パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ピース オブ ケイク★★★.5

2015年09月08日 | アクション映画ーハ行
映像化もされた「恋文日和」「平凡ポンチ」などで知られ、女性たちの熱い支持を集めるジョージ朝倉の人気漫画を実写映画化。個性派俳優としても活躍する田口トモロヲがメガホンを取り、脚本は『色即ぜねれいしょん』でも田口監督とタッグを組んだ向井康介が手掛ける。恋愛に依存し流されるままに男性と付き合ってしまうダメ女の主人公に、『君に届け』などの多部未華子。彼女と恋人との間で揺れ動く年上の男性を、『シャニダールの花』『そこのみにて光輝く』などの綾野剛が演じる。
あらすじ:一人きりよりはいいという安易な理由で男性と付き合ってきた梅宮志乃(多部未華子)は、アルバイト仲間との浮気が発覚しDV体質の恋人からフラれ、バイト先から去ることに。状況を変えるべく引っ越した先で出会った隣に住む人は、新しい職場の店長・菅原京志郎(綾野剛)だった。京志郎に強く惹(ひ)かれる志乃だったが、彼には一緒に住んでいる恋人がいて……。

<感想>現代女性の悩める恋模様や、仕事に対するリアルな心情を描き、20代~30代の女性を中心に熱烈な支持を得た同名人気コミックを、多部未華子と綾野剛のW主演で映画化。

特に、一見チャラいが正反対な二人の女性の間で揺れ動く京志郎を、綾野剛が軽やかに演じておりニヤニヤさせるシーンも多くあります。そして、志乃の学生時代からの親友で、オネエの天ちゃんを演じる松坂桃李に、志乃にちょっかいを出してくるバイト仲間の菅田将暉、さらに柄本佑、中村倫也ら人気若手俳優が勢ぞろい。脚本家の宮藤官九郎も友情出演している。

監督は『色即ぜねれいしょん』以来6年ぶりのメガホンをとった俳優の田口トモロヲ。
恋も仕事も流されるままに生きてきたヒロインの志乃は、隣人でバイト先のレンタルショップの店長である京志郎と恋に落ちるが、京志郎の心には突然姿を消した元カノの存在があった。
住んでいるアパートも同じで部屋は隣なんて、なんてラッキーな彼女なの、って思っていたら、店長には同棲中の彼女・あかりがいたのだ。

そのあかりさん、小さな庭で家庭菜園をしていて、料理も上手そうだし、ルックスもスタイルも抜群なんです。だから、志乃が店長に「好きです」と告白しても、「僕はあかりのこと愛しているので別れる気はない」とあっさり断られてしまう。
ですが、その彼女のあかりが部屋を出て行ったというのだ。これはいったい、店長とあかりさんが喧嘩して別れたのか?・・・と言うわけでもなさそうです。

で、店長はつい、寂しさのあまりに志乃の誘惑に負けて、関係を持ってしまうんです。毎日一緒にバイト先から帰り、一緒にご飯を食べる。それで、土鍋を借りにお隣の部屋へ行った志乃は、もう部屋のベッドやカーテンなんかあかりさん色に染まっているのを見せつけられます。
ところが、ある日突然にあかりさんが帰って来ているんですよ。店長はもちろん心の中では喜んでいるのでしょう。そわそわしながらも、部屋を覗いたりして。そんな店長のことを「信じたい、でももしかして元どうりになる」と、そんな恋愛ベタな志乃の迷いが、二人の間に亀裂を生んでしまう。初共演を果たした多部未華子と綾野剛が、甘く切ない、そしてどこか滑稽で微笑ましい恋愛ドラマを体現しているのだ。

忘れるようにと、熱海旅行へ誘う店長。ルンルン気分で懐かしい秘宝館なんて見物したり、婚前旅行気分を満喫といいたいところ。それが、一人で部屋にいた志乃が、見てはいけないもの、彼のケータイの着信を見てしまい、そこへ電話を掛けるとあかりさんが出たのだ。
もう憤然と怒り爆発した志乃は、我を忘れて男風呂へと乗り込んで行く。慌てる店長の可笑しさには笑えるし。折角の温泉旅行も二人には嫌な思い出になってしまう。それで、お互い気まずくなり別れることに。

それに、志乃も劇団の衣装を作る仕事を引き受け、演出家の部屋へイソウロウするのだ。だから、演出家の千葉ちゃんに誤解を生じたようで、「好きだ志乃ちゃんのこと」なんて告白されたり、それに、店長の悪口を聞いてくれるレンタルビデオ店の男・菅田将暉に愚痴って寝てしまう志乃のだらしなさなど。

恋愛ものかと観る前から構えてしまうが、それが観ているうちに次第に引き込まれた。物語としては各別新鮮味があるわけではないが、多部未華子演じるヒロインにしても、目の前に好きな男が現れて夢中になってしまうところ。若いっていいよね、こういう女性って結構いるのよね。後で結婚相手には不向きだと気づいて、心も身体もぼろぼろになってしまう。

それに志乃ちゃんは、言い寄る男に対して無邪気に受け入れてしまいそうに見えるのはどうかと思う。それが、綾野剛扮する男を一方的に好きになり、彼には同棲相手がいると知ったことから、自身のありように目覚めていく志乃なんだけど、女としての成長ぶりを鮮やかに浮かび上がらせたところがいい感じでした。
それにしても、店長の元カノあかりさんが、ペンネーム渋谷ナオミという小説家になって芥川賞を受賞するなんてご立派としかいいようがない。その小説の内容に、志乃が好きになった京志郎がモデルで出て来て、小説のタイトルが「かりそめのフラワー」なんて出来すぎな感じがしてならない。

それで、結局二人は偶然といおうか、劇団の公演を見に来た京志郎とばったり出会い、そのまま結局はお互いに好きだし、愛は冷めてなかったしで、志乃が部屋に置いていった観葉植物・クワズイモが、彼のアパートの部屋の庭で繁殖していて見事でした。
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