パピとママ映画のblog

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胸騒ぎのシチリア★★★・5

2016年12月22日 | アクション映画ーマ行
1968年のフランス映画「太陽が知っている」をティルダ・スウィントン、レイフ・ファインズ、ダコタ・ジョンソン、マティアス・スーナールツの共演でリメイクしたミステリー。恋人とシチリアの孤島にバカンスやってきた人気歌手の前にかつての恋人が娘を連れて現われ、やがて愛憎渦巻く人間模様が思いも寄らぬ事件を引き起こすさま描く。監督はミラノ、愛に生きるのルカ・グァダニーノ。
あらすじ:声帯の手術を受けた世界的なロックスターのマリアンは、静養のため年下の恋人ポールを連れてシチリアのパンテッレリーア島へバカンスにやって来る。2人で静かに過ごそうとしていたマリアンだったが、元彼でカリスマ音楽プロデューサーのハリーがセクシーな娘ペンを伴い、強引に押しかけてくる。エネルギッシュに歌い踊り、ひたすら騒々しいハリーにすっかりペースを乱されるマリアン。そんなハリーの狙いはマリアンとの復縁だった。一方、どこか掴み所のないペンも、好奇心の赴くままにポールへと接近していくが…。

<感想>アラン・ドロンの「太陽が知っている」は観ていませんが、今回の主役はロック歌手のマリアン。演じているのがティルダ・スウィントンという、監督がルカ・グァダニーノであり、「ミラノ、愛に生きる」でもティルダを主役で使ってたのでお気に入りなのでしょう。まぁ年齢はいっても美しくて貫禄があるので、イタリアの風景にマッチしていて良かった。

しかし、恋人のポールを演じたマティアス・スーナールツの素性が描かれていないし、どこか影のある精神を病んでいる男という設定なので、珍しく抑えた演技でした。最近メキメキと作品に恵まれているマティアスのリリーのすべてフランス組曲」 ヴェルサイユの宮廷師」など、とてもいい演技をしています。
それに、元恋人のレイフ・ファインズが、これまた歳に似合わず煩いくらいにマリアンに付き纏い、復縁を迫る男を演じているも、これもちょっとキャスティングミスかと思いましたね。

声帯手術をしたマリアンは、口がきけない状態だし、一緒にいる若い恋人ポールも物静かな感じの男であり、だからなのか、正反対にバカ騒ぎをするのがレイフ・ファインズになっている。まるで若者に好きな女を寝取られたと言わんばかりにはしゃいで、隙があればマリアンと元のサヤに戻ろうなんて魂胆が見え隠れするのだ。

元彼が連れて来る若い娘に、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」で悩ましい裸体を披露したダコタ・ジョンソン。17歳という設定だが、さすがにこういう役はお手ものになったらしく、ポールを惹きつけるように裸になるシーンもある。

それに、父親といっているハリーに対しても、何だか近親相姦の間柄のような危険な雰囲気を醸し出しているのもいい。

ところどころに、若き日にハリーとマリアンがロックの遠征でステージに立っている様子が出ているも、それはきっと“ザ・ローリング・ストーンズ”のコンサート風景だと思う。ハリーが、マリアンと復縁したくて強引に割り込んで来るのだが、マリアンはそれに対して拒否することもなく受け入れてしまうのも何だかなぁ~と。

結局はハリーが夜中に酔っぱらって、プールでポールに絡んで喧嘩になり、乱闘騒ぎになるも、ハリーをプールに沈めてしまうという。それが、大騒ぎとなり警察も来て、容疑者としてポールも疑われるも、ズサンな警察の捜査には呆れかえります。もしかして、ポールが殺人犯として逮捕されるなら、弁護士を付けてもと考えていたマリアン。

この島には移民が入り込んで不法滞在をしているという警察。もしかして、夜中にプールで酒を飲んでいるハリーが、移民とトラブルになり殺されてしまったというマリアンが言うのだ。警察もマリアンの大ファンであり、サイン欲しさにパトカーで追いかけて来て、ハラハラさせる場面もあるも、事件がうやむやになってしまうということに。
ロケ地が、世界遺産にも登録されているシチリアのパンテッレリーア島を舞台に、泥浴が楽しめる“ヴィーナスの鏡”と呼ばれる湖なども物語の中に含まれている。それに、強烈な太陽と、ザ・ローリング・ストーンズの音楽がふんだんに流れていて、嫉妬と快楽が交錯していく展開がスリリングで良かった。
そして、スタイルのいい、ティルダ・スウィントンが着ている、ディオールのリゾートファッションが美しいく映えており、ゴージャスなサスペンス映画になっている。

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