月末に二人の方から書籍が届いた。
いずれも、生きし日々の記録である。
一つは、中田潤一郎遺稿集『ニワトリ柵を越えにけり』と『連禱 ― がんと末期医療を考える会の記録 ―』。
上記の二冊は、故中田潤一郎さんの子息から贈られたものである。
私は現在、5年連用日記を使っており、ひとりでに、前年の日記を読み返すことが多い。
過日、中田潤一郎さんの訃報に接したのは、昨年の4月であったことを確認し、<あれから早くも一年が経ったのか!?>との感慨を新たにしたばかりであった。
中田さんとは、同人雑誌の仲間として、若き日から長年付き合ってきた。私が脱会したあとも、折に手紙をもらったり、こちらからも書き送ったりしてきた。
『ニワトリ柵を越えにけり』には、同題の小説を含め7作品のほか、随筆、俳句、詩・詩論などが掲載されている。
生前、出版された3冊の小説『渦と暗礁』『柵のある風景』『あしび亭物語』は、私の書棚にあり、かつて読了した作品である。
それに加え、400ページの内容の濃い作品は、故人を偲ぶよすがとなるであろう。
折々に読みついでゆこう。
『蓮禱』の方は、中田さんが事務局長を勤められた<がんと末期医療を考える会>の15年の記録である。生前、発行を計画しておられた出版を、子息が引き継がれたものである。
やはり同人だった詩人・岡博さんが、がんを患われ、自ら同会を発起されたものである。
岡さんの亡き後、その意思を継いで、中田さんが事務局長を勤め、活動を続けられた、その貴重な記録である。
こちらも、重厚な本である。中田さんを始め、会員の方々の文章が、約300ページにまとめられている。
寝転がっては読めない重い内容の本である。
座右において、ゆっくり読んでゆくことにしたい。
もう一つは、神原徳茂さんから届けられた句集である。
以前、いただいた『瑠璃蜥蜴』に次ぐ第二句集『マグレブの大地』、第三句集『バルカンの光と陰』、第四句集『はるけきトスカーナ』の三冊である。
作者のあとがきによると、三冊に掲載された句の総数は、760句に及ぶ。
松尾芭蕉に始まり、旅から生まれた句作品は多い。
神原さんの三句集は、いずれも私にとって未踏の外国を旅し、そこで詠まれた作品を集められたものである。
異国の旅先で嘱目した風景を前にし、作者の鋭くやわらかな心眼が捉えた世界を、俳句という短詩形に巧みに収められている。
写真と句作の背景を紹介する散文が添えられていて、句の理解や味わいを深めてくれる。
まだ全句を読み終えてはいない。
作者の思いを一句一句に味わいながら、折々に読みすすめたい。
神原さんは、俳句雑誌『遠嶺<TOONE とおね>』の会員で、2009年に、第十三回 新人賞を受け、句作を楽しんでおられる様子である。
いずれも、生きし日々の記録である。
一つは、中田潤一郎遺稿集『ニワトリ柵を越えにけり』と『連禱 ― がんと末期医療を考える会の記録 ―』。
上記の二冊は、故中田潤一郎さんの子息から贈られたものである。
私は現在、5年連用日記を使っており、ひとりでに、前年の日記を読み返すことが多い。
過日、中田潤一郎さんの訃報に接したのは、昨年の4月であったことを確認し、<あれから早くも一年が経ったのか!?>との感慨を新たにしたばかりであった。
中田さんとは、同人雑誌の仲間として、若き日から長年付き合ってきた。私が脱会したあとも、折に手紙をもらったり、こちらからも書き送ったりしてきた。
『ニワトリ柵を越えにけり』には、同題の小説を含め7作品のほか、随筆、俳句、詩・詩論などが掲載されている。
生前、出版された3冊の小説『渦と暗礁』『柵のある風景』『あしび亭物語』は、私の書棚にあり、かつて読了した作品である。
それに加え、400ページの内容の濃い作品は、故人を偲ぶよすがとなるであろう。
折々に読みついでゆこう。
『蓮禱』の方は、中田さんが事務局長を勤められた<がんと末期医療を考える会>の15年の記録である。生前、発行を計画しておられた出版を、子息が引き継がれたものである。
やはり同人だった詩人・岡博さんが、がんを患われ、自ら同会を発起されたものである。
岡さんの亡き後、その意思を継いで、中田さんが事務局長を勤め、活動を続けられた、その貴重な記録である。
こちらも、重厚な本である。中田さんを始め、会員の方々の文章が、約300ページにまとめられている。
寝転がっては読めない重い内容の本である。
座右において、ゆっくり読んでゆくことにしたい。
もう一つは、神原徳茂さんから届けられた句集である。
以前、いただいた『瑠璃蜥蜴』に次ぐ第二句集『マグレブの大地』、第三句集『バルカンの光と陰』、第四句集『はるけきトスカーナ』の三冊である。
作者のあとがきによると、三冊に掲載された句の総数は、760句に及ぶ。
松尾芭蕉に始まり、旅から生まれた句作品は多い。
神原さんの三句集は、いずれも私にとって未踏の外国を旅し、そこで詠まれた作品を集められたものである。
異国の旅先で嘱目した風景を前にし、作者の鋭くやわらかな心眼が捉えた世界を、俳句という短詩形に巧みに収められている。
写真と句作の背景を紹介する散文が添えられていて、句の理解や味わいを深めてくれる。
まだ全句を読み終えてはいない。
作者の思いを一句一句に味わいながら、折々に読みすすめたい。
神原さんは、俳句雑誌『遠嶺<TOONE とおね>』の会員で、2009年に、第十三回 新人賞を受け、句作を楽しんでおられる様子である。