日々徒然に

今日はどんな一日で明日はどんな日にしよう?
 今日があることを感謝。
  あしたを考える一日をつくりたいね……

桜散る後に「あたりまえ…」を思う

2018年04月08日 | Weblog

 こんにちは。
 毎日が温かくなってきました。週末は風も強く花粉症もひどいものでした。それでも、やっぱり春の温かさはうれしいものです。いまは、ハナミズキがきれいに街路地に咲いています。次から次に春をつげる草花の色やにおいが楽しい日々になってきました。プロ野球も開幕しました。今年はどこのチームが優勝するのでしょうか。今年は、プロ野球より前にロシアでのサッカーワールドカップが楽しみです。
 散歩道、ツバメが巣作りをはじめていました。

 さて、今週はますます混迷する政権の失態のニュースが多い週でした。
 「働き方改革」での厚労省のミスの多いデータ資料があり、森友問題では資料データの改ざん。そして今週は、昨年「なかった」というイラク派遣部隊の日報が見つかった問題が浮上しました。「なかったことに」したかったのに、誰がどんな目的で探したのか今後の問題でしょうか。いずれも「公文書」です。何年かあとに、歴史の一級資料として残るはずです。それが、改ざん、廃棄などという管理の問題があまりにもずさんな仕事に信用がなくなってしまいます。これが、「戦後レジームの脱却」ということなのでしょうか。
 こんないいかげんな中で、今後の歴史教育が心配です。誰かが「矜持をもって仕事をしろ」言ったところで解決できる問題ではないでしょう。根は深い。
 歴史は権力者(勝者)によって簡単に書き換えられているようでは大問題だと思います。



 もうひとつスポーツの世界でのできごと。
 レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨選手へのパワハラ行為。選手強化部長の栄和人コーチに対して告発状を出して協会で審議されていました。パワハラはあり、栄コーチは強化本部長を辞任しました。
 選手がかつためにいといとな強化練習をしなければならないのでしょう。自分のことは選手自身がいちばん知っているように、その方法は選手が一番知っていることも事実です。五輪4連覇もしたような選手ならなおさらです。それが、いつの間にかコーチも持ち物のようになってしまっていくのはなぜでしょうか。勝つも負けるも選手自身がいちばん知っていることだといえます。コーチの意見も大事ですが、選手をいちばんに考えればパワハラは余計なことです。

 京都府舞鶴市の大相撲春巡業で、土俵で挨拶中の市長が倒れた。急きょ観客のなかにいた女性看護師が土俵にあがり心臓マッサージを始めた。直後「女性は土俵からおりてください」とのアナウンス
 どこまで傲慢なんだろうと…。これが「伝統」だなんて人間味のいない伝統なんてとんでもないと思った。なぜ、こうまでも相撲協会はえらいのかあきれてしまう。
 伝統いえば歌舞伎もそうだろうが、伝統を引き継ぎつつ新しい歌舞伎に挑戦するからお客も楽しいのだろう。だから人気があるのだろう。
 
 今回のニュースを聞いて、米国の黒人差別を思い出した。何の理由かわからないがただ差別する。それが根が深いものがあるのだろうが、それを理解しようとすら思えない暴力行為を繰り返す。これは極端な話だけれども、根っこは同じようなところにあるのだと思う。その第一は、社会を支えている人々の生活基盤の危うさであったり、自分たちの主張がないがしろにされている政治だったり…とあると思う。事件の引き金になっているものがあるはず。

 スポーツは勝敗は第一だが、そこに到達すための背景をもっと大事にしてあげるべきだと思う。そして選手を支えているのはファンだあることも事実なのだから「あたりまえ」が通る団体、組織づくりが大切なことだろう。




 今週はじめ朝の通勤電車が「混むな」思ったらそれもそのはずで「新入社員の入社式」があったようです。入社式などということはこれまで経験がないのでどんな気持ちなのだろうかと思っていました。
 何らかの縁があって利害が一致したのでしょうか? きょうから会社で仕事を通して生活が始まるということです。「働く」ということはある意味では、「他人のわがままに付き合う」ということだと思います。それが、結果的には両方にとってプラスになるということなのではないのでしょうか。

 とはいえ、これまで「ブラック企業」という言葉が横行している時代です。本当に安心して生活ができる「働く」になってはいないことが日々ニュースなどで報じられています。働いてその代償として賃金を得て、日々の生活をささえていくわけです。それが、いつからか自分の生活が壊れていくとしたら、いったい仕事は人に何をもたらしてきたのだろうと思います。いちばん記憶に新しいのは大手企業「電通」に務める一流社員(一流だからか)でさえ、残業で体も心も酷使したあげに自死(24歳・過労自殺)、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設工事に従事していた現場監督の男性(当時23歳・過労死自殺)、公共放送のNHKで、選挙取材の最前線にいた31歳の記者が過労死、2015年12月に自殺した、小樽掖済(えきさい)会病院(北海道小樽市)の臨床検査技師の男性(当時34)は、直前の1カ月間の時間外労働が188時間だったという結果になったことはやりきれなくなってしまう。

 何が原因だったのでしょうか。まちがいなく「働きすぎ」ということがいえるのではないのでしょうか。お客を喜ばせるはずだったでしょう。ところが自分が不幸になってしまう、という結果は何を私たちに問いかけているのでしょうか。

 社会へ一歩踏み出す季節。それぞれの思いを胸に新しい生活が始まろうとしている4月です。
 社会へ出ていく姿を描いた小説に夏目漱石の『坊ちゃん』や島崎藤村『桜の実の熟する時』という小説があります。『坊ちゃん』では、代用教員として四国に行きます。先生と生徒、上司と部下とのなかでひと癖もある人間たちのつきあいを通して坊ちゃんが人生を語ります。『桜の実の熟する時』では、暗い大学時代を終えた捨吉青年が恋に悩む姿がありました。どちらも、仕事をもって社会へ飛び出した若者を描いた作品です。どちらにも共通していえるのは、人間という生き物がつくる社会、ひとすじなわではいかないということだろうと思います。多くの人たちとの出会いや別れ。そのなかで、いちばん理解してくれる人を探す旅でもあるようです。坊ちゃんや捨吉青年も悩みつつ自分の姿を探しているようです。(暇があったぜひ一読を)



 ちなみに私は、中途採用でした。それも知人の紹介によって採用されました。それから三十数年間の異動を繰り返して定年をむかえたのでした。だから、あらたまって「式」なることもやった記憶もありませんでした。老いて定年退職となり、町行く若者のスーツも顔もフレッシュな姿には励まされます。
 これからスタートです。ガンバレというよりは、自分の意思で後悔しないように仕事してください、と思うばかりです。ただでさえ、保身に走る、組織のことばばかり幅をきかせている世の中だからこそ思います。

 来週あたりから「働き方改革」という国会が始まりそうです。「働き方改革」とはいったい誰のための、何のために改革なのか注視していくことが大事だと思います。むかし「かいた汗がむくわれる社会」という言葉がありました。単純に、よく働いた人がちゃんと生活で来ていく社会ということです。これまでのニュースになっているように「過労死」が横行する社会の「汗のかき方」を考え直すいい機会だと思います。
 これもぜひ読んで欲しい本です。『戦争という仕事』内山節著。人は一人ではいきていけないからこそ、人間同士で大切なものをみつけ、理解することが大事だということがいわれていたと思います。憎しみ、悲しみの多い世の中にあっては、それを解決する手段は「暴力」によってすぐに解決できているような気がします。しかし、暴力では次の暴力への連鎖のスタートラインをひくことでしかないようなことを気づかされてくれる一冊です。人として自分に「あたりまえ」と決意するスタートラインを引いていきたいもにです。



【東京駅】
 中学生のころ、ここから京都に修学旅行に行った。新幹線に生まれて初めて乗った記憶がのこっている。つまらなかったのか、楽しかったのか。車内でだれかが撮ってくれたスナップが一枚だけ残っている。つめえりの学生服で椅子にすわっているところである。

 今でもその隣にいたクラスメートのことは覚えている。S君だ。名字だけで下はうろ覚えで忘れている。なぜ記憶に残っているかといえば、このS君が私の通う田舎の学校に始めてサッカーというスポーツをもちこんだ人なのだ。
 いま思えばあまりにも無鉄砲な集団だった。とりあえず、ユニホームをつくり対外試合もやったものだった。チームは勝ったおぼえがない。高校に行けば、サッカー部は正式にクラブとしてあるものの、当時の中学校では市内にはなかった。それぞれの、中学校の有志が集まって、にわか作りのチームをつくったものだった。脳裏には、土曜の夕方には東京テレビの「ダイヤモンドサッカー」という番組の選手のゴールシーンをえがいていたのだが…(英国のプレミヤリーグを食い入るようにみた記憶がある。そのなかでもジョージ・ベストとボビー・チャールトンというサッカー選手を)。

 中学生のころ修学旅行でここにきても、小旗振るガイドのねえさんの後をついてきただけである。だから、右も左もよくわかっていない気がする(今でそう変わりはないのかみしれない)。
 今まで、誰かが小旗振る方へ流れているように思える。いったいどんな旗色だったのだろうか。はるか彼方にテレビでしかしらない京都という町にむかっていただけなのだろう。東京駅は夢の一歩にむかう始発駅、終着駅にも見える。読者はいいかがでしょうか。

 東京駅を利用した松本清張の『点と線』という小説がある。いつぞや北野武さんが刑事役のリメイクされたドラマをみた記憶がある。詳細は忘れている…。もう一つ。これは私の大好きな『男はつらいよシリーズ48・寅次郎紅の花』です。後藤久美子さん演じる泉ちゃんが満男に結婚の報告をして帰る新幹線のなかで名古屋へ帰っていくシーンにもありました。これから二人はどうなるのか…、満男と泉ちゃんの心もようを映すように静かにでていく新幹線もよかった。これまで『男はつらいよ』シリーズでは東京駅は満男と泉の二人関係をより深めるために登場した駅でもあります。



 季節は入学、入社。さらには若葉。
 少し温かくなって外出も楽になってきました。もうちょっとで5月の連休をむかえます。楽しいことを考えることの方が多いようです。
 最近、私の勤める職場でも、精神的にまいってしまっている人多く見かけます。そのために「休職」という方法で治療しています。なかには、これまで、仕事であうと元気に話をしてきた青年も同じように「休職」しているのをみて信じられないような気がします。

 「いったい世の中どうなってしまったの…」と思います。それも、自分が働いていた職場からなんて信じられないほどです。
 そう考えると、私は2年ばかり出向して本社勤務にはブランクがありました。そして異動して戻ってみて第一に感じたのは「暗いなあー」という感想でした。この間、いったい何が起こってきたのか話を聞くこともなく今をむかえています。世の中パワハラ、マタハラ、セクハラ…と労働者がいじめられる言葉ばかり多くなったことは事実です。以前、産業医の講演会が社内でありましたが、結局のところ産業医は症状を判断するだけで、なおすための行動はできないようです。各職場での内容にまでは踏み込めないということなのでしょうか。

 前社長がいつも「チームワークを大事に仕事をしてください」という言葉を思い出します。それぞれの持ち場の技術も大切なのですが、それを最大限に引き出すチームワークが大事だということでしょう。そして、もっと大切なことは、いつでもすぐにチームワークの力を引き出せるコミュニケーションをということでした。そう考えると、自分の仕事は必死にやっているのですが、他に助けてもらうための準備がないように思えます。世の中「業務命令です」ということだけでは動きません。なんであれ、そのためには日々の生活がいかに語られ理解されているかということも大事な要因になるのでしょうか。

 …ということは今の職場はそれが全然ないのでしょうか。
 そんなことを考えた「桜の散った週末」でした。
 若葉のなかに少しでも新鮮さを思い出したい毎日です。私の場合は定年後の再雇用契約社員ということで、思いっきり言えないのが残念です。それでも、自分なりの「たりまえだろー」の意見はいつも持っていたいと思います。

 それでは今週はこの辺で。
 読んでくれた人、ありがとうございました。