8月2日

 シルヴィア・プラス/小澤身和子訳『ベル・ジャー』を読んだ。
 
 辛い内容なのに夢中で読み耽った。
 自分とは全然違う境遇の主人公エスターに、「私もこの感情を知っているし覚えている」と思わずにいられない箇所が幾度もあり、ひき込まれる。そんな風に読まれ続けてきた作品なのだ…。

 前半、ニューヨークに招かれ滞在し、大抵の女性にとって夢のような体験をしながら、華美や軽薄さに馴染めず、エスターの内面には何の関心も示さない人たちに囲まれ彼女は少しずつ壊れていくけれど、ニューヨーク最後の夜の屋上の場面が哀しくて美しくて忘れがたい。
 落ちていく洗練された衣装の数々が、(私の中で)何か…他のことに重なってしまう
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