ウラジーミル・ナボコフ、『プニン』

 『プニン』の感想を少しばかり。

 “一方プニンは、すこぶるプニン的な渇望の充足に身を委ねていた。彼はいまプニン的な困惑を味わっているのだ。” 19頁

 素晴らしかった。プニンがいい、とてもいい。不器用で頑なな生き方も、静かにたたえる郷愁も、文学への愛も、邪気のなさも、切々と胸に迫ってきた。不運さえもがいじらしくて、これは所謂萌えか…と秘かに思ったり。でも、プニンのような人物を描いて、その魅力をこれほどまでに伝えられるのは、やはりナボコフだからこそ成せる業なのだろう。何となれば、“不条理な事物”と絶えず戦う彼の姿は、傍から上辺だけを見るならば、救いがたく滑稽な人物にしか映らないかも知れないのだ。

 そんなプニン教授は、ロシアはペテルブルグに生まれ、白軍入隊を経てコンスタンチンノープルに逃れ、プラハで大学教育を終了させ…と、根なし草のような人生を強いられてきた亡命ロシア人である。物語は、少しく回想を交えつつ、ささやかな喜びや憤りに縁取られたプニンの日常を、優しく掬い取るように綴っていく。
 たとえば、新しい義歯が気に入って、取り外しを披露するプニン。専用の研究室をプニン化するプニン。図書館のカタログ・カードの引き出しを、大きなクルミのように抱えるプニン。新居移転の祝いに張り切るプニン…。何故だろう。こんな風に、なんでもない場面を一つ一つ思い浮かべていると、不意に胸がいっぱいになる。  

 気まぐれにどの頁を開いてみても、おとっときの文章が目に飛び込んでくる。終盤における苦味があまりにも周到で、ただただ舌を巻いた。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

10月16日(火)のつぶやき(東北料理♪ 「佐勘 梅田本店」)

@rinakko 06:57
おはよございまず。温かこーじーが美味じいいい(じんわり)。昨夜寝室で派手に転んだらしいけれど、記憶にないっす。

@rinakko 18:04
梅田にて、東北料理の居酒屋にゃう。いも煮と厚切り牛たん炙り焼は、後できっと頼む…! 何を頼んでも美味しそうな品書きだわ~。

 鯛の昆布〆。


 いも煮。


 秋鱧と松茸の天ぷら。


 厚切り牛たん炙り焼。
@rinakko 19:21
きりたんぽ焼、美味…。

 ご馳走さまでした♪
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )