股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ロストケア

2023年08月15日 21時06分12秒 | 映画評論ヤラワ行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2023年3月24日
監督:前田哲
出演:松山ケンイチ,長澤まさみ,鈴鹿央士,坂井真紀,戸田菜穂,柄本明

映画『ロストケア』公式サイト

松山ケンイチ×長澤まさみが贈る、魂を揺さぶる衝撃の社会派エンターテインメント。

映画『ロストケア』公式サイト

 


ある民家で老人と介護士の死体が発見され、死亡した介護士と同じ訪問介護センターで働く斯波宗典(松山ケンイチ)が捜査線上に浮かぶ。彼は献身的な介護士として利用者家族からの評判も良かったが、検事の大友秀美(長澤まさみ)は斯波が勤める施設で老人の死亡率が異様に高いことに気付く。そこで何が起きているのか、真相を明らかにすべく奔走する彼女に、斯波は老人たちを殺したのではなく救ったのだと主張する。彼の言説を前に、大友は動揺する。
「凍てつく太陽」などで知られる作家・葉真中顕の日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を映画化。老人介護の現場で起きた連続殺人事件をめぐり、検事が事件の真相に迫る。『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』などの前田哲がメガホンを取り、『ストロベリーナイト』などの龍居由佳里が脚本を担当。殺人を犯した心優しい介護士を『聖の青春』などの松山ケンイチ、彼と向き合う検事を『MOTHER マザー』などの長澤まさみが演じる。

老人介護の現場で起きた殺人事件を巡るミステリー。最初から最後までかなり重い内容でした。しかし社会が抱える問題。決して他人事ではない問題。いつか誰もが直面するであろう問題。非常に考えさせられる作品でした。この映画を観たあとで、相模原の障がい者施設の殺傷事件を思い出した。
犯人が斯波だと判明している状態で物語は進んでいきます。これが殺人なのか、それとも“救い”なのか…どんな理由があろうとも人を殺していいはずがない。しかし斯波の言葉を聞くたびに、斯波が正しいのではないかと錯覚してしまうほどでした。僕も正義、あなたも正義。人が人を殺すことは殺人で、国が人を殺すことは正義?家族で世話をするのか。介護サービスに頼むのか。そしてお金が無くなり誰からの助けも無かったら…。何が家族にとって正解なのかは分からないが、今後について自分自身も考えさせられる重厚な作品でした。日本はこれから超高齢化社会へと突入していきます。「仕事を休むわけにはいかない」そう淡々と話す斯波の言葉が、何よりも今の介護業界が抱えている問題を表している。綺麗事だけじゃ何も誰も救われない。誰もが救われてほしいと思う一方で、安楽死もこの国にはいずれ必要なことかもしれないと思ってしまいました。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
コメント
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