EXILE TRIBE を中心にテレビドラマ、配信、映画などさまざまな展開を見せるプロジェクト「HiGH&LOW」の映画シリーズ。九龍グループの力によって壊滅の危機にさらされたSWORDのメンバーや雨宮兄弟らが、九龍グループとの最後の闘いに挑むさまを活写する。AKIRAやTAKAHIRO、窪田正孝、林遣都、津川雅彦、岸谷五朗、YOU、小泉今日子、飯島直子らが集結。前作に続いて久保茂昭と中茎強がメガホンを取る。
あらすじ:DOUBT、プリズンギャングとの戦闘に勝利したSWORD(山王連合会・White Rascals・鬼邪高校・RUDE BOYS・達磨一家)だったが、そこへ九龍グループが乗り込んでくる。彼らは“大人の力”によってSWORDを壊滅へと追い詰めていく。SWORD地区の無名街を爆破し、その跡地にカジノを建設しようとする九龍グループに対し、若者たちは彼らの野望を打ち砕こうと決意し……。
<感想>今までの1~2を観なかった人にも、冒頭であらすじだけでも映してくれるのが良かった。一応、児戯のごときプロットと爆発的なアクション、それがEXILE TRIBEの総出演の「HiGH&LOW THE MOVIE」シリーズの全てであったのだが。
それでなくとも、なにが何だか理解不能な、チンピラと暴走族、ヤサぐれた男たちの喧嘩上等の暴れんぶりの映画だとしか思ってない人たちもいるってことを。
しかし、初めっから全部観ていて、無限(∞)のバイク乗りたちが集まってカッコいいなぁ、何て思って、それに雨宮兄弟(TAKAHIRO、登坂広臣)のバイク乗りが参加してきて、無限の一人が車に轢かれて死んでしまう。殺されたのだが、それがヤクザの九龍グループの仕業だと知った時、まだまだ青臭い連中が、仲間のためにゲンコツで戦う流儀で、しかし、仲間だと思っていた中にも鉄パイプやナイフとか、危険極まりない道具を使って暴れ狂うバカ者たちも混ざっている。
女たちを守るためにと戦ってきたのに、大切な根城のクラブ「HEAVEN」を金の力で追い立てられるWhite Rascals。そして、鬼邪高校や、達磨一家の本拠地も壊滅状態になり、固い結束を誇る山王連合会は分裂の危機に晒され、 “無名街”には重機が入り、無残にも九龍に破壊されていく。
ここにいては家族に危険が及ぶと察知したスモーキー(窪田正孝)は、皆に逃げろと告げて、一人街に残り、敵に対峙しようとするのだが、いかんせん病魔に蝕まれた体で戦うのは、死ぬと同じ事。
ですが、HiGH&LOWのアクションというのは、うぉ~うぉ~うぉ~と雄叫びながら突進していく若さゆえの何者でもない。これは暴走族とチンピラ・グループの抗争映画である。ですが、族もチンピラも実は正々堂々と正義の不良たちなので、本当に悪いのはヤクザ集団+政府ということになる。
ヤクザグループは、チンピラと族の集団の本拠地である廃墟のスラム街を守ろうとするも、やり過ぎてしまいヤクザの手で廃墟になってしまったという。そこを地上げして、カジノ計画としてチンピラたちのネグラも全部力で取り上げてしまうという悪事を働くヤクザの九龍グループ。
2で雨宮兄弟の長男、斎藤工が命と引き換えにUSBを奪い取ったのだが、そのUSBには、九龍会と政界の繋がりを記録した「USBメモリ」のことなのだが、政府とヤクザとの癒着が関わっており、金の流れも明確に記されているものを、TVで流してしまった。それで、九龍グループの親分の津川さんが逮捕されるも、結局は金を積んでもみ消されうやむやになり釈放されてしまう。
その時に、「大人の喧嘩をみせてやろうじゃないか」と、本物の刀を振り回し、スナイパーまでも出て来て、標的にされてしまい殺されるという卑怯なやり方。2で撃たれたのは雨宮兄弟の広斗ではなく、刑事の西郷(豊原功補)だったとは知らなかった。西郷が直前で庇ってくれて広斗は大丈夫だったのだ。
それは、今回機密情報を公開したのが琥珀達だと気付いた西郷が、今までの西郷は、九龍グループと癒着し、最初の∞の龍也の死、次がノボルの事故、そして無名街に重機が入り焼け野原にされたのに、西郷は捜査は一切行わずで、前作でも九龍グループと裏で繋がっているシーンがあったのだが、実のところは内部の隠蔽工作や、カジノ建設の裏側について捜査をしていたと言うことだったのだ。
チンピラメンバーと九龍会のアクション番長こと、黒崎会若頭の九鬼源治との一騎打ちという、雨宮兄弟 VS 九鬼源治というヤクザの日本刀の刃に驚くも、互角の勝負に持ち込むのだ。雨宮兄弟による二人の頭の回転の良さで、傍にある鎖を使い刀に巻き付けて九鬼源治から刀を奪い取り、その時刀が真っ二つに折れてしまうという若さの勝利に拍手だ。
不正を隠ぺいするため、SWORD地区の“無名街”を爆破、その跡地にカジノ建設を目論んでいた九龍グループ。コブラ(岩田剛典)は一人、九龍に闘いを挑むが、逆に拉致され激しい拷問にあってしまう。そのことを知った琥珀は、コブラ救出作戦を決行するのだが、無事に助けだせるのか・・・。
SWORD地区をカジノ開発建設計画を目論んでいるヤクザと政府のやからに対して、山王連合会、White Rascals、鬼邪高校、RUDE BOYS、達磨一家のSWORDメンバーたちが、一致団結して戦おうとする。廃墟のスラム街がブルトーザーで壊され、廃墟の薬品工業地帯のビルにも爆弾があちこちに仕掛けられている。
一方では、政府側が無名街の爆破セレモニーも準備万端となり、あとは爆破を待つだけとなる。これには、公害により体が蝕まれていることを公表するためにも、公害に犯され死んでいったスモーキー(窪田正孝)のためにも、他にも被害者少女エリがいることを知らせるためにも、みんなで力を合わせて爆破セレモニー会場へと急ぐ途中で、待っていた九龍グループ。
そこ達磨一家が車を斜めに乗りながら、トラックには達磨一家の若者たちも爆薬と花火を積み込んで「俺たちに任せておけ」と言い残し、九龍グループの待つ場所へと傾れ込む。
会場では、爆破のスイッチを押すのだが爆破しない。そして、綺麗な花火が打ち上げられるのに、見ていた観客が騒然とする。
セレモニー会場には、当時の工場責任者である馬場(斉藤洋介)が証拠書類を見せて政府側の不正のことを話し、他にも被災者がたくさんいることを話すのです。これにて一見落着であり、爆破もなく、カジノ建設の計画もなくなり、九龍グループも政府側も手を引かないわけにはいかなくなった。
EXILE TRIBEの総出演だけと思って観ていたのに、雨宮兄弟の二人もカッコよくて観ていたのに、それにしても余りにも多いキャスティングのヒーローたちに驚くし、2で連帯してWhite Rascalsを助けるのも絶対にみんな団結して良かったし、最後に物語の核となるSWORDメンバーたちが、喧嘩をすることもなくなり、一致団結したことが良かった。
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