ぶらぶら人生

心の呟き

最後の墓参

2023-09-23 | 身辺雑記
 
 三保三隅駅で、姪の到着を待ち、親族6名で、奥つ城に向かった。

 この三保三隅駅は、昔からずいぶん縁がある。祖父母の家へ行くときには、行きも帰りも利用した。
 その上、中・高の6年間、浜田へ通学した私にとっては、登下校のとき、必ず通過する駅でもあった。

 特に戦後の間もなくは、復員の兵士や引揚者などで、汽車が混み合い、通学生の多い三保三隅では乗車できないことが幾度かあった。そういう折、すでに乗車していた私たち数名は、三保三隅駅で下車し、公認欠席の扱いを受けたものである。
 そんなある日、帰宅のための下り列車を待ちながら、下掲の写真にある鉄道碑をとり巻く丸石に腰をかけ、紙縒(こより)をよったことがある。
 今思い出すと、紙縒を作るための紙が、用紙不足の戦後、なぜ手元にあったのかが、不思議である。そして、誰がより方を教えてくれたのかも思い出せない。実に朦朧とした思い出である。
 が、その時、紙縒が縒れるようになったことは間違いない。たまに和綴じに使ったこともある。
 しかし、私が社会人になった頃には、紙縒にまさる閉じ紐やホッチキスなど、進化した道具が出回って、紙縒を使用することは皆無に等しくなった。

 姪の到着を待つ間に、大昔のことを思い出していた。

    


 来年の春のお彼岸のころ、私自身が此岸にいるのか彼岸にいるのか、皆目分からない。此岸にいたとしても、お参りすると、同行者に、今よりさらに気づかいさせるようになることは間違いない。
 これを最後と、お参りする。

 山里で、ホウシゼミの声を聞けなかったのは残念であった。
 道中のあちらこちらで見かける曼珠沙華にも、赤く燃える威力が欠如している。
 きっと長く続いた猛暑と関係があるのだろう。私の好きな初秋の趣とは、かなり異なっているのが残念だった。

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帰宅した庭

2023-09-21 | 身辺雑記
 この秋は、曼珠沙華の華やぎが乏しい。不作の年であろうか。
 帰宅した庭には、赤色とベージュ色の花が一本ずつしか咲いていなかった。(ベージュ色の方は、もう一本、咲くかもしれない。10センチほどの茎が、のぞいているので。)

 曼珠沙華は、初秋の野に群らがり咲いてこそ、趣があるように思う。今秋は、強烈に燃える威力が乏しいような趣である。暑すぎた夏が影響したのでは? そんな気がする。

 家の庭では、例年、三か所に咲いて、季節の移ろいを感じさせてくれる花であり、お彼岸の時期と重なって、亡き人々を偲ぶよすがとなってくれる花でもあるのだが……。


 一本ずつ咲いてくれた曼珠沙華。

   




    



 ムラサキシキブやシロシキブの実は、それぞれ、見頃である。実にももちろん、最も美しい時期があり、今がその見頃である。

    





     


 倒れていたシコンノボタンの一茎を起こしてやると、蕾が一つ見つかった。
 昨年の冬、格別の寒冷に遭ったので、今年は花をつけないはずであった。
 冬が暖かければ、花期の長い花である。
 7月から9月にかけて、日々、たくさんの花を楽しませてくれるのだが……。

 一日花なので、この蕾の開花に会える確率は低い。施設の方へ行っている間に咲けば会えない。花には会えなくても、地面に散り落ちた花弁には会えるかもしれない。
 ささやかな期待である。全ては成り行きに任せるしかない。

     



  シモツケソウの、咲き遅れの花。

    

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曼珠沙華を探して

2023-09-20 | 散歩道
 曇り日の午後、久々の散歩に出かけた。
 川沿いに向かうと、真正面に津和野の青野山がかすんで見える。


    



 秋分の日が近づいてきたので、そろそろ曼珠沙華が咲くころではないだろうか? と思いつつ、高津川沿いの道を、川上の方向に向かって歩いた。

 今、道沿いに多いのは、イタドリの花である。

    



 曼珠沙華の盛りには、まだ至っていない。

    



 たまたま完璧に咲いていたクリーム色の曼珠沙華。

    



    薮の中の曼珠沙華。

    



 以下、? のついた花名は、Google lens で調べたもの。

     ワスレグサ ?

    



       フヨウ

 蕾がたくさんついている。花盛りの日が楽しみである。

    



     タイザンボクの蕾 ?

    



      ツルバキア ?

    



    ルリマツリモドキ ?

    




     ミヤギノハギ

    



   チャイニーズ ブルンバーゴ ?

    



 桜並木の小径に咲くタマスダレ。

    



 桜並木の小径に、たちまち増えたイヌタデ。

    



  ササキビ であろうか?

    


 散歩を楽しむには、少々暑すぎた。大気の中に、まだ秋の気配は微塵もない。
 が、今、野にある草花は、秋の気配を感じて咲いたものばかりである。


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キクイモの花が咲いた

2023-09-19 | 身辺雑記

 今日、嬉しかったことといえば、昨日は一つしか咲いていなかったキクイモの花が、もう一つ咲き加わったこと!


     




 お隣から、季節の果物・梨をいただいたこと。大きくて立派な形をしている。
 「敬老の祝いに贈ってきた梨」とのこと。
 何処産かは、聞き忘れた。二十世紀梨でないことは確かだけれど。

     



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今日が終わる

2023-09-18 | 身辺雑記
 今日の夕食は、重箱膳であった。
 10日は、「じゅうの日」にちなんで、毎月、「重箱」のお膳が運ばれる。
 しかし、今日は、18日。
 ? の気分。
 暦の上では、今日が「敬老の日」らしい。
 カレンダーが、赤い数字になっている。

  施設の「敬老のお祝い膳」は、すでに10日にいただいている。そこで、18日の今日へ、10日の重箱膳が振り替えられたということらしい。

 私自身が90歳にもなってみると、長寿は、決しておめでたいことではないような気がする。
 
 100歳で、現役の薬剤師という方を、テレビが報じていたのを見たけれど、それは非常に特殊な人である。
 むしろ人の助けを借りながら、命ながらえている人の方が、はるかに多いのが現実である。元気そうでも、週に何回か、デイサービスへ出かけられる人も、結構いらっしゃる。
 デイサービスの経験がないので詳しいことは分からないが、幼稚園ならぬ、老人園のような処だろうか。
 私は介護支援を今のところ受けていない。が、決して心身ともに、健康体ではない。
 明日の朝の目覚めがあるだろうか? と、就寝前にはいつも思う。が、今日までのところは、次々と新しい朝がきて、今日まで生きてきただけのことである。明朝のことは分からない。



     夕食膳の飾りもの

    



 夕陽を眺めるのが好きである。
 今日も、美しい落日であった。
 このところ、日ごとに、日没の時間が早くなり、今夕は、夕食膳を配膳車へ返す前に、水平線へと沈み始めた。
 今では、実感の失われつつある言葉だが、まさに、<釣瓶落とし>の日没である。

 落日は刻々と、海上や空の色を変えながら、海の彼方へ沈んでゆく。

 落日のひとときは、私の人生を支えてくれた鬼籍の人たちに、一方的に語りかける時間でもある。

 

    


          ↓

     


          ↓

     



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花と夕焼け

2023-09-17 | 身辺雑記

 Tさんが、夕方の散歩で摘み取ってこられた花を裾分けをしてくださった。
 しっかり水揚げをして、花瓶に挿す。


  キクイモ・センニンソウ・イヌタデ

     


    
       センニンソウ

    


        イヌタデ

    



 夕食後、ルーフバルコニーから眺めた夕焼け。静かだが激しく燃えて。
 刻々と変化しつつ、宵の闇へ。

    




    




    


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朝露の小径

2023-09-17 | 散歩道


 気温が30℃に上がる前に歩いてこようと、
朝の散歩に出かけた。
 久しぶりに、桜並木の小径を歩く。
 朝露が靴を汚す。が、それよりも、歩いていることに心が弾む。部屋に籠りっきりの生活では、どうしても、精神的にはよくない。


     桜並木の小径

    


 カラスウリが、緑の実をつけていた。
 (下の写真)
 ただ、アケビは記憶している位置に見えなかった。(が、私の見方が悪かっただけで、夕方、散歩されたTさんから、アケビは健在だが、色づきの気配は感じられないし、その実はまだ小さいままだったと、教えてくださった。)


     カラスウリの実

    

 

 葛の花は、以前どおりで、花数は増えていなかった。見た位置に咲いていたものだけであった。期待外れである。


   



 ただ今、小径は、ツユクサの最盛期

 ツユクサの里、と名づけてもいいほど、たくさんのツユクサが、露をおびて咲いている。
 
    


          ↓

    



 ツユクサに混じって、イヌタデも咲いていたが、まだ威勢の乏しい。

    



 桜並木の小径をそれて、大塚神社通りを歩く。

 人家のそばには、アサガオが咲いていた。

    


  フウセンカズラの花と実にも出会う。

    


     フウセンカズラの花

    



   ツバキの実も、色美しく。

    



 殺風景だったソテツの今は、見事な風姿。

    




        ニラバナ

    



 [追補]

 桜並木の小径で、初めて目にした花。
 Google lensによると、
 キクノハアオイ (?)


    




  施設前の花壇に咲くアベリア。





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心もの憂く

2023-09-16 | 身辺雑記


 美しい朝陽を眺めてスタートした今日であったが、なんとなく心が鬱しがちな一日であった。


   



 自室から海の方を望むと、松枯れが進み、景観が損なわれている。

    



 廊下に出て、海側を眺めても、枯れた松が目立つ。
 取り除くことも、大変な作業なのだろう。

 小学校の低学年のころ、江津市の嘉久志というところで過ごした。その海岸の松林は、実に見事だったように記憶している。
 私自身が幼くて、眼にするものが、実物以上に立派に見えたのかもしれないけれど。
 
 借家住まいだったので、4年間に3度転居した。
 初めは国道沿いの家だった。長じたのちも、松江方面へゆくときなど、幾度か昔の家を懐かしんだものである。
 しかし、後の二箇所、松林のある海辺近くの借家と、山陰本線の線路脇にあった家とが、今も健在であるかどうか分からない。
 ただ大塚の松林を眺めるとき、幼い日の記憶として存在する堂々とした松林が、思い出としてよぎるのはしばしばである。
 海岸線に並行して植えられた長く続く林であった。


    



 施設の生活が7年目になる。
 入室当初、机の引出しに入れたもので、一度も手に触れたことのないものがある。一旦整理しておこうと、すっかり忘れていたものもある。
 今日は引出しの整理整頓日。
 画帳が3冊も出てきた。
 すっかり忘れていた。
 1982年ころ、何かのはずみで描いてみたらしい。
 アケビや好物のイチジクを描いたものもあった。


 昔のスケッチ(アケビ)

    


 この絵には、10月12日の日付けが付されている。
 桜並木のアケビも、色づき始めるころなのかもしれない、と改めて思う。


  
 イチジクは、かなり貧相である。
 ありのままを描いたのか、描き損ないなのか、よく分からない。






 画帳には、たくさんの余白が残っている。
 時には、下手なスケッチを楽しもうと思っている。
 早速、目の前のワレモコウをスケッチしてみた。

    



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久々の散歩

2023-09-15 | 散歩道


 朝から雲が低く、終日、曇り日であった。
 時折、小雨も降ったらしい。


    



 施設では、毎日が、部屋に籠りっきりの生活である。格別の猛暑続きで、外歩きはできず、心は、少々鬱しがちであった。

 今日は、午後になっても、幾分凌ぎやすかった。
 久々に、戸外へ出てみた。
 

 相変わらず雲が低く、青空はない。


     河口からの眺め。

    



  鴨島大橋の方向を見ても、高い山並は見えない。

    



 トベラの実が、大きく膨らんできた。そのうち弾けて、赤い粒々の実が現れるだろう。

    


 
 ブタナは春の花かと思っていたが、この時期にも咲いていた。
 この花は外来種。
 私の生まれた1933年に入ってきたと知っただけで、格別、親しみを覚えている。


    



  ヘクソカズラの花期は長く、施設の北寄りの一角に、群がって咲いている。

    




 先日来、4階の相談室近くの窓から、2階の花壇に咲いている花を眺めている。
 あの花は、 リナリア であろうか? と思いながら。


    
    
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雨の日の帰宅

2023-09-14 | 身辺雑記

 自室からの早朝の眺め。
 空の大半を重い雲が占めている。
 わずかに、夜明けを示す太陽光が眺められるのみ。

  



 雨降るなかの日帰り帰宅。

 雨の止み間に、庭に出てみた。
 季節の移ろいを感じさせてくれたのは、タマスダレの花。

     



 季節外れのシモツケの花。

     


 
 木々の葉は、水滴をとどめて。


    モミジの葉

     



    ジューンベリーの葉

     


 4時半、タクシーに乗り込むと同時に、篠突く雨となった。窓からの風景が全く見えなくなるほど。その勢いは15分でしずまり、ほっとする。あの調子が一時間も続けば、なんらかの被害が出たはず。

 今日の雨で、少しでも凌ぎやすくなってくれるとありがたい。


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