股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

万引き家族

2018年06月15日 10時02分21秒 | 映画評論マ行
製作年:2018年
製作国:日本
日本公開:2018年6月8日
監督:是枝裕和
出演:リリー・フランキー,安藤サクラ,松岡茉優,城桧吏,佐々木みゆ,樹木希林
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治と息子の祥太は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅりを見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀を含めた一家は、初枝の年金を頼りに生活していたが……。
『誰も知らない』『そして父になる』などの是枝裕和監督による人間ドラマ。親の年金を不正に受給していた家族が逮捕された事件に着想を得たという物語が展開する。キャストには是枝監督と何度も組んできたリリー・フランキー、樹木希林をはじめ、『百円の恋』などの安藤サクラ、『勝手にふるえてろ』などの松岡茉優、オーディションで選出された子役の城桧吏、佐々木みゆらが名を連ねる。

親の死亡届を出さずに年金を不正に貰い続けていたある家族の実際にあった事件をもとに、是枝監督が原案・脚本・監督を務めた。第71回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを獲得した本作。日本人監督作品としては1997年の今村昌平監督「うなぎ」以来21年ぶりの快挙。
万引きで生計を立てていた家族。ある日、虐待されている子供を見つけて家に連れて帰ってしまったことから物語は始まります。先日、目黒区で起きた5歳の女の子の虐待死事件があったばかりで、その事件を思い出してしまいました。まるでノンフィクションの作品を観ているかのような気持ち。都会の片隅できっとこんな家族が実際にいるかもしれない。貧困の中で必死で家族の形を作ろうとする彼らの姿は、今の日本社会に警告を出しているのかもしれない。貧乏でも、偽物でも、幸せのカタチは人それぞれなのだと。子供は親を選べないのだから。
祥太が捕まることで家族は崩壊していきます。祥太が「わざと捕まった」と治に伝えます。万引きをすることが悪いことだと祥太は気付いていた。でももし捕まってしまったら家族がバラバラになってしまう。幼い子供がここまで苦しみ、そして出した答えに切なくなりました。ゆりには犯罪者になってほしくない。血のつながらない妹への、せめてもの優しさだったのかもしれません。ゆいは実の親の元に帰されてしまいます。ラストでのゆいの表情は、まるで家族と離れ離れになってしまった悲しい表情でした。
この家族には最初からハッピーエンドが訪れないと決まっていたのかもしれない。だけど偽りだったとしても愛に溢れた最高の家族だったと思います。観終わってから振り返ると、色々と考えさせられる作品でした。もちろん万引きは犯罪です。でも孤独な人たちが支えって生きていくためには犯罪に手を染めなければいけない現実。血の繋がりだけが家族じゃないのかもしれない。子供たちが安心して暮らせる社会になってほしい。是枝監督のメッセージがよく伝わってきました。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)

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