ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

その時までサヨナラ

2016-07-02 16:28:28 | 本を読みました
その時までサヨナラ 文芸社文庫 山田悠介著

帯を見ると「最後は号泣」とか
「これは泣ける」と書いてある。

売り上げも1位。



裏表紙の説明は
別居中の妻子が、旅先で列車事故に遭遇した。
仕事のことしか頭にない悟は、奇跡的に生還した
息子を義理の両親に引き取らせようとする。
ところが亡き妻の親友という謎の女の登場で
事態は思いもかけない展開を見せ始めた。
はたして彼女は何者なのか。
そして自己現場から見つかった結婚指輪に
妻が託した思いとは?
ホラーの鬼才が切り拓く愛と絆の
感動ミステリー




「ミステリー」に魅かれ
買ってしまいました。





仕事ばかりで家庭をないがしろにしたばかり
妻は子供を連れて家を出てしまった。

その妻が事故に遭い死亡。
接したことがない子供の面倒を見ることに。。

と書くとあるある話に思える。



実際は話はかなり複雑。
ネタバレもありますのでご注意を。





出版社に勤める悟は、
無名の新人を作家を見出し、
超売れっ子の作家に育て上げ、
勢いに乗っていた。

とにかく仕事が面白いとき。
家庭には帰らない。
子供が病気で緊急入院しても
仕事を優先した。

妻が家を出てしまっても
詫びることもなく、
離婚届が送られて来たら印を
押すつもりでいた。

でき婚で結婚したこともあり
家庭に魅力はなかった。


悟には部下で愛人の紀子がいた。
紀子は家庭を望んでなく
都合のよい女だった。

紀子と逢瀬を楽しもうとしようと
したときに、電話が鳴る。

妻の亜紀は福島での地震により
乗っていた電車が脱線横転し
その事故により死亡したという。
一緒にいた4歳の息子裕太は無事だという。

とりあえず、福島の病院へ向かう。

義父は葬式の準備をするから
裕太を連れて帰ってくれという。

悟は裕太を連れて帰ってくるが、
悟は裕太と一緒に食事をしたこともなく、
箸を使えないことも知らなかった。
当然のごとく会話もなく。。

その後は弁当を買っても
部屋で食べさせて、
風呂にいれることもなかった。

妻亜紀の葬儀が終わり
裕太は義両親に引き取られると思っていたら
「実の親に育てられた方がいい」と
言われてる。


読書に夢中で裕太に弁当を与えることも
忘れてしまい、弁当を買いに行っている間に
裕太が家に、妻の友人の宮前春子を入れてしまう。

妻の友人といっても悟には初めて見る顔。

春子は亜紀に頼まれて面倒を見に来たという。
そして悟が家事ができるように教育するともいう。

悟は春子を拒絶し追い出す。

久しぶりの仕事。
夜11時に悟が帰宅すると裕太が春子を入れていた。
「くるなといっただろ」と怒るが
「来なかったら裕太君はおなかをすかせて
 待っていることになります」といって春子はひかない。

春子がインターホンを鳴らす。
悟は無視すると裕太が家の中にいれるということが
続いた。


ある日、悟が育てた作家の原稿が出来上がった。
これを出版すればベストセラーになり
悟が次期編集長になることが決まる。

悟はフラッシュメモリーで原稿を受け取り、
封筒に入れ、紀子に渡したが、
電車の中で、紀子はスリに遭い、
現金が入ったものと思われたのか封筒は取られてしまう。

原稿の紛失だけで済まず、
翌朝にはその原稿はネット掲示板にUPされて
批評されていたのた。

そして、悟は担当を外され閑職に。



時間ができたので、しぶしぶと家事をおぼえることに。


そんな時、福島の警察より
「結婚指輪が見つかった」と連絡がはいり取りに行くことに。

その指輪は亜紀の結婚指輪でなく、
悟の結婚指輪だった。

悟は亜紀が家を出た時に、外してしまっておいたもの。
その後、亜紀が取りに来たことがわかる。

なんで取りに来たんだろう、またその指輪をもって
どこにいくつもりだっただろうと思う。

警察ではなしているうちに
春子は復縁を願い「指輪御祓い」にいったのではいわれる。

復縁は望んでいないはずと納得がいかない。

その後、宮前春子が宮前春子であっても
宮前春子でないことがわかる。
正体がわかるが、なぜそんなことをするのかがわからない。

いろいろな謎が続く。


悟は「指輪御祓い」をしているお寺に向かう。

そしていろいろな謎が解けていく。

霊能者神崎一恵は
「死者の魂を自分の体に呼び戻す力」があり、
電車の中で乗り合わせ、事故で死亡した亜紀に
亜紀がやり残したことをやらせるために
自分の体を貸していたのだ。
神崎の体を借りた亜紀は宮前春子を名乗り
やってきたのだった。


悟は亜紀の想いを知り、
亜紀に会いたくなる。

どこにいけば会えるのか。

裕太が持っていたノートで
どこにいけば会えるかわかる。

車を飛ばして会いに行く。
そしていろいろ話し合う。

そして「また会う時までさよなら」といって
亜紀は「旅立つ」。





という話です。

「福島の地震」と書かれていますが、
これは東日本大震災の前にかかれた話なので
無関係です。

一瞬ドキとしますが。

よく考えると地震で電車が脱線し
死亡事故がおきたということはなかったですね。



怖いなと思ったのは
盗まれたフラッシュメモリーの原稿が
翌日にはネットで掲載されているということ。

きっと、私の知らないところで
そういう事件がいろいろ起きているんですね。

一昔前は、漫画家は宅急便で原稿を送り、
作家はFAXで原稿を送り。。といわれていましたが、
確かにFAXの原稿や紙の原稿を
再度打ち直すよりも、電子ファイルでもらった方が
効率がいいです。

これからはメールでの送信が主流になるのでしょうか??



ホント、謎だらけでした。

そのため
「どうなっちゃうの??」という感じで
読むのを止めることができませんでした。


特に悟がお寺で神崎の話を聞く件と
最後の悟、亜紀の話し合いのところは
素晴らしい出来栄えです。
きっと、それでみなさん泣けたんでしょうね。

仕事しかしらない父親が子供を面倒を見る
というのは難しい。
そのドタバタを扱った小説はあるあるだけれど、
死んだ妻の想いを書いた小説は皆無だと思います。


きっと悟は亜紀の想いを大切にして
裕太を育てているんだろうなと思います。

そしてやさしくて強いお父さんになるんだろうなとも。


買ってよかったと思った一冊です。


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4週目 2週目採血結果

2016-07-02 14:37:59 | 肝炎
2週間に一度の通院日。

本日で4週終了。



さて、2週目の採決結果は

「前回4.6だったウイルスが1.1未満になりました。
 これはログなので、
 10万が1000になったくらいすごく減ったということです」

たとえがわかりやすそうで
わかりにくかった。。。

「たぶん、次回には検出せずになります。
 はやくデータが良くなった人は
 治る確率がかなり高いです」

おおおお!!!!!!

「今の状態は採血するとウイルスは出ないんです。
 けれどウイルスは大好きな肝臓で潜んでします。
 生検をするとウイルスは出てくるでしょう。

 だから、半年薬を飲んで
 潜んでいるウイルスを徹底的にたたくのです。

 もう採血は不要に思うかもしれませんが
 特に女性の場合、肝機能があがることがあります。
 その気配があったら、カプセルを1錠止めます。
 カプセルを飲まないとウイルスが叩けないという
 わけでもないことが分かってきて。。。(略)」

ここの説明はむずかしくて。

だったら、最初から
カプセルは1錠でもいいんじゃないかと思った。

「だからモニター観測のため
 採血をします」


でしょうね。

きちんと説明しないと
服薬を止めたりする人がいるんだろう。

そういえば、薬の転売事件もあったけ。



簡単な診察だった。


当然、体調は変わりなく。

逆に疲れにくくなったような。

肝機能が正常値にはいったことが大きいのか。

(数字をみてそう思っているだけか)


肝機能は
AST 35 → 19
ALT 39 → 13



次回は2週間後。



採血して調剤薬局で薬をもらう。

処方が単純な私の方が
先に待っている人より先に
薬をもらってしまい
申し訳ないような。。。




ニコニコして帰路へ。

 
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