股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

アーヤと魔女

2021年12月04日 13時37分06秒 | 映画評論ア行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2021年8月27日
監督:宮崎吾朗
出演:平澤宏々路,寺島しのぶ,豊川悦司,濱田岳
『劇場版 アーヤと魔女』公式サイト

思いのままにできる子供の家で生活していた身寄りのない少女アーヤ。ある日、ベラ・ヤーガという青髪の女とマンドレークという名の怪しい雰囲気の長身男が現れ、アーヤは彼らの家に引き取られる。家に迎えたのは魔女である自分の助手にしたかったからと語るベラ・ヤーガに対し、アーヤは魔法を教えてもらうことを条件に助手として働き始めるが、一向に魔法を教えてもらえず怒りを覚える。そんな中、彼女は魔法の秘密を知る黒猫トーマスと出会う。
イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説を原作にしたスタジオジブリの3DCGアニメ。身寄りのない少女アーヤが、魔法を教えてもらうことを条件に魔女の助手になる。監督は『コクリコ坂から』などの宮崎吾朗。アーヤのボイスキャストを平澤宏々路、魔女を寺島しのぶ、同居人を豊川悦司、使い魔の黒猫を濱田岳が担当する。企画は同じジョーンズ原作の映画『ハウルの動く城』などの宮崎駿。

先月、三鷹にあるジブリ美術館に行ったばかりだったので本作を楽しみにしてました。
スタジオジブリ初の3DCGによる作品。孤児院で育った少女アーヤが、魔法を教えてもらうことを条件に怪しげな雰囲気の男女の家で住む話。昨年NHKで放送されたものを新たに編集したスタジオジブリ作品です。ジブリ作品なのだけど、ジブリ感が全くない。そもそも3DCGアニメにした時点で違和感があるのです。劇中の音楽は良いとしても、魔女がバンドやってましたっていうのは謎。そして少女アーヤが可愛くないのが致命的なのです。良い顔をして大人たちを欺いて自分の思い通りにしようとする性格が最後まで引っかかりました。
アーヤと母親との物語や、魔女界の話も無い。家の中の出来事しか描かれていないので盛り上がりに欠けるし、中途半端なところでエンドロール…そこが一番気になるのに!!
あんなに仲が悪かったアーヤとおばさんが、後半急に仲良くなったのが不思議でした。知りたいところが描かれていないので消化不良。子供向けに見えるが、虐待シーンもあるので子供には見せられないジブリ作品でした。エンドロールの絵コンテが素敵。やっぱりジブリは2Dがいいんだよ!!

この作品の評価・・・・★★★★☆☆☆☆☆☆(満点は★10)
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SEOBOK/ソボク

2021年12月03日 11時01分18秒 | 映画評論サ行

製作年:2021年
製作国:韓国
日本公開:2021年7月16日
監督:イ・ヨンジュ
出演:コン・ユ,パク・ボゴム,チョ・ウジン,チャン・ヨンナム
映画『SEOBOK/ソボク』オフィシャルサイト

余命宣告を受け死の恐怖と向き合う元情報局員ギホン(コン・ユ)は、国の極秘プロジェクトによって誕生した人類初のクローン「ソボク」(パク・ボゴム)を護衛する任務に就く。謎の組織から襲撃され、危険な状況を切り抜けていくうちに、二人は少しずつ心を通わせ始める。しかし、人類の救いにも災いにもなり得るソボクを奪おうと、組織の追跡は激しさを増していく。
謎の組織から狙われるクローンと、彼を護衛する元情報局員の運命を描いたSFサスペンス。何者かに襲撃され危機をくぐり抜けていく中、死ぬことのないクローンと、死から逃れられない男との間に奇妙な絆が芽生える。メガホンを取ったのは『建築学概論』などのイ・ヨンジュ。元情報局員を『サスペクト 哀しき容疑者』『新感染 ファイナル・エクスプレス』などのコン・ユ、クローンをドラマ「ボーイフレンド」「青春の記録」などのパク・ボゴムが演じる。

不老不死のクローンの少年と、彼の護衛する余命宣告を受けた男の運命を描いた本作。“永遠の命と限られた命”、“クローンと人間”…どちらが幸せなのか。本当の幸せとは何なのか。SFアクション映画ではあるけれど、ギホンとソボクが心を通わせていく展開は人間ドラマでした。生きてきた道は違えど、互いに孤独を抱え、自分が何故生きているのかも分からない。過去を後悔しているギホンと、未来を悲観しているソボク。2人の姿を見ていると切なく苦しくなりました。そして人はいつか死ぬから、毎日を大切に生きようと思いました。
ソボクが特殊能力を使うシーンでのVFXやCGは見応えがありました。ソボクと母親の関係性やこれまでの生活と、不老不死の定義をもっと詳細に描いてくれたら感情移入や感動が出来たかなと思います。中盤のギホンとソボクの交流も中だるみを感じてしまった。もう少し話に新鮮味があれば良かったかもしれない。
内容は以前観た「The Witch/魔女」とちょっと似ている。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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グリーンランド -地球最後の2日間-

2021年12月02日 16時55分44秒 | 映画評論カ行

製作年:2020年
製作国:アメリカ,イギリス
日本公開:2021年6月4日
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー,モリーナ・バッカリン,デヴィッド・デンマン
映画『グリーンランド ―地球最後の2日間―』

突然出現したすい星の破片がいん石となって地球に衝突し、さらに地球を壊滅させるほどの巨大いん石が48時間以内に衝突することが判明する。世界崩壊の危機が迫り政府に選ばれた人々の避難が始まり、建築技師のジョン・ギャリティ(ジェラルド・バトラー)は妻子と共に空港に駆けつけるが、息子(ロジャー・デイル・フロイド)の持病により輸送機への搭乗を拒まれてしまう。パニックに陥った人々が暴徒と化す中、生き延びるすべを探す一家は、極限状況であらわになる人間の闇に直面する。
巨大いん石衝突による人類滅亡の危機に見舞われた世界を描くディザスタームービー。終末へのタイムリミットが迫り混乱が広がっていく中、生き残る方法を模索する一家を映し出す。主人公を『ジオストーム』などのジェラルド・バトラー、彼の妻をドラマシリーズ「HOMELAND」などのモリーナ・バッカリンが演じるほか、ロジャー・デイル・フロイド、スコット・グレンらが共演。『エンド・オブ・ステイツ』に続きジェラルドと組んだリック・ローマン・ウォーがメガホンを取った。

巨大隕石の地球衝突により人類滅亡の危機に見舞われる世界を描いたパニックディザスター作品。彗星の破片が隕石となって地球に降り注ぐ。最初は「地球に被害はありません」とニュースでも言っていたが、あっという間に衝突への残り48時間のカウントダウンが始まるのです。この手の人類滅亡のパニック作品は今までもたくさんあり、使い古されたテーマではあるけれど、やっぱり何度観てもドキドキしてしまう。CGを駆使した迫力ある映像の連続で楽しめました。隕石を止めるためのブルース・ウィリスのようなヒーローたちは登場しません。政府やNASAも登場せず、一般市民の視点でずっと描かれています。主人公の一家はシェルターへと向かうが、次々と問題が起きます。こんなにも立て続けに危機的状況にぶち当たり、家族も離れ離れになったら、自分だったらパニックになってしまいそう。隕石の衝突も恐ろしいが、それ以上に緊急事態の中で“困っている人を助けたい”という気持ちや、“他人を犠牲にしてまでも自分だけは助かりたい”という気持ち。人間のリアルな善と悪の部分が伝わってきました。まぁ主人公一家のせいで飛行機が大変なことになってしまったのは見なかったことにしましょう(笑)
命の選別とは残酷だ。人類滅亡の危機的状況になった時に、自分ならどう行動するだろうか…

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ディア・エヴァン・ハンセン

2021年12月01日 16時49分53秒 | 映画評論タ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年11月26日
監督:スティーヴン・チョボスキー
出演:ベン・プラット,ジュリアン・ムーア,ケイトリン・デヴァー,エイミー・アダムス
映画『ディア・エヴァン・ハンセン』| 大ヒット上映中

家でも学校でも居場所のない高校生エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は、ある日自分宛てに書いた手紙を同級生のコナーに持ち去られる。その後コナーは自殺し、手紙を見つけた彼の両親は、文面から息子とエヴァンが友人だったと勘違いする。彼の家族をこれ以上悲しませたくない一心で、思わずエヴァンはコナーと親友だったとうそをつく。彼らに聞かれるままに語ったありもしないコナーとの思い出は、人々を感動させSNSを通じて世界中に広がっていく。
トニー賞でミュージカル作品賞を含む6冠を獲得したブロードウェイミュージカルを映画化。どこにも居場所のない孤独な少年の人生が、とっさについたうそをきっかけに一変する。『ワンダー 君は太陽』などのスティーヴン・チョボスキーが監督を担当。主人公を舞台版に続きベン・プラットが演じ、『メッセージ』などのエイミー・アダムス、オスカー女優ジュリアン・ムーア、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』などのケイトリン・デヴァーらが共演する。

トニー賞を獲得したブロードウェイミュージカルを映画化した本作。舞台版と同じく、ベン・プラットが主人公のエヴァン・ハンセンを演じている。どこにも居場所の無い少年が、自分宛てに書いた手紙によって日常が一変していくお話。ミュージカル映画ではあるけれど全然華やかな内容ではなく、地味な話。だけど誰もが感じる“孤独”や“生きる意味”というものを改めて考えさせられる映画でした。
エヴァンがとっさについてしまった嘘。嘘は時に人の心を癒すが、人の心を傷付けてしまう。エヴァンの嘘はどんどん周囲に広がっていき、多くの人に勇気と希望を与えていく。もちろん嘘は良くないけれど、エヴァンが成長するにはその嘘が必要だったのかもしれない。信用を取り戻すことは容易ではないけれど、理解してくれる人は必ずいる。
コナーが抱えていた苦しみも、エヴァンが抱えている孤独も、全てを理解することは無理だけど、生きていると、相手と自分を比べたり、自分の欠点ばかり探してしまう気持ちはよく分かります。明るく振舞っている人でも、友達がたくさんいる人でも、心の中では誰にも言えない闇を抱えているかもしれない。死にたいほど苦しんでいるかもしれない。“あなたは独りぼっちじゃない”ということを伝えたいのだろうけど観客はエヴァンの気持ちを常に分かっている状態なので、観ていてとても辛かったです。そしてコナーが何故死を選んでしまったのかが最後まで気になりました。SNSやネット社会、学校、家庭…自分の居場所を見つけることって難しいけど、自分のペースでゆっくり探せばいいのかもしれない。理想的な人生よりも、身の丈に合った人生の方が幸せになれるのだろう。
少し話が長く感じてしまったのと、嘘を自白してからの家族への批判に「なんで?」と思ってしまいました。もっと感動できるかなと思ってましたが惜しい。劇中の楽曲はどれも素晴らしく、久しぶりにサントラが欲しいと思いました。コロナ禍だからこそ、そして10代の若者こそ観るべき映画かもしれません。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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