山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

たま工業交流展の展示物1(ヘラ絞り)

2011-02-22 20:03:14 | 日記
たま工業交流展について、早く、個々の展示をご紹介したいと思っているのですが、いざ、まとめようとすると、なかなか難しいことがわかりました。
写真も何枚か撮ってはきたのですが、自分が興味を持った展示と写真のある展示とが必ずしも一致するわけではなく、写真がないものは、今となっては展示位置も分からず、なんという会社だったのかもわからないものがあります。だから、自分が伝えたいことを伝えきれないなあと残念です。でも、やはり何もしないよりはいいと思いますので、いくつかご紹介したいと思います。
実際には、なんと139団体、141ブースですから、まったくごく一部分のご紹介となります。

★ヘラ絞り(金属の成形・加工)



「へら絞り」って何ですか?
というおバカな質問にも、とても丁寧にわかりやすく説明してくださいました。
「へら絞り」は、ここに展示されているもののように、軸対象のものならば、何でも加工できるそうです。つまり、軸を中心に金型を回転させながら、そこに金属板などを押しつけて、形作っていく方法のようです。
小さなものから大きなものまで、さまざまな金属(ステンレス・アルミ・鉄・チタン・その他色々)の製品が作れるそうです。
熟練した技術者の腕が必要であり、造る人によって特徴があったりするそうです。
簡単そうなものでは、電灯の笠などもありました。写真の中、右のパソコンではヘラ絞りの様子の映像。その左側にある黒っぽい小さな器はチタンでできていて、チタンの加工は難易度が高いそうです。

写真、左奥の丸い傘のようなものに、さらに丸い穴がいくつもあいているものがありますが、金属に穴をあけるのに、レーザーで切った場合、突き抜けたレーザー光線が反射して別の部分に当たり、関係のないところに傷をつけてしまったりする場合があるそうです。そういう問題点を解決して、きれいに切り取る技術もあるとのことです。

へらしぼり」(wikipedia)

この展示の会社「(株)ナガセ

(展示会資料のPR欄より、一部抜粋:
ロケット製品から鍋まで造る職人が光る「ヘラ絞り」のリーディングカンパニー。
機械では決して作り得ない匠の技。
創業して以来一貫して「ヘラ絞り」技術を磨き、不可能を可能にしている。
JIS認定の溶接作業員が6名おり、根底である手技術に加えNCソフト、機械技術を積極的に取り入れ、更なる技術水準の向上を図っている。)

ところで、展示のパソコンの中の映像を見て、ふと思い出したのが、以前テレビで放送された「遠回りの雨」という山田太一ドラマです。

ドラマの映像がのっているものを発見しました。「遠回りの雨

このドラマの舞台となっている蒲田の小さな工場もこの「へら絞り」という方法で製品を作っている工場ではないでしょうか。映像の中のトラックに「○○シボリ」と書いてありますね。
ドラマの内容
この工場(秋川精機)の経営者(岸谷五郎)は、高度な技術を持っているのですが、脳卒中で急に倒れてしまい、せっかく依頼された精密な金属製品(風力発電の風車のプロペラの金型作り)に取り組めなくなってしまいます。工場には若者もいますが、この人に代われる腕の社員はいなくて、その妻(夏川結衣)が、以前勤めていた熟練技術のある草平(渡辺謙)に協力を求めに行くという展開です。渡辺謙と夏川結衣は以前恋人であり、この2人の想いや行動もドラマの主流となって描かれていくのですが、同時に金型製作への取り組みが描かれます。ドラマの場面で、工員や渡辺謙が「へら絞り加工」にとりくむ姿が有りました。期限が迫る中、草平(渡辺謙)の熟練技術をもってしてもなかなか思う製品が完成せず、結局は、同時進行で取り組んでいた若手社員のコンピューターを駆使しての方法が成功し、目的物を完成させたという内容でした。
年齢を経て行く男女、コンピューターに負けた技術、という哀愁を残したドラマだったけど、中年登場人物に対して「達成できなかったとはいえ、頑張ったんだ」という納得があったように思います。

現実には今もなお、手の技はコンピューターに負けず、貴重なものだと思います。機械ではできないもの、熟練した人の技術によってしか作ることのできないものがたくさんあるでしょう。しかし、人の手の技のみに固執してもいけないし、機械技術と人間技術をミックスして、いい製品が作れるんだと思いました。
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