パピとママ映画のblog

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トワイライト ささらさや★★★★

2014年11月08日 | た行の映画
夫の死後、幼い子供を一人で育てることになったヒロインと、他人の体を借りて彼女を助ける亡き夫を、新垣結衣と大泉洋が初共演で演じる感動ドラマ。加納朋子の小説「ささら さや」を基に、メガホンを取るのは『神様のカルテ』『くじけないで』などの深川栄洋。中村蒼や福島リラ、石橋凌、富司純子など若手からベテランまでが脇を固める。前向きでかわいらしいヒロインとユーモラスで優しい亡き夫の奮闘に、爽やかな感動が心を突き抜ける。
あらすじ:サヤ(新垣結衣)は夫のユウタロウ(大泉洋)を突然の事故で亡くしてしまう。人に対して疑いを抱かないサヤが、一人で息子を抱えることを心配するユウタロウ。成仏できずに、いろいろな人の体に乗り移って、サヤのために手助けをすることに。のどかでどこか不思議な町ささらの人々に助けられながら、サヤは母親として成長する。

<感想>ファンタジーとミステリーが融合した、加納朋子のベストセラー小説を映画化。突然の事故で夫のユウタロウを亡くし、生後間もない息子を抱えて途方に暮れるサヤが、移り住んだ不思議な町“ささら”で、他人の身体を借りて何度も現れるユウタロウに励まされながら、たくましく生きていく姿を描き出しています。
元気いっぱいで可愛らしい等身大の女の子役が多かった新垣結衣ちゃんが、初の母親役に挑戦しています。劇中の赤ちゃんを抱き方もさまになっているが、普段ではあまり母親のイメージがないのでどうなのかと思って観てましたが、若くて可愛いママという感じが意外にハマっていましたね。

夫の大泉洋とは初共演だが、本作ではかなり変わった夫婦を演じることになっている。何しろ、落語家の彼は映画が始まってすぐに車に跳ねられて急死してしまうのだから。サヤのことが心配で、心配で成仏できない彼が、落語の師匠や富士純子演じる少しボケた老婆とか、思いがけない人物の肉体を借りて何度も甦るところが面白いですね。みんな大泉洋の口真似が上手い。

さまざまな人に乗り移って彼女の前に現れるという展開なのだが、ナレーションも大泉洋のユウタロウが、落語を話しているような語り口で進んでいくのだ。
姿形が違う他人にユウタロウが乗り移った途端、結衣ちゃんのサヤもユウタロウが傍にいて、自分のことを見守っていることが分かり、素直に認める仕草に切り替わるのが素晴らしいですよね。

それでも、言葉を話すことが出来なくなった男の子に乗り移ったユウタロウが、今まで言葉を発しなかったその男の子が、まるでユウタロウのような口のききかたをするのには驚いた。その男の子の演技も上手いのだが。母親もびっくりして、腰が抜けたような状態になる。

ユウタロウが最後に乗り移った駅員の男、その男はサヤを好きになっていてちょっとヤバイ感じだが、部屋が急に暗くなり声だけでなく本当にユウタロウの姿に戻ってサヤを抱いてくれる。みな乗り移るとその後身体から出て来る時には、何故だか全員の体が痒くなり、そのままユウタロウが離脱するという展開。

そして、ユウタロウの父親が出て来て、昔、父親は炭鉱で働きあまり家に帰らなかった。だから幼い頃のユウタロウには、あまり父親の思い出が無いのだ。一度だけ寄席に落語を聞きに連れって行ってもらい、その時父親の笑う顔を見て大きくなったら落語家になろうと決めたようだ。母親が病気で亡くなった時にも顔も見せない父親に、怒りを覚えその時から父親と絶縁状態だったのだ。だが、ユウタロウの葬式にも来ていたし、落語だって寄席に来ていたのだ。
ラストの方で、その父親が現れてサヤに自分が子供を育てるからと言って、ユウスケを抱いて連れて行ってしまう。驚いたサヤが後を追い掛けたが、赤ん坊が途中で高熱を出して病院へ連れて行く父親。急いで駆け付けるサヤが、「私の大事なユウスケを奪わないで下さい」と涙ながらに訴えるのだ。父親には、まるでヤクザの親分のような感じがした石橋凌が演じていた。

クライマックスでは、ユウタロウが乗り移る人が無くなり最後に乗り移ったのが、なんと赤ん坊のユウスケなのである。本当は、赤ん坊のユウスケに乗り移りサヤに抱いて貰いたかったのだろう。それに、父親にも抱いて欲しかったのだと思いますね。二人の絶妙な掛け合いが笑いと涙を誘います。
俊英、深川栄洋監督のミニチュアの模型をところどころに使った、現実からちょっぴり隔絶した世界観が新鮮です。富司純子、小松政夫、中村蒼らがユウタロウに乗り移られた人々を軽妙に演じている。その他波乃久里子、藤田弓子、つるの剛士など脇役の方たちも良かったです。
さらには、ユウタロウが蘇った本当の理由が明かされるラストでは、もう涙が止まらなくて、笑い涙で終わる感動のフィナーレになっております。
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