8月30日

カルロス・バルマセーダ/柳原孝敦訳『ブエノスアイレス食堂』を再読した。
13年ぶり。冒頭の一文を読んだ瞬間に「うわっ、そうだった!」と声が出た。

政情の不安定なアルゼンチンで、カリオストロ兄弟からシアンカリーニ家そしてロンブローソ家へ、イタリア系移民が受け継いでいくビストロの70年に渡る年代記でもある。
歴代の天才料理人たちが生み出した伝説の逸品の数々は、調理過程を詳しく説明する文章が既に美味。同じ厨房に立った彼らを繋いだ指南書を最後に所有したのは、末裔セサル・ロンブローソだった…。

淡々とした筆致がとても好きなのと、主人公の名前については「エッジの効いた目配せですね…」と思っている。

 

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8月27日

 ホセ・ドノソ/鼓直訳『夜のみだらな鳥』を再読した。
 
 素晴らしい読み応え。
 悪夢の中で味わう眩暈とその眺めを更に騙し絵にしたような世界、偏愛せずにはいられない。

 名門夫妻に生まれた畸形の嗣子ボーイが幽閉されているリンコナーダの屋敷と、ムディート(小さな唖の意)が老婆たちの中に身を隠す古びた修道院。
 双方を繋ぐ存在であるウンベルトの人格は徐々に崩壊し自我は境界を漏れ出し、彼が語る事実と妄想は障壁を失う。浸食し合う2つの時間軸を行き交う、不気味な移植や生殖のイメージ、妖怪インブンチェと魔女と黄色い牝犬の影…が渦巻く。

 時間を混乱させる力をそなえた老婆たちが有機体めいてわらわらしてるのも、今回は好きだった。

 

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8月24日

 昼ビール部です。ヒューガルデンホワイト(๑˃̵ᴗ˂̵)
 

 

 お昼ごめん。タコのアラビアータ、ジェノベーゼ添え。ガーヴィにて。梅の効いた風味でおいじかった。
 
 



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8月19日

 ロマン・ギャリ/須藤哲生訳『ペルーの鳥 死出の旅へ』を再読した。
 
 沖の島々から夥しい数の鳥たちが、己の骸を投げ棄てる為だけにやってくる砂浜。入水する傷付いた女。その死んだ鳥で足の踏み場もなくなる浜辺の情景が、忘れがたかった。その理由を誰も知らないけれど、きっとどんなことにも訳があるはずと(表題作)。

 他に今回好きだったのは、「デカダンス」や「贋作」「鳩市民」「キリマンジャロではすべて快調」。
 訳者あとがきの内容も充実していて、著者自身の人生が複雑だったことなどあらためて興味深く読んでしまう(とりわけやはり、ジーン・セバーグとの出会いから最期までの件が)。

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8月17日

 夫と近所のお店で夕焼き肉してきた。バイトの店員さんが可愛くて楽しかった。おなかいぱい…。
 

 
  
 
  
 

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8月15日

 昼ビール部です。カレー、食びにきた。
 
  
 

 お昼ごはん。旧水曜カレーにて、三つ巴(チキン、キーマ、梅ささみ)。玉子ピクルスと豚の醤油煮をトッピング(欲張ったw)。
 おいじかった。
 
  
 

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8月13日

 昼ビール部です。 昼から食べる餃子とビールは人類の到達点です(by 巻さん)
 
  
 
  
 お昼ごめん。五目冷やし中華。
 名古屋出身なので冷やし中華にマヨネーズはデフォだけど、混ざるのが好きじゃないので胡瓜で抑える派です(そんな派はないw)
 
  
 

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8月10日

 お昼ごめん。「手作りめん処 生房」にて、ざるそば定食。
 夏の蕎麦だけど、おいじかったよう。ポテサラがまた美味で…
 
  
 

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8月9日

 クラフト・エヴィング商會 著/坂本真典 写真『らくだこぶ書房|21世紀古書目録』を再読した
 
 1997年の秋、“砂時計をひっくり返すようにして” 2052年から『未来の古本たち』の目録がクラフト・エヴィング商會に届けられた。そこから選んで取り寄せた(!)本の数々が紹介されている。

 私がまず読みたいのは、『老アルゴス師と百の眼鏡の物語』かな(百眼の老眼鏡ってw)。ギリシア神話の登場人物たちの老境を描いた大人の童話〈21世紀のギリシア神話〉シリーズ、全部読みたいよ全部。
 茶柱の美学と哲学を説く『茶柱』も読みたいし、てゆか他の本も全部読みたい…。
 あと、装幀フェチとしても堪らない一冊である。

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8月8日

 エドワード・ブルワー=リットン/田中千惠子訳『ポンペイ最後の日 上下』を読んだ。
 
 面白かった。ヴィクトリア朝の作家が当時における念入りな調査に基づき、文明が爛熟したローマの小型版・古代ポンペイを舞台に描いたゴシック歴史小説。

 ローマ帝国に自由を奪われたアテナイの青年貴族グラウコスは、ギリシャへの郷愁を分かち合う清廉な美女イオネーと恋に落ちる。 が、エジプト王朝の末裔だという魔術師アルバケースは、イオネーの身も心も奪う気満々でふたりの仲を裂こうとし、そこにもうひとり、グラウコスへの思いに胸を焦がす盲目の少女ニディアの存在があって…と、そこだけ言うと如何にもなお膳立てだけれど、はらはらする展開で楽しめた。

 自分たちの住む街が灰に埋もれる運命など夢にも思わぬ人々の、享楽的で自堕落な暮らしぶりが、当時の風習や習慣を踏まえて描かれている。初期のキリスト教信者たちの姿も興味深かった。
 “陽気なポンペイの人びとは刻々と近づく恐るべき運命の警告があったことさえ忘れてしまった。”(上巻)


 「ポンペイ最後の日」って、ずっと西暦79年8月24日と思われてきたらしい(小プリニウスの文書から)。現在では、10月後半噴火説が有力なんですって。ほおお。

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