股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

さがす

2021年12月24日 02時16分26秒 | 映画評論サ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2022年1月21日
監督:片山慎三
出演:佐藤二朗,伊東蒼,清水尋也,森田望智,石井正太朗
映画『さがす』公式サイト

原田智(佐藤二朗)は、中学生の娘・楓(伊東蒼)と大阪の下町で暮らしていた。ある日、彼は娘の楓に指名手配中の連続殺人犯を目撃したと告げ、その翌朝突然姿を消す。警察は本腰を入れて捜索してくれず、楓は自分の力で父を捜して歩く。ようやく日雇い現場に父親の名前を発見して訪ねて行くと、そこには全くの別人の若い男性がいた。
『岬の兄妹』などの片山慎三が監督と脚本を手掛けたドラマ。一人残された娘が、突然行方をくらませた父親を探し始める。『マメシバ』シリーズなどの佐藤二朗が父親、『湯を沸かすほどの熱い愛』などの伊東蒼が娘を演じ、『東京リベンジャーズ』などの清水尋也、ドラマシリーズ「全裸監督」などの森田望智らが共演する。第26回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門に出品された。

完成披露試写会にて。イベントは終始、佐藤二朗ワールド全開で楽しかった!娘役の伊東蒼ちゃんは小柄で可愛くて、そして演技力が素晴らしい!今年観た「空白」では心の中に闇を抱えた万引き少女を見事に演じていましたし、本作も観客が自然と引き込まれていくような独特の存在感がありました。監督や佐藤二朗が言う通り、あの歳であの演技が出来るのは天才かも。今後は杉咲花のような多方面で活躍しそうな女優さんになりそうで楽しみです。
連続殺人犯役の清水尋也くんは、まぁビックリ、スタイル良い(笑)顔小さっ(笑)そして演技上手い!ムクドリ役の森田望智さんは「全裸監督」で一躍有名になりましたが、生で見たら凄い美人でした!さて、イベントについての話はここまでにしまして。
では本題へ。失踪した父親を捜す娘が、日雇い現場で父親の名前を発見したが、そこにいたのは全く別人の若い男だった…。予告編やチラシを見たかんじだと、ミステリー?サスペンス?なのかなと思っていましたが、実際は全く違う内容でした。良い意味で裏切られた。
この映画のテーマは“死”。普段生きていると“死”について執着して考えることは無い。しかしこの映画に出てくる登場人物たちは皆が“死”について常に異常な執着心を持っている。生きたくても生きられない。死にたくても死ねない。ならば誰かに殺してほしい。誰かを殺さないといけない。社会がそんな風に成り立っているのか思うと、なんとも言えない感情がこみ上げてきました。ここ最近の芸能人の自殺であったり、座間9人殺害事件であったり、映画を観ていて色んなことを思い出しました。死を肯定するわけじゃないけど、幸せそうな人も、恵まれている人も、実は死にたいと思っているのかもしれないと思うと、これは誰にでも起こりえる出来事なのだと。タイトルの「さがす」の意味は娘が父親を捜すというだけでなく“生きる意味”“死ぬ意味”を捜すという意味も込められているのではないかと感じました。前半は展開が分かりづらい部分があるものの、後半で伏線が見事に回収されて、点と点が線で結びつく流れは素晴らしかったです。ピンポン玉が転がる音があれほど胸をざわつかせるとは思わなかった…

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
コメント
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