んでる。納豆の揚げ出しとか、牡蠣の天ぷらとかにゃう。
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10月12日(金)のつぶやき(読んだ本、『北欧神話と伝説』)

@rinakko 16:49
【北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)/ヴィルヘルム・グレンベック】を読んだ本に追加

 “モーネガルムは夜の光を追いかける。彼は死人の屍を口につめこんでいる。そして彼の顎が月の上で噛み合わされると、太陽は光を失い、天の全体が、彼の口から空に地に迸り出る血で、ぶきみな赤い色に染まる。” 58頁

【北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)/ヴィルヘルム・グレンベック】
 少しずつ読んでいた。興味深い内容が詰まっていて、凄く面白かった。締めくくりに「ウォルスング家の物語」を読めたのも満足。
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皆川博子さん、『ペガサスの挽歌』

 「日本語の醍醐味」というシリーズから。『ペガサスの挽歌』の感想を少しばかり。

 “私の腕の中にあるのは、私が気ままにもてあそんで、こわしてしまったおもちゃだった。” 125頁
 “妬むがいい、彼の若さの美しさを、と、香子は毒々しい口調を女たちにぶつける。” 325頁

 素晴らしかった。妖しと小昏い背徳の魔界へずぶり…ふみ入り、至福の心地にしばし耽溺した。70年代の単行本未収録作品ばかりを収めた一冊だが、既に完成されていることに深い溜息がこぼれる。研澄まされた狂気と残酷を賞する後ろめたさの、甘美な味わいと言ったらどうだ。
 初期の児童文学を読めたことも嬉しい(コンクリ虫が可愛いの…)内容の中、とりわけ好きだったのは「天使」や、表題作「ペガサスの挽歌」、「家族の死」、「朱妖」…といった辺り。「試罪の冠」や「声」もよかった(もう殆ど)。息を呑む幕切れの刺し止められる感覚は、やがてやめられない毒のように胸奥で変容していく…。

 殺めた鳥の羽をむしる剥製師の女が禍々しい「天使」は、生に倦んだ16歳の少年が絡め捕られていく展開に戦慄した。天使の翼へのこだわりとは裏腹に、女が語る話は禁忌を孕み、堆くなる羽毛と血のイメージで思わず息が苦しくなる。
 冒頭が鮮烈な「ペガサスの挽歌」では、医者の後妻になった亜里子と二人の息子たちが、性と死を弄ぶような関係を結ぶ。彼らの放逸な行動は恐ろしい結末を招くが、最後の場面には説得力がある…と思った。“エゴとナルシズムの塊り”…。
 本当の子供以上に子供染みて身勝手な母親を見限り、かといって誰を頼るでもなく、世の大人たちに見切りをつけてしまった少女たちの絶望を描く、「家族の死」。
 高価な朱色の蘭鋳が泳ぐガラス鉢と、冷たい指…の眺めが脳裡に焼きつく「朱妖」では、制御の効かない妖しい衝動を秘めた香子の恋の顛末が描かれる。この作品の、ゆっくりと破滅していくように美しい幕切れが、痺れるほどに好きだ。

 初期児童文学作品 「花のないお墓」「コンクリ虫」「こだま」「ギターと若者」、「地獄のオルフェ」、「天使」、「ペガサスの挽歌」、「試罪の冠」、「黄泉の女」、「声」、「家族の死」、「朱妖」。

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佐藤亜紀さん、『金の仔牛』

 『金の仔牛』の感想を少しばかり。 

 “言わば泥棒の夏至が、訪れようとしている。” 89頁 

 ひやひやはらはら…で、面白楽しかった! 株とお金儲けのからくりを解く箇所もひっくるめ、ぐいぐいひき込まれた。濃ゆい登場人物が各々に策を弄する筋立てから、全く目が離せない。18世紀パリという舞台背景も、存分に堪能した。
 …などと言いつつ何をおいてもまず、悪党なのに全然すれてない若者アルノーと、頗る付きの別嬪でおきゃんな恋人ニコルが大好きだった。とりわけ、ニコルの瞳が爛々と輝く場面は、同性ながらも惚れ惚れしてしまう。芳紀まさに17歳、やっぱり美人はいいねぇ…。そんな二人の周辺は、相当物騒になっていく。て言うか、二人こそが渦中にあり窮地に陥ってしまうのだが、そこを掻い潜っていく強かさも見事なものだった。

 追い剥ぎだったアルノーを見込んでカンカンポワ街に深入りさせる、投資家の老紳士カトルメールを始め、ニコルへの邪な欲を抱きアルノーを追い詰める悪役の貴族に、腹黒くて吝いニコルの父親に…(まだまだいるの)と、一筋縄ではいかない面々の騙くらかし合いなんて、身を乗りだすほどにぞくっと魅入られた。
 カンカンポワ街から始まった株価狂騒曲、はて、その落としどころは…。

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イーヴリン・ウォー、『卑しい肉体』

 20世紀イギリス小説個性派セレクション、とうとう5冊目。『卑しい肉体』の感想を少しばかり。

 “いいえ、夜のこの時間の〈リッツ〉は、超、超、退屈よ、と反論される。” 76頁

 とても面白かった。刊行当時話題だったという、“陽気な若者たち”の姿を内側から描いた群像劇。まさにパーティ小説という呼び方がぴったり。確かに虚無的ではあるものの、所々のずれ加減があまりにシュールなので思わず笑ってしまう。軽くて、飽いていて、徒に陽気な彼ら…。
 数え切れないほどの登場人物たちが、入れ替わり立ち替わり現れる、趣向を凝らした数々のパーティ(野蛮人パーティに、飛行船でのパーティに…)。そこには既にお馴染みの、退屈なダンスと倦み果てた空気があるばかり。それでも気晴らしを求める彼らは、パーティの為なら何度でも足を運ぶ。そして、「退屈」と「素敵」が口癖になった若者たちは、拠り所の希薄な淡い恋をする。ふわふわと…。

 日刊紙のゴシップ記者になったアダムが、“発明”にいそしむ件が興味深かった。魅力的な人物たちと本人のあやふやさとの比が皮肉にも映るし、実のない仕事ぶりもさもありなん…という感じ。読む分には可笑しいけれどね。

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9月に読んだ本

9月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4205ページ
読んでた本の数:1冊

▼読んだ本
老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る
いやはや面白楽しかった! よもやここまで破茶滅茶とは思うめえ…。『ピノッキオの冒険』から読んだ甲斐があったというもの。始め、相当に長いインターバルを置いた続篇と受けとめていたが、実際はもっと企みの深いパロディに徹していて、可笑しいの可笑しくないのって。それに、あのやんちゃな木の少年がこんな老人になろうとは…と、少しく哀感の漂うあたり、絶妙な匙加減だった。著名なる名誉教授で美術史学者、世紀の大人物…。自分は本当に幸せだったのだろうかと、人生を振り返る老ピノッキオ。猥雑で皮肉で切実で、最後は泣き笑いだった。
読了日:09月28日 著者:ロバート・クーヴァー
新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)
子供の頃にみた映画や絵本には特に思い入れもなかったようで、大した記憶もなく、こんな話だったのか…と新鮮だった。“大人のいうことをきかない子供はひどい目にあう”とか、取ってつけたような教訓には、もし自分が子供だったら鼻白むばかりだと思う。でも、殊のほか残酷だったり、仙女の存在がかなり不可解だったりで、面白かった。
読了日:09月26日 著者:カルロ コッローディ
誕生日誕生日
凄まじい読み応え。禍々しく妖しい部分部分に引き寄せられ、全体像を求めるや否や押し戻され、揺り返しの感覚の中で立ち竦む。この不可解な物語が、不意に目の前で裁ち落とされた気がして、自分が傾いだままだった。老人が座るむき出しの部屋、理解出来ない家の形、捩れた時空間の混濁。漏れだすように“わたし”の輪郭が弛んでいく様にも惑う。老人と青年の顔を持つ男、猫を連れた幼子、ヌンシアの関係は何なのか。シゲルスの末路の挿入、宗教批判、人生で一番望んだものについて…。あれもこれもと考えてみても拡散するばかりだが、思いは尽きない
読了日:09月25日 著者:カルロス・フエンテス
闇のしもべ 下 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)闇のしもべ 下 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)
おお、面白楽しかった…! とても満足です。次回作が待ち切れませぬ。
読了日:09月24日 著者:イモジェン・ロバートスン
闇のしもべ 上 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)闇のしもべ 上 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)

読了日:09月23日 著者:イモジェン・ロバートスン
飛行士と東京の雨の森飛行士と東京の雨の森
とてもよかった。どこかで続く雨降りの音色を聴き分けようと、全身を澄ます…そんな心地にさせる話もあれば、鋭く手加減のない話もあり、堪能した。心ふるえた「理想的な月の写真」は、音楽に携わる主人公のもとに、一風変わった依頼が舞い込む話。自殺をした娘の為に、CDを作って欲しいと…。静かな旅のような、とても大切なことを突き詰めた淵へといざなわれるような、不思議な話だった。他に好きなのは、タイトルが詩のようで読む前から気になった表題作、「ソフトロック熱」。設定に惹き込まれた「奴隷」は、びりっと刺すような逸品だった
読了日:09月21日 著者:西崎 憲
新装版 リタ・ヘイワースの背信新装版 リタ・ヘイワースの背信
読み終えた今、あらためてこのタイトルの持つ意味合いが、じわり…沁み入るようにわかる。身も蓋もなく、容赦なく迫る。こよなく映画を愛した少年の綺羅の夢が、その可憐な姿が、徐々に色褪せ煤けていくのをみているのが、何よりも遣る瀬なかった。もう少し何とかならないの…と、詮無く。トートの母親であるミタの実家での一幕から、物語は始まる。いきなり会話だけで話が進んでいく序盤がとても面白くて、ここで掴まれたなぁ…と思う。人物各々の意識の流れが克明な章と、日記や手紙が使われる章と。中でもトートの作文には、溜め息しか出やしない
読了日:09月20日 著者:マヌエル プイグ
新装版 悪の誘惑新装版 悪の誘惑
とても面白かった。神か、はたまた悪魔の導きか。“神に選ばれたものは決して誤ちを犯さない”という、驕慢な教義に魅入られ、数奇な人生を送ることになった男の、常軌を逸した信仰の末の転落を描く物語。おどろおどろしい怪奇を堪能したが、読み終えた後の驚愕の眩暈が一等忘れがたい。幾つかの疑問が脳裏をめぐり、世界が傾いだ。第一部“編者が語る”と、第二部“罪人の告白”。外側から一度読んだ物語を、当事者の手記としてなぞる構成。後からこの二通りの物語を照らし合わせてみるのが素晴らしい効果で、めくるめく心地へと捕りこまれた。
読了日:09月17日 著者:ジェイムズ ホッグ
生埋め―ある狂人の手記より (文学の冒険)生埋め―ある狂人の手記より (文学の冒険)
とてもよかった。想像していた速効性の毒とは違う、じわじわ効いてくる救いのない昏さにひきこまれた。「タフテ・アブーナスル」は、考古学者がミイラを生き返らせる話。何世紀も隔てた女の情念が陽炎う様が、凄絶で妖艶。「捨てられた妻」は、己を鞭打つ夫を恋う妻の狂気に戦慄した話。とりわけ好きな「S.G.L.L.」は、考えうる人の願望が叶えられた二千年後の世界で、残された苦しみは人生の疲労と倦怠…という、アンチ・ユートピアもの。死への憧れに憑かれたスーサンと、懊悩するテッド。滅びゆく二人の儚い姿だけが徒に美しかった。
読了日:09月12日 著者:サーデグ ヘダーヤト
カフカ・セレクション〈3〉異形/寓意 (ちくま文庫)カフカ・セレクション〈3〉異形/寓意 (ちくま文庫)
テーマ別に括られているところが前から気になっていたセレクション。未読の「歌姫ヨゼフィーヌ、あるいは鼠の族」を読みたくなったので、Ⅲから手に取った。“異形と寓意”となっているが、読んでいるうちに、テーマは動物だったっけ…という気がしてくる。「家父の心配」は、何度読んでもとても不思議で後を曳く話だなぁ…と。「ジャッカルとアラビア人」や「あるアカデミーへの報告」も好きな作品。縷々犬が語り続ける「いかに私の生活は変化したことか」は、音楽犬の件でくらっとして、空中犬に至ってはぐらぐらしたけれど、変梃りんで面白かった
読了日:09月10日 著者:フランツ カフカ
チューダー王朝弁護士シャードレイク (集英社文庫)チューダー王朝弁護士シャードレイク (集英社文庫)
とても面白く、興味深く読んだ。ちょっと、シャードレイクが気の毒過ぎる気がしないでもないが、この先も大変そうなので是非読みたいw
読了日:09月07日 著者:C・J・サンソム
彼の個人的な運命 (創元推理文庫)彼の個人的な運命 (創元推理文庫)
ふふふ、これも面白楽しかった! 三聖人たちそれぞれ、本当に好きだなぁ。とにかく3人とも、会話のセンスが尋常でない。それに、いかなる時も自分の専門である時代の淵に片足突っこんだまま抜こうとせず、残る一方の片足もちゃんと地に着いてない…みたいな、そんなところ好き過ぎる。この話では、元内務省調査員のルイが、友人で元売春婦のマルトに持ち込まれた厄介事の所為で、落ち着きを失くして調子を狂わせてるのがおかしかった。思いっきり飛躍して着地する(ルイが受け付けないくらい)、リュシオンの見せ場はお気に入りの一つ。…個人的に
読了日:09月04日 著者:フレッド・ヴァルガス
猫の客 (河出文庫 ひ 7-1)猫の客 (河出文庫 ひ 7-1)
とても好きな作品。本当に、青白い小さな稲妻が駆け抜けたよう。移ろう季節ごと、見事な庭園を鋭角的に遊び回り、月光を纏う白い珠のようだった、忘れがたい猫の姿。そして、その本然な魂を愛惜した夫婦の姿に、胸をうたれた。抱かせることはおろか啼き声一つ聴かせぬ隣家の飼猫を、訪れのあるがままに招き入れ、愛おしく思いをかけるようになった夫婦の悲喜を描く。神秘的で媚びることない猫の無垢。その命を慈しみ誉む夫婦の、恋しさと諦めの間で揺れうごく様は、ひしひしと切なかった。出会いがあり別れがあり、それから…という流れも素晴らしい
読了日:09月03日 著者:平出 隆
奇貨奇貨
素晴らしい。冒頭から見事に引きこまれ巻きこまれた。この主人公はどうしたものか…と、読んでいるこっちまで途方に暮れそうになるが、それが堪らない。性的偏りが風変わりなだけで(受け、てことだが)、こんなにパートナーに不自由するものか…と思いつつ、でもそれ以前に男とは友達にもなれないとか、恋人とも女同士のように付き合いたいとか、そんな自分を観察して私小説を書いている…とか、人物造形が周到に面白過ぎる。本田がシェアメイトの七島に、性を含まない執着を抱くようになっていく過程に読み応えがある。「変態月」も凄くよかった。
読了日:09月02日 著者:松浦 理英子
▼読んでた本
北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)
著者:ヴィルヘルム・グレンベック

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マーク・トウェイン、『アーサー王宮廷のヤンキー』

 9月の課題本。なので、微妙に間に合ってない…。『アーサー王宮廷のヤンキー』の感想を少しばかり。

 “四年の歳月が流れた。――そしてその結果はどうなったか! それはとても想像できますまい。” 104頁

 とても面白かった。そも、アーサー王宮廷にヤンキーという、あまりにもちぐはぐな組み合わせに些かの抵抗があったが、実際に読んでいても、何故あえてアーサー王なのか…と時折溜め息がこぼれた(だって、イメージが。うう…)。でも、突っこみどころ満載な設定といい(え、SF?)、諷刺の効きまくった偏屈な語り口といい、ぶははっ…と思わず噴き出しちゃう箇所も多くて楽しめた。…やでやで。

 生まれも育ちもコネチカット州の“ちゃきちゃきのヤンキー”が、どうしたことか、昏倒から覚めるとそこは騎士の時代のアーサー王が治めるブリテンだった…。奇妙な男が語りだす、驚きに満ち満ちた身の上話。如何にして彼は、アーサー王宮廷の新参者でありながら、絶大な権力を得、王に継ぐ偉い人物として畏れられるまでに成りおおせたのか。そして、絶対の地位を固めた彼がかの地にもたらした、新しい文明とはいったい…。

 序盤がなかなか乗れなかったけれど、冒険の機会を持参してサンデーが現れ、ザ・ボスの武者修行(?)の始まる辺りから俄然面白くなった。特に後半には、マーク・トウェインの時代のアメリカに微妙に絡めたり揶揄するような記述もあり、興味深かった。それに、子ども向けの「トム・ソーヤーの冒険」しか読んだことがなかったので、こんなに反骨精神旺盛な作家だったのか…と感じ入った。
 しかし、電話とか新聞とか(他にもいろいろ)おいおいおい…と。マーリンも形無しで、気の毒過ぎるし(溜め息)。

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