股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ディア・エヴァン・ハンセン

2021年12月01日 16時49分53秒 | 映画評論タ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年11月26日
監督:スティーヴン・チョボスキー
出演:ベン・プラット,ジュリアン・ムーア,ケイトリン・デヴァー,エイミー・アダムス
映画『ディア・エヴァン・ハンセン』| 大ヒット上映中

家でも学校でも居場所のない高校生エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は、ある日自分宛てに書いた手紙を同級生のコナーに持ち去られる。その後コナーは自殺し、手紙を見つけた彼の両親は、文面から息子とエヴァンが友人だったと勘違いする。彼の家族をこれ以上悲しませたくない一心で、思わずエヴァンはコナーと親友だったとうそをつく。彼らに聞かれるままに語ったありもしないコナーとの思い出は、人々を感動させSNSを通じて世界中に広がっていく。
トニー賞でミュージカル作品賞を含む6冠を獲得したブロードウェイミュージカルを映画化。どこにも居場所のない孤独な少年の人生が、とっさについたうそをきっかけに一変する。『ワンダー 君は太陽』などのスティーヴン・チョボスキーが監督を担当。主人公を舞台版に続きベン・プラットが演じ、『メッセージ』などのエイミー・アダムス、オスカー女優ジュリアン・ムーア、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』などのケイトリン・デヴァーらが共演する。

トニー賞を獲得したブロードウェイミュージカルを映画化した本作。舞台版と同じく、ベン・プラットが主人公のエヴァン・ハンセンを演じている。どこにも居場所の無い少年が、自分宛てに書いた手紙によって日常が一変していくお話。ミュージカル映画ではあるけれど全然華やかな内容ではなく、地味な話。だけど誰もが感じる“孤独”や“生きる意味”というものを改めて考えさせられる映画でした。
エヴァンがとっさについてしまった嘘。嘘は時に人の心を癒すが、人の心を傷付けてしまう。エヴァンの嘘はどんどん周囲に広がっていき、多くの人に勇気と希望を与えていく。もちろん嘘は良くないけれど、エヴァンが成長するにはその嘘が必要だったのかもしれない。信用を取り戻すことは容易ではないけれど、理解してくれる人は必ずいる。
コナーが抱えていた苦しみも、エヴァンが抱えている孤独も、全てを理解することは無理だけど、生きていると、相手と自分を比べたり、自分の欠点ばかり探してしまう気持ちはよく分かります。明るく振舞っている人でも、友達がたくさんいる人でも、心の中では誰にも言えない闇を抱えているかもしれない。死にたいほど苦しんでいるかもしれない。“あなたは独りぼっちじゃない”ということを伝えたいのだろうけど観客はエヴァンの気持ちを常に分かっている状態なので、観ていてとても辛かったです。そしてコナーが何故死を選んでしまったのかが最後まで気になりました。SNSやネット社会、学校、家庭…自分の居場所を見つけることって難しいけど、自分のペースでゆっくり探せばいいのかもしれない。理想的な人生よりも、身の丈に合った人生の方が幸せになれるのだろう。
少し話が長く感じてしまったのと、嘘を自白してからの家族への批判に「なんで?」と思ってしまいました。もっと感動できるかなと思ってましたが惜しい。劇中の楽曲はどれも素晴らしく、久しぶりにサントラが欲しいと思いました。コロナ禍だからこそ、そして10代の若者こそ観るべき映画かもしれません。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
コメント
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