製作年:2019年
製作国:イギリス/フランス/ベルギー
日本公開:2019年12月13日
監督:ケン・ローチ
出演:クリス・ヒッチェン,デビー・ハニーウッド,リス・ストーン,ケイティ・プロクター
映画『家族を想うとき』公式サイト
マイホームを持ちたいと考えている父のリッキーは、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立する。母のアビーは、介護士として働いていた。夫婦は家族の幸せのために働く一方で子供たちと一緒に居る時間は少なくなり、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンはさみしさを募らせていた。ある日、リッキーが事件に巻き込まれる。
『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』などのケン・ローチ監督が、働き方の変化と時代に振り回される家族の姿を描いたヒューマンドラマ。イギリスのニューカッスルを舞台に、懸命に生きる家族の絆を映し出す。クリス・ヒッチェン、デビー・ハニーウッド、リス・ストーンらが出演する。脚本は『天使の分け前』『エリックを探して』などローチ監督作を担当してきたポール・ラヴァティ。
社会の辛い苦しい現実に振り回される1組の家族を描いた本作。仕事を優先するべきか、家庭を優先するべきか…。マイホームを持つという夢がある父リッキーを母アビーは死に物狂いで仕事をしている。そのせいか子供たちは寂しさのあまり両親が見ていないところで非行に走ってしまう。格差社会の現代を痛烈に描いていて、観ているこちらまでも辛い気持ちになってしまいました。家庭が崩壊していく過程がリアル過ぎて、どれだけ積み上げたものでも崩れる時は一瞬なんだなと感じました。幸せになりたい、平和な家庭を作りたいと思う気持ちは皆同じ。だからこそ幸せになるために努力をする。リッキーは本当に家族のために一生懸命働いていると思います。けれど少しのすれ違いや勘違いが、溝を深めてしまう。リッキーの気持ちも分かるし、アビーの気持ちも分かる、セブの気持ちも分かる。素直なライザちゃんの気持ちも分かる。みんな伝えたいことを伝えようとしているのに何でこんなに上手くいかないのかなぁ…。こんな家族を見ると、いま自分が家族といられることって凄く幸せなことなのだと改めて考えさせられます。最後は何でもいいから救いがほしかった。あんな終わり方は悲しすぎるでしょ…でもこれこそがリアルなのかな。良い意味でもう一度は観たくない映画でした。
この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)